SANABAGUN.、DATS、Tempalayが、真冬の京都を音楽で彩った『Mint Blue Moment』

2019.3.5
レポート
音楽

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『Mint Blue Moment』2019.2.13(WED)京都・KYOTO MUSE

昨年はAwesome City Club、odol、TENDRE、向井太一、LUCKY TAPESらが出演。毎回、刺激的なラインナップで好評を博しているライブイベント『Mint Blue Moment』が、2月13日に京都・KYOTO MUSE、翌14日に兵庫・神戸VARIT.にて開催された。第3回目となる今回は、SANABAGUN.DATSTempalayが出演。またしても注目のアーティストが出揃った同イベントの初日、京都公演の模様をレポートする。

Natsumi K. (FM802)

河嶋奈津実(FM802)のDJによるグッドミュージックをBGMに、見る見るうちに埋まっていくフロア。そこで、バックヤードから気合いの掛け声と共に、揃いの衣装を身にまとった伊達男たち=SANABAGUN.がまずはステージへ。しょっぱなの「I’m back」から、キレのいいホーンと躍動するリズムに、「待たせたな!」と高岩(Vo)と岩間(MC)のフロント2人がジョイン。そのままなだれ込んだ「板ガムーブメント」では、「京都、お久しぶりでございます。ただいま!」(岩間)とご挨拶。会場から沸き立つ「待ってたよ!」の声に甘んじず、貪欲にコール&レスポンスを求めてさらなる高みにオーディエンスを引き上げ、ドラム、キーボード、サックスと次々に見せ場を作りつつ、「8 manz」でも華麗に魅せていく。

SANABAGUN.

ここで、「俺らが平成生まれの~」とアカペラ・ラップで高岩がイカした口上を垂れた後は、「京都! 調子はどうだい!?」と岩間にバトンを渡し「三種の神器」へ。KYOTO MUSEがハンズアップ×歓声に包まれたかと思えば、再び高岩が「京都の声ちょうだい!」と煽るなど、主役が目まぐるしくスイッチしていくツートップの存在感は格別だ。にも関わらず、「デパ地下」ではさらに隅垣(Gt)がMCとしてフロントラインに参戦! 重厚なホーンとリズミックなベースラインが曲を彩り、会場の熱気をぐんぐん上げていく。

SANABAGUN.

続いて、隅垣に代わり谷本(Sax)が前線へと躍り出た「BooOOO!!!」といい、全員がフロントマンと言わんばかりに入れ乱れる光景は、まさにSANABAGUN.ならでは。そんな彼らがMCで噛むなり容赦なく追い込む関西のオーディエンスに(笑)、「俺たち、こういうカワイイところもあるんで(笑)」(高岩)とおどけるシーンも微笑ましい。一転、「こんな輩ばっかりだけど、しっかりとカッコいいところも観せるから。ここに集まったレディーたちにこの曲を」と、高岩がロマンとダンディズムを歌い上げた「Speak of Love」では、ブリッジの岩間のラップも沁みわたる……。

ドライブ感溢れる「FLASH」では自ずとクラップも巻き起こり、しっちゃかめっちゃかにブチ上がるフロア。ラストは、「みんなありがとう! 最後におやすみのアンセム「人間」を!!」(岩間)と、クールな演奏とは裏腹に人間味ありまくりのリリックとパフォーマンスで徹底的に楽しませ、会場を見事にフックアップしたSANABAGUN.だった。

Tempalay

漆黒の闇の中、聴こえてくるドラムとそれに追従するようにねばりつくギターが、幻想的なディレイと共にどんどん広がっていく……。幕が開けば、ブルーの照明に照らされたTempalayがそこに。冒頭のトリッピーなサウンドを継続した「素晴らしき世界」から、先ほどまでとは会場の空気が一変。ズルズルと夢の中に引きずり込まれるような「新世代」のサイケな浮遊感に心地よく翻弄され、「SONIC WAVE」ではフックのあるギターリフとストップ&ゴーを繰り返す変則ビートにまみれと、様々なサウンドをセオリーに囚われることなく1曲にブチ込むバランス感覚とポップセンスは、聴くほどに観るほどにクセになる。続く「テレパシー」も無論そうで、独特の語感で言葉を操り、ブレイクではAAAMYYY(Syn)が最前線で煽って大盛り上がり!

Tempalay

「京都の皆さんこんばんは、Tempalayです。みんなの熱気が俺には見えるよ(笑)」(Dr・藤本)、「(MCでは)あんまり喋りませんけど(笑)、最後まで楽しんでいってください」(Vo&Gt・小原)と、後半戦はメロウな「Festival」を投下。もうこの段階で、Tempalayの不思議な魅力から逃れられない幸福の中にいることを思い知らされる。そんな「Festival」の長尺のアウトロからピークへと向かっていくエクスタシーを道連れに、BTS(防弾少年団)がTwitterで触れたことでも大いにバズった「どうしよう」へと溶け込む至福の展開には、オーディエンスから思わず笑みがこぼれる。

Tempalay

メンバー紹介を挟んでの「革命前夜」では、「踊れますか京都!」とひと際熱を上げ、ソナーのような電子音に誘われた最後の「深海より」でも、ぶっといベースラインとオリエンタルなシンセが効果的に機能するなど、終始デイドリーミングな音像を味合わせてくれた噂のTempalay。その名声に偽りなし!

DATS

幕が開くなり、MONJOE(Vo&Syn)以外の3人が一心不乱にタムをぶっ叩くインパクトと、身体が反応せざるを得ない「Mobile」のグルーヴに、フロアからたまらず声が上がったのがDATSのライブ。トロピカルなスティールパンのサンプリングに人力のリズムが絡み合う「Memory」のサウンドフォーム、「SANABAGUN.Tempalayのテンションもそのままに、俺たちと一緒に歌ってください!」(MONJOE、以下同)との言葉に呼応するオーディエンスの声、その狭間を鮮やかに切り裂くギターの高揚感がハンパない。細胞に訴えかけるような極上のダンスミュージックに、オーディエンスも思い思いに肩を揺らす。「Interlude」では大井(Dr)のトライバルな高速ドラミングに、早川(Ba)のヘヴィなベースラインと吉田(Gt)のエモーショナルなギターが火に油を注ぐように流れ込んでいく。

DATS

会場内でうねりを上げる熱量を味方にした新曲「フリシテンダ」では、壮大なスケールとダイナミズムで新境地を見せ付け、再度リズムセッションへ。ライブの要所要所に組み込まれた点(=楽曲)を線(=ライブ)にするこのようなセッションが、トリップ感をこれでもかと増幅させ、ビートで肉体に、知性で脳に刺激を与え続けるようなDATSのライブは、退屈な毎日をエスケープするには打ってつけと言えるだろう。そして、これだけオーディエンスを踊らせておいて、続けて披露した新曲のタイトルが「オドラサレテル」とはもう最高!(笑) 果敢に日本語詞に挑戦した新曲「コソアド」といい、底知れぬ才能と可能性を出し惜しみすることなく観せていく4人。

DATS

クライマックスの「Heart」では、MONJOEがハンドマイクでフロアを扇動! 「俺たちDATSの音を、全身全霊で感じてみてください!」とステージを横断しながら、「SANABAGUN.ともTempalayとも、東京では全然対バンしてないんだよね。だから、こうやって遠征して一緒にやれるのは俺らにとっても刺激があるし、皆さんも楽しんでくれてるようで嬉しく思います。今日は本当にありがとうございました!」と感謝を述べ、最後は「Message」を放射。今度はメンバー総出でタムを叩きまくる壮絶なエンディングで、KYOTO MUSEに絶景を作り上げたDATS

DAWA(FLAKE RECORDS)

鳴りやまない拍手に呼び戻され、「皆さんのために1曲だけ、特別にやらせてもらおうと思います。(大井)一彌、ちょっとヤバいのやってよ」とMONJOEが促せば、大井がそれに応えるような熱いドラムソロで魅せ、ベース、ギターへとあうんの呼吸で黄金リレー。ラストナンバーの「Health」で堂々のフィナーレを迎えた後も、DAWA(FLAKE RECORDS)のDJがフロアを最後までコーディネートするなど、またも忘れられない夜を生み出した『Mint Blue Moment』だった。

取材・文=奥“ボウイ”昌史 撮影=森好弘

イベント情報

『Mint Blue Moment』
2019年2月13日(水)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:京都MUSE
2019年2月14日(木)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:神戸VARIT.
出演:SANABAGUN. / DATS / Tempalay
:前売り ¥3800(ドリンク代別/オールスタンディング)

イベント情報

SANABAGUN.「DEAD PRESIDENTS​」
2019年3月14日(木) OPEN 18:15 START 19:00
東京・鶯谷 東京キネマ倶楽部
前売:¥3,780(D代別)※ONE-MAN STAGE
Pコード 139-164 / Lコード 71802
(問い合わせ:VINTAGE ROCK std. 03-3770-6900)
2019年3月15日(金) OPEN 18:15 START 19:00
東京・鶯谷 東京キネマ倶楽部
前売:¥3,780(D代別)※ONE-MAN STAGE
Pコード 139-164 / Lコード 71802
(問い合わせ:VINTAGE ROCK std. 03-3770-6900)
2019年3月21日(木・祝) OPEN 17:15 START 18:00
大阪・千日前 味園ユニバース
前売:¥3,780(D代別)※ONE-MAN STAGE
Pコード 138-667 / Lコード 55468
(問い合わせ:GREENS 06-6882-1224)
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DATS「オドラサレテル ワンマンツアー」
5月24日(金) 池下CLUB UPSET(愛知)
OPEN 18:30 / START 19:00
5月30日(木) 仙台enn 2nd(宮城)
OPEN 18:30 / START 19:00 
6月2日(日) 梅田Shangri-La(大阪)
OPEN 18:00 / START 18:30
6月22日(土) The voodoo Lounge(福岡)
OPEN 18:00 / START 18:30
6月29日(土) WWW (東京)
OPEN 18:00 / START 18:30
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