デヴィッド・ボウイ 初期レコーディングの未発表デモ音源収録したボックスセット輸入盤で発売
-
ポスト -
シェア - 送る
デヴィッド・ボウイの最初のヒット作『スペイス・オディティ』発売から50年を迎える今年2019年。そのアルバム発売50周年を記念して、当時の貴重なデモ音源を収録した7インチ・シングル・ボックス・セット『スパイング・スルー・ア・キーホール』のリリースが先ごろ発表されたばかり。そしてこのほどさらに、4曲の完全未発表音源を含む未発表音源集『クレアヴィル・グローヴ・デモ(原題: CLAREVILLE GROVE DEMOS)』(3枚組7インチ・シングル・ボックス)が輸入盤で5月17日にリリースされることが発表された。
今作は、彼の自宅でレコーディングされていた全6曲の貴重な音源を収録した、もう一つの未発表音源集で、Parlophone Records/Warner Musicよりリリースされる。このボックスは、ボウイの音楽的旅路、そして彼のアーティスト/ソングライターとしての進化における最も初期の姿を捉えたものとある。
このボックスに収録されている音源は、1969年1月に、デヴィッドが当時に住んでいた、ロンドンのクレアヴィル・グローヴにあるアパートにて行われたデモ・セッションをレコーディングした音源。デヴィッドと彼の当時のガールフレンド、ヘルミオーネ・ファージンゲールと共に、トリオ編成のTHE FEATHERS(この頃には既にTHE FEATHERSとしての活動は終わりを迎えていた)として活動していたジョン・“ハッチ”・ハッチンソンとのデュオという編成でのレコーディングとなっている。
ボックスのジャケットおよび中面には、デヴィッドとヘルミオーネが同棲していたクレアヴィル・グローヴのアパートで、当時のデヴィッドのマネージャーであるケン・ピットが撮影した貴重な写真が使用されている。この写真のデヴィッドは、映画『THE VIRGIN SOLDIERS』の役柄に合わせた短い髪形となっており、10年後のベルリン期を思わせるような髪型だ。
なお、『スパイング・スルー・ア・キーホール』と同様、今回のボックスに収納されているシングル盤のデザインは、デヴィッドが当時出版会社やレコード会社に音源を送る際に使っていたデモ盤のレーベルを復刻したものとなっており、中にはEMI DISCのレーベル面にボウイ直筆の楽曲タイトルが書かれたものも含まれている。なお、全音源はモノラル録音となっており、45回転仕様となっている。
リリース情報
『クレアヴィル・グローヴ・デモ』(輸入盤)
2019年5月17日発売
(3枚組7インチ・シングル・ボックス)
【SINGLE 1】
Side A: Space Oddity
完成形の歌詞をフィーチャーしたこのデモ音源は、長らく廃盤となっている『スペイス・オディティ』40周年記念2枚組作品で初めて公開された音源。未公開のTV映画『LOVE YOU TILL TUESDAY』用にMorgan Studiosでレコーディングされた音源よりも前にレコーディングされた音源だ。
以前の恋人に向けて書かれたこの曲は、その後「シグネット・コミティー(原題: Cygnet Committee)」へと姿を変え、その年の後半にリリースされたアルバム『スペイス・オディティ』に収録されることとなった。
【SINGLE 2】
Side A: Ching-a-Ling
デヴィッドとヘルミオーネ、そしてトニー・ヒルからなるトリオ、TURQUOISE(その後トニーの代わりにハッチが加入し、THE FEATHERSとなる)が1968年10月にレコーディングにレコーディングしていた楽曲。THE FEATHERSからヘルミオーネが脱退した後も、デヴィッドとハッチはデュオとしてこの曲を演奏し続けていた。
Side B: An Occasional Dream
後にアルバムに収録されることとなったヴァージョンとは若干歌詞が違うこのデモ・ヴァージョンは、『スペイス・オディティ』40周年記念2枚組作品にも収録されていた音源。
【SINGLE 3】
Side A: Let Me Sleep Beside You
最初にこの楽曲のスタジオ音源がレコーディングされたのは1967年9月のことだったが、1970年の『THE WORLD OF DAVID BOWIE』に収録されるまで未発表となっていた。この音源は、1969年10月にBBC用のセッション時に再度レコーディングされたもの。この曲に思い入れのあったデヴィッドは、30年後に、未発表作品となったアルバム『TOY』のためにレコーディングをし直している。その『TOY』用にレコーディングした音源は、2014年にリリースされた3枚組ベスト・アルバム『NOTHING HAS CHANGED』でようやく世に出ることとなった。
ロジャー・バンの曲で、ヴォーカル/インストゥルメンタル・カルテット、DJINNがレコーディングした楽曲のカヴァー。デヴィッドとハッチによるヴォーカルは、サイモン・アンド・ガーファンクルのようなスタイルをとっている。
<レコーディング・メンバー>
デヴィッド・ボウイ ─ ヴォーカル、ギター、スタイロフォン
ジョン・“ハッチ”・ハッチンソン ─ ヴォーカル、ギター