天才棋士・阪田三吉の壮絶な生涯を立川志の春が落語で描き出す、『志の春サーカスDX』
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『志の春サーカスDX』
落語家・立川志の春による『志の春サーカスDX・阪田三吉物語』が3月30日(土)にパノラマスペース common ginzaで上演される。志の春サーカスは、落語家・立川志の輔の3番弟子である立川志の春が「普段の落語会ではやらないような実験的な内容のもの」を行うために2018年に始めた企画。
これまで、「落語と長唄のコラボレーション」「シェイクスピアの冬物語」などを題材にして上演してきたが、今回は、志の春サーカスvol.1で上演した「阪田三吉物語」をデラックス版として銀座で上演する。立川志の春へのインタビューと天才棋士・阪田三吉への想いなどを語ってもらった動画が届いたので紹介する。
ーー志の春サーカスについて改めて教えてください。
『志の春サーカス』は、落語だけに限らず、語りの芸だけでどこまで色々なものが作れるかというコンセプトで始めたんです。ハードでしたよ。新しいものを作っていかなきゃいけないので。ただすごく勉強になりましたし、新しいものに興味を持つきっかけにはなりましたね。
一度も読んだことがなかった『冬物語』を落語でやりました。昔、原案を作っていたものを新たに作り直して『長唄とのミュージカル』もやりました。やってみて、より長唄の方の凄さがわかりましたし、いろんな発見がありました。
ーー今回はDX(デラックス)ということですが。
このデラックスというのは、プロデューサーさんから『今後、デラックスということで行きますよ』と言われて(笑)。
でもまあ、どういうことかというと、去年までの『志の春サーカス』ではネタおろしと初出しでやっていたものを、練りこんで もう少し完成した形で出すのが《デラックス》の会。『志の春サーカス』の新しく作っていく部分というのも続けていくので、《デラックス》の方は育てる会かなと思っています。
ーー今回の演目に選んだ『阪田三吉物語』について。
『阪田三吉物語』は、vol.1で作ってやっていた時から、すごく魅力的な物語だと思っていたんですね。
初演の時にも、もっと作り込んでやりたいと思っていたんですが、志の春サーカスにおいては、脚本家の私の部分が最後の最後までいいものを完成させたいと思って頑張るんですよ。そうすると演者の方の志の春はいっぱいいっぱいでやっている感じだったんです。
今回は演者としても堂々とバーンと打ち出せるようにやっていきたいし、脚本家の部分も阪田三吉と関根金次郎というライバル物語に焦点を絞って、もっと二人の関係を表わせればなと思っています。
ライバルが師匠であり、自分を一番成長させてくれる存在であり、この人に一番認められたいという存在であるというのは(時代が変わっても)変わらないと思うんですよね。それだけのライバルが見つかった阪田三吉という人は幸せだったんじゃないかなと思いますね。
ーー志の春さんにとってのライバルとは?
自分の怠惰な心でしょうね(笑)。そこが一番でしょうね。
ーー今回の会場は中目黒ではなく銀座ですね。
このGINZA PLACEという場所は銀座四丁目の交差点の真ん前。日産のショールームの上というものすごい一等地なんですよね。銀座のど真ん中ですよね。
阪田三吉が大阪から東京に出てきて、ライバルの関根金次郎に初めて勝った場所が、築地の会場だったんです。つまり銀座のすぐ近くという因縁の場所なんです。この会場でしかできない雰囲気というものが出ればいいなと思っています。
今は将棋が非常にホットになっていて、特に藤井聡太さんの出現によっていろんな方の注目が集まっています。その中で阪田三吉という天才棋士の人生にどっぷりとみなさんに浸って頂きたいと思っておりますので、是非会場にお越しくださいませ。お待ちしております。
公演情報
場所:東京・パノラマスペース common ginza