ミュージカル『LAZARUS』上演記念特別対談~より楽しみ、理解するために~ 立川直樹×SUGIZOが語る“デヴィッド・ボウイという天才の宇宙” ──音・言葉・時代の軌跡/主演・松岡充を迎えて【連載第4回】

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“20世紀で最も影響力を持ったアーティスト”と称される伝説のロックミュージシャン、デヴィッド・ボウイ。彼の遺作であり、このたび2025年5月31日(土)より待望の日本初演を果たすこととなったミュージカル『LAZARUS』。

その魅力を伝えるべく始まった、立川直樹氏とSUGIZO氏の特別連載。第4回目となる今回から、日本版ミュージカル『LAZARUS』で主人公・ニュートン役を務める松岡充氏が登場する。

立川氏、SUGIZO氏がKAAT神奈川芸術劇場に稽古を見に訪れた4月某日、稽古終わりにその鼎談は実現した。

前回「ミュージカル『LAZARUS』上演記念特別対談~より楽しみ、理解するために~ 立川直樹×SUGIZOが語る“デヴィッド・ボウイという天才の宇宙” ──音・言葉・時代の軌跡 【連載第3回】」より続く。

●ボウイが演じたニュートンの、その後のニュートンを演じるということ

立川(以下、T):今日までSUGIZOといろいろボウイについて話をしてきたんだけど、最後の2回は松岡さんとも一緒に話をしたいなと思ってね。

松岡(以下、M):ありがとうございます。とても嬉しいです。

T:うん。そうなったらやっぱり僕は稽古を直接見たいなと思って。SUGIZOも一緒にね。それで、今日見させてもらったわけ。面白いなと思ったのは、白井さんの演出の方法。ものすごくいいアンダーグラウンドな感じがあって、舞台装置との全体のバランスも良かった。主演の松岡さんとしては、どういう感じで進んでいるの?

M:そうですね…。やっぱり僕は、デヴィッド・ボウイに憧れてっていうところからスタートしていますから。もちろんSUGIZOさんほど詳しくはないんですけど(笑)。

SUGIZO(以下、S):いえいえ(笑)。

M:でも結局、デヴィッド・ボウイがどう音楽の中に“表現”をしていったのか、まるで自分が知らないんだなっていうことを、まず思ったんですよね。音楽以外のアートも含めて。

T:うん、うん。

M:それで、デヴィッド・ボウイについて勉強をしながら稽古に入っていったんです。演出の白井さんは、もともとこのエンダ・ウォルシュという脚本家の作品を得意とされていて、『LAZARUS』にたどり着いたのも、エンダ・ウォルシュがきっかけだったとおっしゃっていました。「デヴィッド・ボウイの遺作のミュージカルの脚本をエンダ・ウォルシュが共同で書いてたんだ!」と知って驚いたと。

T:なるほど。そうなんだ。

M:はい。それで「やりたい!」ってなったのが、最初だったらしくて。だから、白井さん的には演劇の“エンダ・ウォルシュの作品”だっていうところから始まっている。でも僕は、どちらかというと“デヴィッド・ボウイの遺作”というところからこのお話をいただいたので、“デヴィッド・ボウイの最後のメッセージ”とか、曲の「Lazarus」のイメージから入っている。そこの、何と言うか、ギャップというか、”差”みたいなものには、最初はすごく驚きました。

T:なるほど。

M:僕の中では、もうあの映画『地球に落ちて来た男』(※1)でボウイが演じたニュートンの、その後のニュートンの役なわけですからね。


※1:1976年製作のニコラス・ローグ監督の映画作品。デヴィッド・ボウイの初主演映画。

●SUGIZOが期待する、“松岡充”のニュートン

T:SUGIZOも、ニュートンのことがすごく好きなんだよね。松岡さんは今おいくつなんでしたっけ?

M:53歳ですね。

S:僕と二つ違いです。

T:なるほど。ほぼ同じぐらいの時期に『地球に落ちて来た男』のニュートンを見てるわけだね。

S:松岡は『ハンキー・ドリー』(※2)の年の生まれですね。僕が『スペイス・オディティ』(※3)の年なので。

M:詳しい(笑)

T:もう生き字引だよね(笑)

M:そうなんですよね。もう全然レベチですよ(笑)

S:いやいや(笑)。ただ面白いのが、ニューヨークのオフ・ブロードウェイ版は、『地球に落ちて来た男』のボウイが演じるニュートンとは似ても似つかない主人公でしたよね。それがすごく興味深くて。「ボウイ本人はこういうことをやりたかったんだ」っていうのを改めて知って、驚愕しました。片やドイツ版は、めちゃくちゃグラム(※4)の、それこそ『ジギー・スターダスト』(※5)の頃のようなニュートンだった。だから、日本でこれを松岡充がやるってなったときに、「どうなるんだ」っていうのがすごく楽しみだったんです。

T:なるほどね。それでSUGIZOは、今日稽古を見てどうだった?

S:松岡とは、実は深い仲で。映画の仕事も一度、結構がっつり一緒にやってるんですよ(※6)。それは松岡が主演で、僕が音楽を担当して、原作・監督が辻仁成さんだった。

M:はい、そうですね。

S:なので、松岡充という役者の個性とか、出すオーラっていうのは、一応知ってるつもりだったんです。

M:ありがとうございます。光栄です。

S:それが、今回の舞台ではどういうふうになるのか、またすごい楽しみ。一緒にやった映画の役が意外と地味な役だったしね。

M:そうですね。ギラギラはしていない、口数も少なく「ずっと音声を録っている」という役でしたね(笑)。

S:そうそう。だから姿格好も、普段の松岡充とは全然違う。地味な普通の大学教授の役だった。“普通“ではないな。まあ狂ってはいるんですけど。

M:はい。

S:そういう意味で言うと、そのギラついた、ともすると“SOPHIAの松岡充“のような、シャイニーなオーラを発する役どころなのか。または、やっぱり内に籠った、ある意味オタク気質な、オフ・ブロードウェイのオリジナル版のようなニュートンでいくのか。どういうふうに演じるんだろうと。そのさじ加減が、実はすごい肝だなと思っていて。どこにニュートンのイメージを着地させるかというのは、実は作品が180度変わるぐらいの大きな要素だと思うんですよ。


※2:1971年にリリースされたデヴィッド・ボウイ4枚目のアルバム。
※3:1969年にリリースされたデヴィッド・ボウイ2枚目のアルバム。
※4:グラム・ロック、化粧や派手な衣装で、中性的な色気を強調したロックジャンル。
※5:1972年にリリースされたデヴィッド・ボウイ5枚目のアルバム。
※6:『TOKYOデシベル』。2017年公開。 

●ミュージカル『LAZARUS』が持つ、アンダーグラウンドのテイスト

T:僕、白井さんの演出作品は、『中国の不思議な役人』(※7)とか、三宅純(※8)が音楽をやっていた作品を何本か見ているんだけど、白井さんは、日本のアンダーグラウンドの、寺山修司(※9)とかの系譜をテイストとしてちゃんと持っている人。だから『LAZARUS』が持っているアンダーグラウンドの空気感みたいなところと、そこがうまくリンクしてるんだよね。

M:まさにそうだと思います。白井さんって、お人柄がすごく洗練されていて、柔らかいタッチの人なんですけど、創るものというか演出は、本当に「泥にまみれて地べたを這って生きてる人たち」を描くような感じで。僕はここ(KAAT神奈川芸術劇場)で上演した『三文オペラ』(※10)という作品で実は白井さんと共演もしてるんですけど・・・

T:白井さんと?

M:はい、白井さんと。当時ここ(KAAT神奈川芸術劇場)の芸術監督でいらっしゃったんですが、 その時は“芸術監督”ではありながら、“俳優”として僕の主演舞台で共演したんです。演出家も別にいたんですけど、白井さんの意見も取り入れられていて。その演出もなかなかのアンダーグラウンドな感じでした。

T:そうなんだね。『三文オペラ』ってブレヒト(※11)だよね?

S:ええ、ブレヒトですね。

T:ボウイってブレヒトもやってるんだよね(※12)。

M:へえー!そうなんですね。

S:そう、だから繋がっていますよね。そういうところでね、やっぱりアンダーグラウンドがルーツにあってね。

T:ブレヒトだと、ジム・モリソン(※13)とかまで全部連関してくる。やっぱり、そのロックシーンの中で、いい意味で異端な人っているじゃない? 僕はSUGIZOと初めて会ったときにも、同じように“種族”だみたいなことをすごい感じたんだけど、デヴィッド・シルヴィアン(※14)と出会ったときも、すごいそれを感じて。

M:なるほど。

T:もちろんデヴィッド・ボウイもそうだったし、イギー・ポップ(※15)もそうだったし、あとブライアン・フェリー(※16)もそうだし、デヴィッド・バーン(※17)もそうで。ちゃんと川の流れみたいに、繋がっている。そこからもうちょっと先に行くと、レナード・コーエン(※18)がいて、セルジュ・ゲンスブール(※18)がいて、みたいな。全部一つの大きな川の流れの中にいるんだよね。


※7:バルトーク・ベーラが作曲した舞台音楽を基に、寺山修司が書き下ろした戯曲。1977年初演。
※8:1958年生まれ。日本の作曲家。
※9:1935年生まれ。日本の劇作家、歌人。1983年没。
※10:ベルトルト・ブレヒトの戯曲。1928年初演。
※11:1898年生まれ。ドイツの劇作家、詩人。1956年没。 
※12:ボウイはブレヒトを敬愛しており、ブレヒトの詩を楽曲にした「アラバマ・ソング」をカバーしている。
※13:1943年生まれ。アメリカのミュージシャン。アメリカのバンド“ドアーズ”のヴォーカル。ドアーズもまた「アラバマ・ソング」をカバーしている。
※14:1958年生まれ。イギリスのミュージシャン。イギリスのバンド“ジャパン”のヴォーカル、ギター。
※15:1947年生まれ。アメリカのミュージシャン。彼のアルバム『イディオット』のプロデュースをボウイが手がけた。
※16: 1945年生まれ。イギリスのミュージシャン。イギリスのバンド“ロキシー・ミュージック”のヴォーカル。
※17: 1952年生まれ。イギリス・スコットランド出身のミュージシャン。1974年から1991年まで活動したアメリカのバンド“トーキング・ヘッズ”のボーカル、ギターとしても知られる。
※18: 1934年生まれ。カナダのシンガーソングライター。2016年没。
※19: 1928年生まれ。フランスの作曲家、作詞家、歌手、映画監督、俳優。1991年没。彼と立川氏は親交が深く、立川氏は1998年に『セルジュ・ゲンスブールとの一週間』という本を上梓している。

●なぜデヴィッド・ボウイは、『LAZARUS』を遺したのか?

ミュージカル『LAZARUS』稽古場の様子

M:デヴィッド・ボウイをよくご存知のお2人にぜひお聞きしたいと思ってたんですけど、ボウイが『LAZARUS』という“ミュージカル”を最後に遺したことについては、どう捉えているんですか?

T:今回もらった資料とかだと、“ミュージカル”ってなってるけど、僕は“音楽劇”って言う言葉の方が合ってると思っている。

M:たしかに、そうですね。これは“音楽劇”ですね。

T:そうそう。“ミュージカル”と言うと、『キンキーブーツ』(※20)とかのイメージになっちゃうから。そう考えると、やっぱり“音楽劇”なんだよね。ボウイは一番最初のアルバムのときから最後までずっと一貫したテイストをを追求し、表現していたと僕は思っている。ボウイのアルバムって、どのアルバムも、何かある意味で“音楽劇”っぽい要素が入ってるもの。

S:“演劇的要素”がね。

T:そう、全部“演劇的要素”が入ってるわけ。72年に『ジギー・スターダスト』を出したときに、“グラム・ロック”っていう言い方をされたわけだけど、最初にレインボー・シアター(※21)とかでやった時とかは“シアトリカル・ロック”とも言われていた。

M:はあ〜、なるほど。

T:本当は“シアトリカル・ロック”、“演劇的ロック”っていう言葉の方が、実は“グラム・ロック”よりも、デヴィッド・ボウイにはふさわしいんだよ。だから、僕は“シアトリカル・ロック”っていう言い方のほうがすごく好き。


※20:2005年公開の映画『キンキーブーツ』を基にしたブロードウェイ・ミュージカル。
※21:イギリス・ロンドンにある劇場。

●ボウイの“悲願”と、“ロックスターの性(さが)”

S:僕は、むしろ舞台を作るのが、ボウイの悲願だったとも思う。『ダイヤモンドの犬』(※22)、あれは74年かな。本当はボウイは、舞台のプロデュースをやりたかった。ジョージ・オーウェル(※23)の『1984』という小説を舞台化したかったんだけど、その権利が取れなくて、いろいろ四苦八苦した挙句にできなくて、でも相当細かく舞台の美術や衣装のイメージを、もうボウイは作っていた。

M:へえ〜!

S:結局できなかったんだけど。それが『ダイヤモンドの犬』の「1984年」という曲に繋がっている。

M:じゃあ、『LAZARUS』は悲願だったんですね。

S:そう。ある意味、自分が主軸で作る舞台っていうのは、ボウイ長年の夢だったはず。

T:だから、一番最後に自分の死期を悟った時に、『LAZARUS』を作っておきたいと思ったのはすごくわかる。

M:お二方の話を聞いて、とても合点がいきました。

S:でも不思議なのが、例えば80年代で大成功して巨万の富を持っているときは、何でもできたはずじゃないですか? そのときに作ればよかったのに。

M:たしかに、そうですよね。

S:もしかしたらその頃は、むしろ成功したことである意味違ったスイッチが入ってしまってて、クリエイティビティが失せてしまっていたのかもしれない。

T:それは絶対あると思う。でも、それが何か”ロック・スターの性(さが)”なんだとも思う。

M:うーん……なるほど。でも、だからやっぱり最後の最後に、本当に創りたかったものを創ったってことなんですね。

T:そう、本当に作りたかったんだよね。だから、エンダ・ウォルシュと組むっていうことも、多分すごく深いところで彼とリンクしているからなんだよね。

S:ボウイがエンダ・ウォルシュと組むことを選んだのも面白いし、何よりボウイが、名声のある人が、オフ・ブロードウェイを選んだっていうのも面白い。

M:本当ですね、ボウイのそんな観点にも注目すべきですね。

S:そのこだわりを観る人には感じて欲しいよね。

M:すごく小さいところでやったんですよね。演出もそうなんですけど、すごく内向きの芝居なんです。全部こう、いい意味で、客席を向いてない芝居なんですよ。だからそれがすごいなと思っていて。

S:うん、なんかインナースペースにどんどん入っていくような舞台。

T:だから、やっぱりアンダーグラウンドなんだよね。

(連載第5回に続く)


※21:1974年にリリースされたデヴィッド・ボウイ7枚目のアルバム。
※22:1903年生まれ。イギリスの作家。1950年没。代表作は、全体主義国家によって統治される近未来社会を描いた『1984年』

これまでの連載はこちら
ミュージカル『LAZARUS』上演記念特別対談~より楽しみ、理解するために~ 立川直樹×SUGIZOが語る“デヴィッド・ボウイという天才の宇宙” ──音・言葉・時代の軌跡
【第1回】https://spice.eplus.jp/articles/336910
【第2回】https://spice.eplus.jp/articles/337342
【第3回】https://spice.eplus.jp/articles/337646

 
構成=立川直樹、志摩俊太朗 注釈=志摩俊太朗

公演情報

ミュージカル『LAZARUS』
※デヴィッド・ボウイの遺志により、音楽パートは英語での歌唱となります。
音楽・脚本 デヴィッド・ボウイ
脚本エンダ・ウォルシュ
演出 白井 晃 
 
出演
松岡 充
豊原江理佳 鈴木瑛美子 小南満佑子
崎山つばさ 遠山裕介
栁沢明璃咲 渡来美友 小形さくら
渡部豪太 上原理生
 
【ダンサー】 Nami Monroe ANRI KANNA
【演奏】
益田トッシュ [Bandmaster] フィリップ・ウー [Key.] 松原”マツキチ”寛 [Dr.]
 Hank西山 [Gt.] 三尾悠介 [Key.] フユミカワカミ(おふゆ) [Ba.]
【スウィング】 塩 顕治 加瀬友音
 
スタッフ
翻訳 小宮山智津子
音楽監督 益田トッシュ
 
美術 石原 敬
照明 齋藤茂男 
音響 佐藤日出夫
映像 上田大樹
衣裳 髙木阿友子
ヘアメイク 川端富生
振付 Ruu Akiho
振付助手 Kokoro
アクション 渥美 博
歌唱指導 益田トッポ
英語発音指導 六反志織
 
演出助手 河合範子 相原雪月花
 
舞台監督 足立充章
プロダクションマネージャー 平井 徹
 
制作統括 笠原健一
制作 原 佳乃子 藤本綾菜
KAAT神奈川芸術劇場 伊藤文一 金子紘子
キョードー東京 兵藤哲史 小川美紀
イープラス 岸 憲一郎 秋元紗矢佳 増田 萌 多々羅あすか
プロデューサー 熊谷信也
 
宣伝 雲林院康行 佐藤知子(キョードーメディアス)
宣伝美術 永瀬祐一(BATDESIGN)
撮影 加藤アラタ 宮脇進[松岡充]
宣伝衣裳 青柳美智子(Barchetta.)
宣伝ヘアメイク 川端富生 伊荻ユミ 戸倉陽子[松岡充]
宣伝映像 十川利春
 
主催 イープラス/キョードー東京/KAAT神奈川芸術劇場
 
【横浜公演】
日程 2025年5月31日(土)~6月14日(土)
会場 KAAT 神奈川芸術劇場 〈ホール〉
料金(全席指定・税込)
SS席(前方実質3列⽬以内確約&プログラム付き) 18,000円 ※公演プログラムはご鑑賞公演当⽇に会場にて引換を実施いたします。
S席 13,500円 A席 10,000円
 
主催 イープラス/キョードー東京/KAAT神奈川芸術劇場/フジテレビジョン

後援 J-WAVE
お問い合わせ キョードー東京 0570-550-799 (平日11時~18時/土日祝10時~18時)
 
【大阪公演】
日程 2025年6月28日(土)~29日(日)
会場 フェスティバルホール
料金(全席指定・税込) S席13,800円 A席10,000円
 
主催 読売テレビ/サンライズプロモーション大阪
後援 FM802/FM COCOLO
お問い合わせ キョードーインフォメーション 0570-200-888(平日12:00~17:00 土日祝休業)
 
一般発売日
横浜公演 4月12日(土)10:00発売開始
大阪公演 5月18日(日)10:00 発売開始
 
公式サイト https://lazarus-stage.jp
公式X @LAZARUS2025
公式Instagram @lazarus_musical