【直前見どころ記事】デイビーボーイ・スミスJr、4代目タイガーも参戦! 『ダイナマイト・キッド追悼興行』

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2019.3.14
『初代タイガーマスク 佐山サトルストロングスタイルプロレス~“爆弾小僧”ダイナマイト・キッド追悼興行~』

『初代タイガーマスク 佐山サトルストロングスタイルプロレス~“爆弾小僧”ダイナマイト・キッド追悼興行~』

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1980年代前半、初代タイガーマスクと伝説の激闘を繰り広げてきたダイナマイト・キッド(本名トーマス・ビリントン)さんが昨年12月5日、60歳の誕生日に亡くなった。リアルジャパンプロレスでは翌日の後楽園大会『原点回帰プロレス』で追悼の10カウントゴングをおくり、3月15日(金)東京・後楽園ホールであらためて追悼興行をおこなうことも決定した。

全対戦カードは以下の通り。

■第6試合 メインイベント“ダイナマイト・キッド追悼試合”タッグマッチ 60分1本勝負

スーパー・タイガー(リアルジャパンプロレス)&デイビーボーイ・スミスJr.(鈴木軍)
vs
船木誠勝(フリー)&KENSO(フリー) 

メインはダイナマイト・キッドさん追悼試合。リアルジャパンのエースでレジェンド王者のスーパー・タイガーが初代タイガーマスクの思いも背負い、追悼試合のリングに上がる。スーパーのパートナーは新日本プロレスを主戦場とする鈴木軍のデイビーボーイ・スミスJr。スミスJrは、キッドさんの従兄弟でブリティッシュ・ブルドッグズとして全日本プロレス、WWF(現WWE)で活躍した故デイビーボーイ・スミスさんの息子である。しかもカナダの名門ハート・ファミリーという筋金入りのプロレスラー。ハート・ファミリーはカナダ・カルガリーを本拠地とし、一族運営のスタンピードレスリングでキッドさんは世界的ブレイクのきっかけをつくっている。また、スミスJrは晩年のキッドさんに数回会いに行っている数少ないプロレス関係者だった。亡き父のパートナーだったキッドさんに最大の敬意を払っていたのだ。それだけに今回の参戦は感慨深い。スミスJr自身もリアルジャパン初参戦をとても名誉なことととらえているという。また、スーパーヘビー級のスミスJrはスーパーと同様、格闘指向の高いレスラーでもある。となれば、スーパーとの初タッグは夢のタッグとも言えるのだ。対するは船木誠勝&KENSO組。船木はリアルジャパンマットでレジェンド王座を複数回戴冠、マスクマンに変身し昨年の世界マスクマントーナメントでも優勝を果たしている最強の実力者だ。初代タイガーに憧れ、若手時代にはキッドさんの故郷・英国で修行した。英国は初代タイガーが四次元殺法を開発した地でもある。それだけに、初代タイガーが発起人であるキッドさん追悼試合でメインをつとめる意味合いはとてつもなく大きい。船木のパートナーは、世界のKENSOだ。KENSOはアメリカやメキシコなど世界のメジャーシーンを渡り歩いており、WWEでも活躍したビッグネーム。キッドさんもかつてWWF(現WWE)で大きく名を上げただけに、世界的スケールの闘いを見せてくれるのではなかろうか。さらにはスーパーとの顔合わせも興味深い。キッドさん追悼であると同時に、ここから未来に向けてなにかが生まれるのか、見逃せないカードとなった。

■第5試合 セミファイナル タッグマッチ 30分1本勝負

タイガーマスク(新日本プロレス)&橋本大地(大日本)
vs
TAKAみちのく(フリー)&ブラック・タイガー(不明)

ダイナマイト・キッドさんとライバル関係にあった初代タイガーマスクの命を受けて、4代目タイガーマスクが7年ぶりにリアルジャパンに参戦。欠場中の師匠に成り代わり、“タイガーマスクのファイト”を披露する。今回、タイガーは故・橋本真也さんの息子、橋本大地と注目のタッグを結成し、TAKAみちのく&ブラック・タイガー組との激突となる。新日本プロレスから団体の枠を超えて参戦する4代目タイガーは、タイガーマスクを名乗るレスラーの中でももっとも初代に近く、かつ、初代の呪縛から離れたところで自己を確立させた虎戦士だろう。タイガーとしての息の長さがそれを証明していると言っていい。実に久しぶりとなる“先生”の前でのファイト。4代目はタイガーとしての誇りを胸に、初代が創ったリングに上がる。そしてタイガーと言えば、ブラック・タイガーは欠かせないダイナマイト・キッドさんと並ぶ初代タイガーの好敵手。そのインパクトは現在でも生き続けており、何人ものブラックが出現している。今回もまた、初代暗闇の虎をオマージュするブラック・タイガー。その正体は不明だが、タイガーマスクvsブラック・タイガーが、この闘いで蘇る!

■第4試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負

アレクサンダー大塚(AO/DC)&岡林裕二(大日本プロレス)&納谷幸男(リアルジャパンプロレス
vs
崔領二(ランズエンドプロレスリング)&鈴木秀樹(フリー)&神谷英慶(大日本プロレス

“大鵬三世”納谷幸男が第4試合の6人タッグマッチに登場、ホームリングでの19年初陣に臨む。昨年から積極的に他団体参戦もおこなうようになった納谷だが、その成果をリアルジャパンで披露してこそ意味がある。今回の納谷はアレクサンダー大塚、岡林裕二との大型トリオを結成。もちろん初めての組み合わせだが、パートナーはともに実力者だけに納谷は思いきり力を爆発させられる環境におかれると考えていい。プロレス、格闘技とも経験豊富なアレクに、大日本のストロング路線を代表する岡林。岡林は全日本プロレスの現・世界タッグ王者でもある。それだけに、このトリオがどんな化学反応を起こすのか。バラバラに闘ったとしてもド迫力だが、3人による連係も見てみたい。その相手となるのがまた曲者揃い、崔領二&鈴木秀樹&神谷英慶のトリオである。崔と納谷は前回の12・6後楽園で対戦、納谷の暴走により反則裁定が下された。もちろんその原因を作ったのは対戦相手の崔&KAZMA SAKAMOTO組。KAZMAに加え、崔との遺恨も発生した。納谷の標的は崔だろうが、そこに鈴木と神谷がどう絡んでくるか。とくに納谷と鈴木の絡みは予想がつかないだけに絶対に見てみたい顔合わせでもある。鈴木は故ビル・ロビンソンさんから学んだランカシャーテクニックを納谷に仕掛けてくるのだろうか。納谷にとって油断は禁物。崔に気を取られていれば、鈴木がアッという間に極めてしまう可能性もあるだろう。一瞬も目の離せない6人タッグマッチになりそうだ。

■第3試合 シングルマッチ 30分1本勝負

タカ・クノウ(チーム太田章)
vs
ロッキー川村(パンクラスイズム横浜)

第3試合はタカ・クノウとロッキー川村の一騎打ち、格闘色の高い闘いが展開されそうである。クノウはグラップリング世界王者の肩書を持ち、リアルジャパンの道場でも練習を積む準レギュラー。18年は参戦機会が減っていたものの、年内最終戦12・6後楽園で久々に登場し健在ぶりを見せつけた。そして今回はパンクラスから川村が相手となる。川村は16年3・24後楽園でリアルジャパン初参戦、船木誠勝&鈴木みのるとのトリオでスーパー・タイガー&佐藤光留&タカ・クノウ組と対戦した。つまり、このときクノウと闘っているのである。また、17年6・29後楽園ではスーパーと一騎打ち。スーパーの蹴りに敗れたものの、強力なパンチで応戦、強烈なインパクトを残している。となれば、クノウとのシングルマッチにも期待がかかる。グラップリング世界一の極め技と川村が総合で培った打撃。川村がリアルジャパンマットで「エイドリアーン!!」と叫ぶのか、それともクノウが余裕を与えず攻め込むか。それぞれのフィールドがぶつかり合うだけでなく、ともにプロレスにも適応するファイターだけに、緊迫感に満ちた独特の闘いが期待できそうだ。

■第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負

間下隼人(リアルジャパンプロレス)&松本崇寿(リバーサルジム立川ALPHA)
vs
岩崎孝樹(ガンバレ☆プロレス)&レブロン(ランズエンドプロレスリング)

第2試合は間下隼人&松本崇寿vs岩崎孝樹&レブロンの若手によるタッグマッチ。リアルジャパン生え抜きの精鋭である間下は、成長著しい松本とチームを組む。松本は前回の原点回帰プロレス第5弾(18年12・6後楽園)でメインの6人タッグマッチに抜擢され、敗れはしたものの貴重な経験を積んでいる。間下もその前の第4弾大会(18年9・20後楽園)で同じくメインの6人タッグに登場した。ともにメインを積んでからのタッグ結成となるだけに、近い将来のメイン復活を睨んでの試合となるに違いない。相手は岩崎孝樹&レブロン組。岩崎は昨年9・20後楽園でUWAアジアパシフィック王座を一発奪取、大会のヒーローとなった。さらに12・6後楽園ではメインにも抜擢された期待のホープ。レブロンは伊香保と同じくランズエンドからの参戦で、これがリアルジャパンマット初登場となる。実力は未知数だが、どんなファイトを見せてくれるのか興味深い。間下を中心に、イキのいい試合を見せてほしいタッグマッチだ。

これからのプロレス界を背負う若手選手たちがどのような闘いを見せてくれるか、楽しみである。

■第1試合 タッグマッチ

雷神矢口(浅草プロレス)&倉島信行(ドラディション)
vs
柴田正人(フリー)&伊香保京介(ランズエンドプロレスリング)

オープニングを飾るのは、雷神矢口&倉島信行vs柴田正人&伊香保京介のタッグマッチ。第1試合からスケールの大きいファイトが期待できそうなマッチメークが組まれることとなった。雷神矢口は“邪道”大仁田厚率いる邪道軍の一員として暴れていたが、“大鵬三世”納谷幸男との抗争を経て、最近ではリアルジャパン側で闘うようになりつつある。そんな矢口が第1試合に強いこだわりを見せる倉島とタッグを結成。久々の登場となる柴田との激突は、これぞヘビー級という迫力を生み出すことだろう。柴田のパートナーとなる伊香保は崔領二率いるランズエンドのレスラーで、これが2度目のリアルジャパン参戦だ。前回は矢口からフォール負けを喫するも、イカホコールを場内から引き出しただけに、両者の再戦からなにが生まれるか、注目である。

※出場選手、対戦カードは変更となる場合があります。

初代タイガーマスク

初代タイガーマスク

大会では、「ダイナマイト・キッド追悼セレモニー」もおこなわれる。ここではキッドさんと縁のある関係者たちが登壇。1981年4月23日、東京・蔵前国技館で衝撃のデビュー戦をおこなった初代タイガーマスク(佐山サトル)はもちろん、タイガーvsキッドをプロデュースした“過激な仕掛け人”新間寿、キッドさんと並ぶ初代タイガー最大のライバルのひとり小林邦昭、アメリカ時代にWWFでキッドさんと同じリングに立ったタイガー戸口、全日本プロレス時代にキッドさんに声をかけられカルガリー修行に渡った北原光騎、初代タイガーマスクの付け人で新日本時代のキッドさんを知る山崎一夫がリングに上がる予定となっている。初代タイガーはキッドさんについて、「プロレスに命を懸けていた」と振り返る。「一発一発に命を懸けた闘い」は、キッドさんの生きざまそのままだった。それは初代タイガー、佐山サトルが掲げるストロングスタイルそのもの。この大会からキッドさんが表現してきたプロレス本来の迫力を選手たちが受け継いでいけば、それこそが最大の供養となり、リアルジャパンがめざすストロングスタイルの復興にもつながるのだ。

(新井 宏)

イベント情報

『初代タイガーマスク 佐山サトルストロングスタイルプロレス~“爆弾小僧”ダイナマイト・キッド追悼興行~』

 日時:3月15日(金)18:30試合開始
 場所:後楽園ホール(東京都)

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