落語家・桂吉弥が桂米朝、桂枝雀に続いて伝説『十八番』に挑むーー「空気が震えて、音が聞こえてくる。それを肌で感じて欲しい」
桂吉弥
落語家・桂吉弥が、5月21日から26日まで大阪・サンケイホールブリーゼにて開催する独演会『吉弥十八番』について、記者会見で意気込みを語った。
『吉弥十八番』は、6日連続で1日3席、厳選した十八席を披露するもの。過去には桂米朝、桂枝雀という大御所が『十八番』に挑んできた。今回、そこに名前を連ねることについて「米朝一門で(十八番を)やれるだけの噺家になったんやから、やれというご褒美的なものでしょうか。ありがたい気持ちです。(自分に対して)がんばれよ、と言われているみたい」と感謝を口にした。
桂吉弥
吉弥は現在、たくさんのテレビやラジオに出演中。6月29日から7月1日には、お笑い芸人・兵動大樹とダブル主演の舞台『はい!丸尾不動産です。〜本日家をシェアします〜』を大阪・ABCホールで上演するなど、多忙な毎日を送る。それでも、落語家として「自分のことを知ってくれている人でも、生で落語を見たことがある方は少ない。だから、もっと存在を知ってもらわなければならない。吉弥がおもしろいから、落語を見てみようというふうに、まだなっていないので」とストイックな面をみせる。
また、師匠である桂吉朝がこの『十八番』を実現できなかったことに関しては、「本当にもったいない人なんですよね。50歳で亡くなりましたから。仕込みをして、バラす前(お披露目する前)に亡くなってしまいましたから。でも師匠は、6日間は体力がもたないでしょう!」と笑わせた。
桂吉弥
吉弥は当然、米朝さん、枝雀さんの『十八番』を映像で見ているが、中でも「米朝師匠は(公演期間の)途中で痔、脱肛になってストレッチャーで運ばれたと聞いています。6日間、しんどいことをするなあという感覚でした」と率直な感想を述べる。
それでも、「サッカーでたとえると、ワールドカップレベルの試合を見せるつもりです。だけど、これがゴールではない。サッカーのおもしろさに気づいてもらうような気持ちでやりたい。900人で一緒に見られる機会は貴重な経験。空気が震えて、音が聞こえてくる。それを肌で感じて欲しい」と力強くアピールした。
『吉弥十八番』は5月21日から26日まで大阪・サンケイホールブリーゼにて開催される。
取材・文・撮影=田辺ユウキ
公演情報
サンケイホールブリーゼ
全席指定-3500円
21日(火) 14:00
[出演]桂吉弥(「青菜」「狐芝居(作:小佐田定雄)」「崇徳院」)
22日(水) 14:00
[出演]桂吉弥(「ちりとてちん」「お玉牛」「地獄八景亡者戯」)
23日(木) 19:00
[出演]桂吉弥(「かぜうどん」「天王寺詣り」「愛宕山」)
24日(金) 19:00
[出演]桂吉弥(「ホース演芸場(作:桂吉弥)」「七段目」「たちぎれ線香」)
25日(土) 14:00
[出演]桂吉弥(「植木屋娘」「軽業」「くしゃみ講釈」)
26日(日) 14:00
[出演]桂吉弥(「にょろにょろ(作:桂吉弥)」「蛸芝居」「住吉駕籠」)
未就学児童入場不可。都合により、演目等が変更となる場合がございます。
[問]ブリーゼセンター■06-6341-8888(11:00〜18:00)