TEAM NACS戸次重幸「笑顔が信用できない人たちを集めました(笑)」 舞台『MONSTER MATES』開幕
(左から)前野朋哉、青柳翔(劇団EXILE)、本郷奏多、吉沢悠、戸次重幸
TEAM NACS戸次重幸のSOLO PROJECT第4弾となる舞台『MONSTER MATES』が2月8日(金)東京・EX THEATER ROPPONGIにて開幕した。前回の一人舞台『ONE』から5年ぶりとなる今回は、本郷奏多、青柳翔(劇団EXILE)、前野朋哉、吉沢悠という個性的な4名を迎え、ワンシチュエーションの5人芝居を繰り広げる。初日の直前には同劇場にて5名での会見とゲネプロ(通し稽古)が行われた。
会見に先駆けて行われた写真撮影の際、5人が普通の靴ではなくスリッパを履いていたため、それは楽屋用か? 写真に写らないほうがいいのか? と声をかけたところ、戸次は「マンションの一室という設定なので、スリッパも衣裳の一部です。私物じゃないですよ(笑)」と丁寧に解説。そして会見がスタートした。
5人の足元はこちら。
「マンションの一室で起きるサスペンスコメディー」と本作を表現する戸次はヤクザの桐谷という男を演じる。「おどろおどろしい場面もあるが、要所要所笑える場面もあるので楽しんでいただけると思う」と演出家として胸を張る。そして今の心境について「本番より若干稽古が好きで、稽古が51%で本番が49%と若干稽古が勝っているんです。でも稽古は終わってしまったんですよ」と残念そうに言う戸次に笑いが。「でもお客さんに観てもらってナンボの商売ですから、楽しんでいただけるよう頑張りたい」と語った。
戸次重幸
Mr.Qという謎の男を演じる吉沢は「稽古中、通し稽古をたくさん出来たので、戸次さんやスタッフさんがかなり前から準備されていたので早い段階からそういう稽古ができたんだと思う。そのバトンを受けて今日を迎えることができた」と振り返った。
吉沢悠
以前の事故で片足が不自由になった三波役・本郷は「たくさん稽古ができて嬉しい。先輩方は皆優しいので毎日が楽しいので最後まで楽しくできたら」と笑顔。
本郷奏多
三波を自宅に居候させている精神科医の坂上役を演じる青柳は「僕個人としては久々の舞台。キャスト・スタッフと協力していい舞台にできたら」と語る。
青柳翔(劇団EXILE)
最後に鮮魚店店主の今野役・前野は「楽しみたいなあと思っています。稽古も楽しかったし本番も楽しみたい」と胸の内を明かした。
前野朋哉
この4名をソロプロジェクトに呼んだ理由を聞かれた戸次は「誤解を恐れずに言うなら笑顔が信用できないこと(笑)。皆さんが出ている作品を視聴者として観たんですが、本当に笑いたくて笑っているのか、腹黒さを感じたんです。人柄ではなく演技という上で役者としての“いい闇”を感じたんです」その言葉に4人は微妙な表情。「青柳くんとか目がおよいでいるときがあるもんね。そこが魅力的に感じて」と戸次に名指しされた青柳は苦笑いを浮かべていた。
作品のテーマに絡め、「不老不死になったら何をしたいか?」という質問が飛ぶと前野は「危険な仕事をやりたい。NASAとかで働いてみたい。人命に関わる仕事はギャラもいいと思うので」というとどっと笑いが起きる。青柳は「僕もなるべく巨額の富を築けるように工夫したい。遊んでくらせるように」
一方、本郷は「僕はライオンを倒したい」と言うとざわめきが起きる。「ライオンを倒せた人はいないと思うので何度も甦りながら倒したい」その発言に戸次が「武井壮さんも本当に倒したのか怪しいですからねえ」と茶々を入れさらに沸かせていた。吉沢は本郷に乗っかる形で「じゃ僕は象を(倒したい)」と一言。最後に戸次は「皆さんのお力をお借りして、一生エンターテインメントで食っていきたい」ときっぱり。「でも飽きられてしまうんじゃないか?」「またあの死ぬ奴でしょ? って言われて」などと突っ込みが入ると「国を変えてやりますから」と謎の切り返しを見せていた。
ゲネプロの模様を少しだけ紹介。
ステージ上には坂上と三波が住む立派なマンションのリビングだけ。そこに少しずつ登場人物が集まっていく。居候という立場だからか何かと投げやり感溢れる三波。働いていない三波を気遣うような口ぶりだがどこか上から目線の今野。勤務先の病院から帰宅した温厚な坂上。三波に届いた謎の手紙の意味が気になるが、借金取りの桐谷が登場し、さらに謎過ぎる男「Q」が現れ事態は急変。三波に「あなたは不老不死になりました」とQが告げたことから、不老不死を疑うもの、徐々に信じ始めているもの、不老不死が本当なら利用しようとするものなど、それぞれの思惑が交差し、やがて事態はとんでもない展開へと発展する。
サスペンス劇なだけに、最後に誰がこの物語の幕を引くのだろう、と無意識に「結末」を考えだすと思うが是非その予想ごとこの物語を楽しんでほしい。何度も何度もどんでん返しが待ち受けており、その一つ一つがきっと観る者の心拍数を上げていくだろうから。最後に笑うのは誰か?ゲスめ!と指をさしたくなるのは誰か?ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか。
是非劇場でその答えに出会ってほしい。
取材・文・撮影=こむらさき
公演情報
作・演出:戸次重幸
出演:本郷奏多 青柳翔 前野朋哉 戸次重幸 吉沢悠
2019年2月8日(金)~2月13日(水)全8公演
会場:東京都 六本木 EX THEATER ROPPONGI
2019年2月16日(土)、2月17日(日)全3公演
会場:福岡県 福岡国際会議場 メインホール
2019年2月22日(金)~2月24日(日)全4公演
会場:北海道 札幌 道新ホール
2019年3月1日(金)~3月3日(日)全5公演
会場:大阪府 森ノ宮ピロティホール