松山ケンイチ&早乙女太一がサプライズで登場! 期待の劇場用アニメ『プロメア』スペシャルステージレポート

2019.3.25
レポート
アニメ/ゲーム

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熱く破天荒なストーリーとアニメーションの醍醐味で人気を博した『天元突破グレンラガン』『キルラキル』。その両作品を生み出したアニメ監督・今石洋之と人気劇団「劇団☆新感線」の脚本家・中島かずきが再びタッグを組んだ注目の劇場アニメ『プロメア』。突然変異で誕生した<バーニッシュ>の操る炎で世界の半分が焼失してから30年後…そんなバーニッシュの炎から世界を守る高機動救命消防隊<バーニングレスキュー>の新人隊員・ガロと、攻撃的な一部のバーニッシュのグループ<マッドバーニッシュ>のリーダー・リオが、お互いの譲れぬ意地と熱き魂でぶつかり合う! そんな映画の魅力にせまるスタッフ&キャスト陣によるトークショーが、『プロメア』スペシャルステージとして開催された。

撮影:斉藤直樹

撮影:斉藤直樹

撮影:斉藤直樹

撮影:斉藤直樹

ステージには今石洋之監督と脚本・中島かずき、キャスト陣からはアイナ・アルデビット役・佐倉綾音とバリス・トラス役・稲田徹が登場。さらに四人の挨拶が終わったところで、サプライズゲストとしてガロ・ティモス役の松山ケンイチとリオ・フォーティア役の早乙女太一が登場。初のAnimeJapanのステージ出演の感想を尋ねられ、松山が「客として来たかったですね」と答え、早乙女は「展示会場が気になって仕方ないです」と答えると客席からは歓声が! そんな盛り上がりの中でトークはスタートした。

撮影:斉藤直樹

まず『プロメア』の企画がどういう経緯でスタートしたのかという質問に、今石監督からは『キルラキル』が終了した三年前あたりから制作がスタートしたことが語られた。そして中島からは「今石監督とは三作目になるからうまくいくかと思ったら、お互いの手の内がわかっている分だけ「新しいモノをどう見せるか」「これまで培ってきたものをどう活かすか」に苦心した」と意外に難産だったことが明かされた。「炎」をテーマにすると決めたあたりからも一年近く試行錯誤を繰り返し、二年前あたりから本格的に制作が動き出すなど、かなり手間暇を掛けた濃い仕上がりになっているとのことだ。

撮影:斉藤直樹

そして話題は『プロメア』の注目ポイントとなる新たな試みの数々に。ビジュアルでは発色の良いハイカラーを多用することでグラフィカルな画面作りを目指したとのこと。さらに劇場版ということで、中島が劇団☆新感線で一緒に舞台を作ってきた役者陣をキャスティングするというチャレンジを提案。それによって松山ケンイチと早乙女太一、さらに物語の舞台となる自治共和国プロメポリスの司政官クレイ・フォーサイト役に堺雅人、まだキャラのビジュアルが明かされないなど謎の多い科学者・デウス役に古田新太というキャスティングが実現したとのこと。

続いてキャスト陣が演じるキャラクターについての話となり、ガロを演じる松山は「もともと中島かずき作品が大好きで、大変な仕事でくじけそうな時に『グレンラガン』や『キルラキル』の熱さに勇気をもらっていたので、ガロもそんな作品と地続きの熱さを持ったキャラクターだと思って演じました」と語った。

早乙女は劇団☆新感線の公演中に今回のオファーをもらい、二つ返事でOKをしたとのこと。「僕としてはこのチームに入れることが嬉しかったですし、アニメでキャラクターを演じられるという子供の頃からの夢が叶えられるとか色々な思いがありました」と語り、そんな早乙女の喜びに劇団☆新感線ファンだという佐倉も共感していた。

撮影:斉藤直樹

中島かずき作品のファンだという稲田は『プロメア』に参加できなかったら悔しくてきっと作品を観ることもなかったかもとコメント。実際に『グレンラガン』も参加できなかったために「見たらきっと嫉妬する」と5年以上見ておらず、『キルラキル』『宇宙パトロールルル子』を終えてから見て、その面白さに参加できなかった悔しさを改めて感じたと、その思い入れを語った。そして演じたバリスについては、自身のキャラに近い出で立ちをアピールして「見たまんまのキャラです」とコメント。さらに『キルラキル』で共に生徒会四天王を演じた吉野裕行新谷真弓がバーニングレスキューの仲間にキャスティングされていることに触れて、同作が好きな人ならニヤリとできるかもとアピールした。

次の話題はアフレコ時のエピソードに。佐倉や稲田ら声優陣は別に録音された松山らの声を聴きながらの収録となったが、役者陣の生々しい演技や自然体で繰り出してくる笑いの芝居などに驚かされたとのこと。

松山と早乙女からは一緒にアフレコをした堺雅人の話題が飛び出した。収録は三人一緒に行われたが、松山は休憩時間中ににこやかに家族の話などをしていた堺雅人が、役に入った途端に一変した怖さを湛えた表情で演じ始めたので、その演技の幅の広さに驚くと同時に勉強になったとのこと。そして早乙女は「三人一緒のアフレコでは誰が一番大きな声が出せるか選手権状態で、堺雅人の怖いぐらいの迫力に自分も凄く引っ張られたことを覚えている」とのこと。

今石監督はそんな堺雅人について「こういう演技をしてくれるだろうと期待していたところを何倍も上回って、この声にどんな絵を付けたらいいんだろうと冷や汗かきました」と語り、稲田からは「TRIGGERは声に合わせて絵も変えてくるんです」という裏話も明かされた。そして中島も「自分の脚本を何倍も凄く演じてくれて幸せだったし、松山らの収録は新感線の現場を見ているようだった」と喜びを語った。

そんな話を受けて、スクリーンでは最新PVが上映されて各人が見せた声の演技の一端を垣間見ることができた。役者陣と声優陣の全力をぶつけた声の演技の競演が『プロメア』ならではの個性を生み出しているので、ここは劇場で見る際の注目ポイントとなるはずだ。

撮影:斉藤直樹

撮影:斉藤直樹

『プロメア』公開に合わせて、オリジナルサウンドトラックアルバムが5月24日に発売が決定。さらに今石×中島コンビの第二作である『キルラキル』の再放送がTOKYO MXにて4月6日よりスタートし、待望のブルーレイボックスも6月26日に発売決定(発売はいずれもアニプレックスより)。そして『プロメア』のムビチケも3月29日より全国の上映館にて発売開始との告知を経て、最後は今石監督と松山ケンイチからファンへのシメの挨拶が。

撮影:斉藤直樹

撮影:斉藤直樹

今石監督からは「まだ現場は追い込みの真っ最中ですが、残り時間を全て使って最高の物を作ろうとがんばっております。ぜひ皆さん劇場に足を運んで下さい、お待ちしております」、松山ケンイチからは「『グレンラガン』『キルラキル』と見てきて、この『プロメア』も今石監督と中島さんの作品なんだなという懐かしさを感じると同時に、それらとは違う新しい要素も入ってます。そしてガロは熱血バカではあるんですけど、大人と子どもの部分を良いバランスで持っているキャラクターだと思いますので、そういった部分を楽しんでいただけたらと思います。今日はどうもありがとうございました」という感謝の言葉でイベントは締めくくられた。

数多くの劇場用アニメが封切られる今年度の口火を切る『プロメア』は、熱いキャラクターとドラマが楽しめる痛快作となりそうなので、アニメファンや劇団☆新感線を始めとする演劇ファンも、ぜひ劇場でその熱さを確かめてみてほしい。

(取材・文:斉藤直樹)

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