バーンスタインのミュージカル第一作『オン・ザ・タウン』を佐渡裕がプロデュース+指揮

2019.4.5
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舞台


生誕100年で世界中で再注目されている巨匠レナード・バーンスタイン(1918-1990)の傑作ミュージカル『オン・ザ・タウン』が、2019年7月に兵庫と東京で上演される。制作は兵庫県立芸術文化センターで、同センターの芸術監督である佐渡裕がプロデュースと指揮を担当。日本初の原語・フルオーケストラ・フルステージ上演となる。

『オン・ザ・タウン』はクラシックの音楽家・作曲家だったバーンスタインにとって、記念すべきミュージカル第一作だ。1944年4月に振付師のジェローム・ロビンズと組んで制作したアメリカン・バレエ・シアターのバレエ作品『ファンシー・フリー』を基にして創られた。ジャズの要素を取り入れたダンサブルな音楽、キャッチーなメロディと心躍る楽曲が並ぶ。1944年12月にブロードウェイ初演、公演は大ヒットし、1949年にはジーン・ケリー、フランク・シナトラの出演で映画化もされた(邦題「踊る大紐育」)。

ニューヨークで24時間の上陸許可を与えられた水兵3人の恋愛と騒動が描かれる。地下鉄、自然史博物館、カーネギー・ホール、タイムズ・スクエア、ナイトクラブ、コニーアイランドなどNY名物や名所を経巡る。

なおバースタインは、本作後に『ワンダフル・タウン』(1953年初演)や『キャンディード』(1956年初演)といったミュージカルの作曲を経て、やはりジェローム・ロビンズ(演出・振付)と組んで大ヒットしたミュージカル史上の金字塔『ウエストサイドストーリー』を、『オン・ザ・タウン』初演から13年後の1957年にブロードウエイで発表することとなる。

演出、装置・衣裳デザインを手がけるのは、英国ロイヤル・オペラ等で活躍する注目の演出家アントニー・マクドナルド。これまでにも、プロデュースオペラ『魔笛』(2007年)装置・衣裳デザイン、同『夏の夜の夢』(16年)演出、装置・衣裳デザインを担当、その独創的なアイデアとスタイリッシュな舞台づくりで兵庫の観客を魅了してきた。今回佐渡監督のラブコールに応え再びタッグを組み、夢の舞台をつくり上げる。また、作品の要となるダンスには元英国ロイヤル・バレエのプリンシパルでスコティッシュ・バレエの芸術監督も務めた振付家アシュリー・ペイジが振付を担当する。他にも英国を代表するクリエイターが集結し、「歴史的な舞台となる」と佐渡が自負する舞台となりそうだ。

キャストについては、今回の上演にあたり、大規模オーディションを2018年の夏・秋にロンドンで実施。200名以上の中から、佐渡も太鼓判を押すハイレベルなキャストが選ばれた。プロデュースオペラ2016『夏の夜の夢』出演後、英国ロイヤル・オペラ等活躍の場を広げるチャールズ・ライスを筆頭に、英国のオペラシーンで活躍するオペラ歌手陣が歌い、ロンドンのミュージカル界で活躍するアンサンブルが躍動的なダンスを魅せる。そこに関西で活躍するプロ・オペラ歌手により編成されるひょうごプロデュースオペラ合唱団に、同センター専属の兵庫芸術文化センター管弦楽団も参加し、最強の布陣が整った。

<佐渡裕芸術監督コメント>

兵庫県立芸術文化センターのプロデュースオペラシリーズでは、これまでに14作品を上演してきました。その次なるステップとして、今年は私の師であるバーンスタインの「オン・ザ・タウン」をとり上げます。彼の書いた、シンプルなのに心に残るメロディやジャズのビッグバンドのような軽快なサウンドをフルオーケストラで聴く体験が、これまでとは一味違った“総合芸術”の楽しみとなることは間違いありません! そして、この作品のためにチームを組むのが演出家のアントニー・マクドナルド。2016年「夏の夜の夢」でも共に作品を創りましたが、なんといってもデザインがお洒落でユーモアのセンスがある! 私自身、わくわくしています。また、「夏の夜の夢」の際にもロンドンで歌手のオーディションを行い、そのレベルの高さに驚きましたが、今回も同様に達者で素晴らしい出演者が揃いました。ステージを創り上げる様々な要素が詰まった総合芸術「オン・ザ・タウン」。まさに、歴史的な舞台となることでしょう!

佐渡裕
 

<ストーリー>
1940年代、ニューヨーク、午前6時。ブルックリンに停泊する軍船から、24時間の休暇を許された水兵ゲイビー、チップ、オジーの3人が下船し、街へ繰り出す。ゲイビーは地下鉄で見かけたポスターに載るアイヴィに一目ぼれ。3人はアイヴィを探すべく、各々街を散策する。チップはタクシー運転手のヒルディに出会う。一方、自然史博物館で人類学者のクレアに出会ったオジー。彼らはひとときのアヴァンチュールを楽しむ。その頃ゲイビーはカーネギー・ホールのスタジオでアイヴィを見つけ、夜に会う約束を取り付けるが……。

 

公演情報

佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2019
ミュージカル『オン・ザ・タウン』ON THE TOWN

(全2幕 英語上演 日本語字幕付 新制作)

 
【兵庫公演】(全8公演)
■会場:兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大 ホール
■日程:2019年7月12日(金)~7月21日(日)各日14時開演(※16日・18日は休演日)
■上演予定時間:約3時間(休憩1回含む)
■料金:A¥12,000 B¥9,000 C¥7,000 D¥5,000 E¥3,000(全席指定/税込)
■問合わせ:兵庫県立芸術文化センターオフィス
0798-68-0255(10:00~17:00 月曜休 ※祝日の場合翌日)

 
【東京公演】(全4公演)
■会場:東京文化会館大 ホール
■日程:2019年7月25日(木)~7月28日(日)
7月25日(木)18時30分開演(17時30分 開場)
7月26日(金)14時開演(13時 開場)
7月27日(土)14時開演(13時 開場)
7月28日(日)13時開演(12時 開場)
■上演予定時間:約3時間(休憩1回含む)
■料金:S¥15,000 A¥12,000 B¥9,000 C¥7,000 D¥5,000(全席指定/税込)
■問合わせ:スペース
03-3234-9999(オペレーター対応/月~土10:00~12:00、13:00~18:00)

 
■音楽:レナード・バーンスタイン 
■台本・作詞:ベティ・コムデン/アドルフ・グリーン
■原案:ジェローム・ロビンス 
■指揮:佐渡裕
■演出/装置・衣裳デザイン:アントニー・マクドナルド 
■照明:ルーシー・カーター
■振付:アシュリー・ペイジ
■ムヴメント・ディレクター:ルーシー・バージ 
■合唱指揮:矢澤定明
■合唱:ひょうごプロデュースオペラ合唱団 
■管弦楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団
■出演:
≪ゲイビー≫ チャールズ・ライス(バリトン)
≪チップ≫ アレックス・オッターバーン(バリトン)
≪オジー≫ ダン・シェルヴィ(テノール)
≪アイヴィ≫ ケイティ・ディーコン(俳優/ダンサー)
≪ヒルディ≫ ジェシカ・ウォーカー(メゾソプラノ)
≪クレア≫ イーファ・ミスケリー(ソプラノ)
≪ワークマン1/ピトキン判事≫ スティーヴン・リチャードソン(バス・バリトン)
≪マダム・ディリー≫ ヒラリー・サマーズ(コントラルト)
≪ルーシー・シュミーラー≫ アンナ・デニス(ソプラノ)
≪ダイアナ・ドリーム/ドロレス・ドロレス/老女≫ フランソワ・テストリー(歌手/俳優/ダンサー)
■主催:兵庫県/兵庫県立芸術文化センター
■制作:兵庫県立芸術文化センター
■助成:公益財団法人三菱UFJ信託芸術文化財団 、公益財団法人花王芸術・科学財団、大和日英基金
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