北欧・フィンランドを代表するアーティストを紹介する『ルート・ブリュック 蝶の軌跡』展、東京ステーションギャラリーで開催

2019.2.7
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《蝶》1957年、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団蔵 Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation’s Collection / EMMA – Espoo Museum of Modern Art (C)KUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2018 C2531

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展覧会『ルート・ブリュック 蝶の軌跡』が、2019年4月27日(土)〜6月16日(日)まで、東京ステーションギャラリーにて開催される。

ルート・ブリュック|Rut Bryk Photo: Tapio Wirkkala

北欧・フィンランドを代表するアーティスト、ルート・ブリュック。名窯アラビアの専属アーティストとして約50年にわたって活躍し、初期の愛らしい陶板から膨大なピースを組み合わせた晩年の迫力あるモザイク壁画まで、幅広い作品を手がけた。重厚でエレガントな釉薬の輝きと、独自の自然観にもとづく繊細な図や形態は、今も多くの人々を魅了している。

《ヴェネチアの宮殿:リアルト橋》1953年、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団蔵 Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation’s Collection / EMMA – Espoo Museum of Modern Art (C)KUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2018 C2531

本展は、約200点のセラミックやテキスタイルなどを通じて、その多彩な仕事を日本で初めて網羅する展覧会だ。初期と後期でドラマティックに変わる作風の謎、たしかな伝統技術に裏打ちされた細やかな凹凸による動きなど、実物の作品はいくつもの発見を促すだろう。作品の空間効果にこだわったブリュックにちなんだ、ダイナミックな展示構成も予定している。ブリュック没後20年、日本・フィンランド外交樹立100周年の2019年春。「明るく、かわいい」印象で語られがちな「北欧・フィンランド」のイメージを刷新する展示となっている。

見どころ1:知られざる大型作家の紹介

《蝶たち》1957年、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団蔵 Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation’s Collection / EMMA – Espoo Museum of Modern Art (C)KUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2018 C2531

ブリュックはフィンランドの人々に愛されてきた著名な作家でありながら、日本でこれまで網羅的に紹介する機会はありませんでした。1点もののレリーフを中心として、多ジャンルに及ぶブリュックの仕事や感性を共有する好機となる。

見どころ2:ありきたりの「北欧・フィンランド」のイメージを更新

《母子》1950年、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団蔵 Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation’s Collection / EMMA – Espoo Museum of Modern Art (C)KUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2018 C2531

前期から後期へとドラマティックに変化する作風も魅力だが、ブリュックのナイーブな感性が紡ぐロマンティックでどこかスピリチュアルな世界観は、日本人がこれまで親しんできた「明るく、愛らしい」というフィンランドの既存イメージを新たにすることだろう。

見どころ3:風土に根ざした創造、ものづくりの未来へのメッセージ

《色づいた太陽》1969年、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団蔵 Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation’s Collection / EMMA – Espoo Museum of Modern Art (C)KUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2018 C2531

ブリュックのインスピレーション源は、独自の文化や生命観をもつフィンランドの風土だ。大量生産を避け、伝統技術と手仕事によるものづくりを貫いたブリュックの作品は、日本人の感性にも呼びかけるものがある。

《ライオンに化けたロバ》1957年、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団蔵 Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation’s Collection / EMMA – Espoo Museum of Modern Art (C)KUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2018 C2531

《都市》(部分)1958年、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団蔵 Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation’s Collection / EMMA – Espoo Museum of Modern Art (C)KUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2018 C2531

《黄金の深淵》1969年、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団蔵 Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation’s Collection / EMMA – Espoo Museum of Modern Art (C)KUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2018 C2531

イベント情報

ルート・ブリュック 蝶の軌跡
会期:2019年4月27日(土)―6月16日(日)
開館時間:10:00 - 18:00
*金曜日は20:00まで開館 *入館は閉館の30分前まで
休館日:4月29日、5月6日、6月10日をのぞく月曜日、5月7日(火)
入館料:一般1,100(900)円/高校・大学生900(700)円/
中学生以下無料
*( )内は前売料金。ローソン(Lコード=35471)、イープラス、CNプレイガイド、セブンにて販売[2月16日から4月26日まで販売]
*20名以上の団体は、一般800円、高校・大学生600円
*障がい者手帳等持参の方は100円引き(介添者1名は無料)
会場:東京ステーションギャラリー
*2019年-2020年にかけて、伊丹市立美術館・伊丹市立工芸センター、岐阜県現代陶芸美術館ほか全国数会場の美術館で開催予定。2019年はブリュック没後20年、日本-フィンランド外交樹立100周年にあたり、日本各地でフィンランド関連のイベントが開催される予定。
公式サイト:rutbryk.jp
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