“ジャパニーズフェチ”の祭典『フェチフェス15』レポート ファッション、ホラー漫画、ラバー、身体改造など盛り沢山
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フェチフェス15
2019年1月27日、『フェチフェス15』が東京・日本橋の綿商会館にて開催された。寒い季節であるにもかかわらず、大入り満員の会場には熱気が充満していた。あらゆるジャンルが集結した“ジャパニーズフェチ”の祭典をレポートしたい。
フェチなアイテムは女性や外国人にも大人気
タブロヲ
前衛喫茶マチモ
会場入り口で視界に飛び込んできたのは「タブロヲ」ブース。穿くと球体関節人形になれる「球体関節ストッキング」など、だまし絵的なファッションアイテムが女性の心を魅了する。そして、1階の「前衛喫茶マチモ」ブースにも、女性が喜ぶアイテムが並ぶ。最近は和物推しで、海外にもファンが急増中だ。東京・高円寺で喫茶店とギャラリーを運営するマチモは、受託販売を行なうだけではなく、コミュニケーションを密に取ることでクリエイターの創作活動を後押ししている。
Kitanya Design Factory
フェチフェスらしいアイテムといえば、「世の中みんな何かに縛られている」をテーマにアクセサリーや小物雑貨を制作する「Kitanya Design Factory」。最近は「あなたのラッキーを逃がさない」ポップなフィギュアが外国人にも大好評だ。
D/3
サイバーファッションブランド「D/3」ブースでは、蛍光色に彩られた衣装や小物を女性客が手に取っていく。D/3は、「ディストピア」をコンセプトにしたD/3αにも力を入れている。年2回のD/3α受注会には、原宿系ファッションを好む男性が多く訪れるという。D/3とD/3αの2つのブランドを展開し、ファンの裾野を広げている。
カルトな人気を誇る有名漫画家も参戦
日野プロダクション(右が『まずい棒』の「まずえもん」)
日野日出志とコラボしたゼンタイ(全身タイツ)
フェチフェスには、カルト的な人気を誇る有名漫画家が多数出展している。今回のキービジュアル担当は、ホラー漫画家の重鎮、日野日出志だ。2018年には、銚子電気鉄道が販売するスナック菓子『まずい棒』の「まずえもん」を描いたことで注目を浴びた。これに伴って日野プロダクションが発足し、イベント出展などを通して日野作品の普及を行なっている。隣接する「トウキョウゼンタイクラブ」ブースでは、日野日出志とコラボしたゼンタイ(全身タイツ)をまとったいくるが売り子を務めていた。いくるは、その着心地について「全身にタトゥーを入れたみたいで、まるで異世界の生物になったみたいです」と話した。
氏賀Y太(氏賀屋)
猟奇漫画家、氏賀Y太は最近ホラー漫画家としても活躍中で、ネット上でも話題となっている。氏賀は「読んだ人に衝撃を与えるためにストーリーを練っています。読者に“いじわる”をして、そこから愛につながればと思います」と語る。
駕籠真太郎
駕籠真太郎(似顔絵はみみずく)
奇想漫画家、駕籠真太郎は、国内だけでなく海外でも高く評価されている。海外アーティストのCDジャケットを数多く手がけ、今年の秋にはイタリアで描き下ろしの単行本を出版予定だ。『第9回うんこ映画祭』(今年5月開催予定)も主催し、現在作品を募集している。駕籠のブースでは、似顔絵にさまざまな加工を施す「特殊似顔絵」が大盛況。この日は女性客からのオーダーが多く、1時間に3人分は描いたという。
初心者から上級者まで楽しめる多様なフェチ
新橋ジャックローズ
新橋ジャックローズ
多様なフェチが集うフェチフェスは、初心者から上級者まで誰もが楽しめるイベントだ。フェティッシュバー「新橋ジャックローズ」は、普段は店舗で開催されるラバーイベント「ラバラホリック」をフェチフェスで実演。ラバー初心者も気軽に参加できるため、ブースには人だかりができていた。売り子のオウサムは「ラバーを着たときの蒸れていく感じが好きです」とラバー愛を熱く語った。
MUKU
障害福祉施設を経営するNPO法人「MUKU」は、障害者の性の問題に取り組む一方で、IT技術などを駆使した最先端のコンテンツ制作も手掛ける。今回は4KのVRで撮影されたメイクドキュメント映像と、立体音響で楽しめる耳かき体験を出展。VRと立体音響の組み合わせも模索中だ。
fetiquette
昨年12月に誕生したフェチマッチング・コンテンツ販売サービス「fetiquette」は、心臓フェチのHimmeliによって開発された。心臓フェチのようなマイナージャンルの需要と供給をマッチングさせ、中間搾取のない直接取引が成立する場を目指す。将来はイベントやカフェなどの開催も考えているという。
ケロッピー前田(左)とラス・フォックス(右)
TBSの人気番組『クレイジージャーニー』でおなじみの身体改造ジャーナリスト、ケロッピー前田も参戦。体内にマイクロチップなどの電子機器を埋め込む「ボディハッキング」の実践者、ラス・フォックスがカナダ・バンクーバーから来日し、ファンとの交流を深めた。
各界から注目を集めるフェチフェス
エキゾチックコントーション×シースルーゼンタイ
日本は現在、フェチに寛容な社会になりつつある。“好き”を自由に表現したり、ネット上で発信したりできる時代になったのだ。そうしたフェチブームをリードするフェチフェスは、メディアで紹介されることも多く、各界から注目を集めている。次回の開催にも期待したい。