草彅剛、小西真奈美、池田成志に聞く! 『家族のはなし PARTⅠ』は一捻りあるハートウォーミングな二本立て
(左から)池田成志、草彅剛、小西真奈美
意外な設定、予想外の展開にクスクス笑ったり驚いたりしつつ、観終わったらホッコリする。そんな心温まる“家族”の物語の二本立てが、草彅剛主演で京都劇場にて上演される。第1話の『わからない言葉』は淀川フーヨーハイ(クリエイティブ・ディレクター、CMプランナーの中治信博)が作・演出を、第2話の『笑って忘れて』はあべの金欠(コピーライターの武尾秀幸)が作・演出を手掛ける。出演は草彅のほか、小西真奈美、畠中洋、小林きな子、池田成志という演技巧者が揃う。少々風変わりだが、誰もが共感できる心温まるコメディーが楽しめそうだ。今回、第1話でなんと“犬”役に初挑戦することになり心躍らせる草彅と、彼とは『蒲田行進曲(1999年、2000年)』以来の共演となる小西、映画『クソ野郎と美しき世界(2018年)』で草彅とは既に共演済みの池田。この3人に、今作への想いを語ってもらった。
ーー今回は二本立ての芝居というちょっと変わった形の企画ですが、オファーを聞いた時はどう思われましたか。
草彅:僕はもともと舞台が好きですし、確かにちょっと特殊なスタイルではありますけど面白そうな作品になりそうなので、最初からとてもワクワクドキドキしています。
草彅剛
小西:私は舞台に出ること自体が久しぶりな上に、草彅さんとは19年ぶりにご一緒できるので。まずはそのことが嬉しくて楽しみなんです。
草彅:あっ、俺もそういう風に言えばよかった! 真奈美ちゃんと19年ぶりに共演できて嬉しいです!!(笑)
一同:(笑)
小西:ふふふ。でも初心に戻った気持ちになっていて、ちょっと緊張もしています。家族のお話なので、観に来てくださるみなさんに楽しんでいただけるよう、稽古に臨もうと思っています。
池田:僕はちょっと、マイナス思考なのでね……。
草彅:え、そうなんですか? プラス思考になってくださいよ!
池田:だって、草彅くんとも……。
草彅:イヤなんですか、嫌いなんですか、僕のことが!(笑)
池田:ちょっと静かにしてください(笑)。とにかく台本を読んだ時、これ、どういうことなの? とすごくとまどいましてね。ふだん、自分がやっているお芝居ともちょっと違う雰囲気の作品になりそうな気がするし。でもあまり考え過ぎても仕方がないので、これはちょっと絵本みたいなお話だと思ってやればいいのではないかな、とも思っています。とてもいい季節の京都でやるわけですし、ぜひいい気分でやりたいので。僕もなんとか、稽古をがんばりたいと思います!
草彅:ものすごく才能の詰まった台本ですよね。第1話では僕は犬の役だったりしますし、ちょっと今まで観たことがないような舞台になるのではないかと思います。またいろいろな化学反応が起きそうですし。今日初めて出演者の方々と顔を合わせたんですが、第1話と第2話をどうやって稽古していこうかということを話し合うところからのスタートでした。じゃあ、1日ごとに稽古する? とかね(笑)。みなさん、とても真面目な方ばかりなので、きっと無事に初日にたどり着けるだろうなと思いました。ちなみに、僕は犬の役で正直良かったなって思うところがあって……。
ーー小西さんと池田さん演じる夫婦の役のほうが大変なことになりそうだと?
草彅:絶対、大変ですよ。もし第1話で僕が犬の役じゃなく夫の役だったらと思うと、ゾッとしますから(笑)。
池田:ハハハ、そうでしょう?(笑)
草彅:はい。この夫婦のセリフは、かなり難しいので。
池田:特に、真奈美ちゃんは一番大変だと思うな。
小西:台本を読んだ瞬間、「どうしよう?」と思いましたから。というか最初は勘違いしていまして、何か現代の技術を使って機械で音声を変えたりしてくれるんじゃないかと勝手に思い込んでいたんです。でもどうやら当然そんなことはなく、やはりセリフは自力でなんとかしないと。どうしよう、責任重大です(笑)。だけど第1話も第2話も、どちらも笑えて、感動する部分もあって。観に来てくださる方はきっと気楽に楽しめるはずなんですが、やる側としてはもう本当にどうなることやら、という感じです(笑)。
小西真奈美
池田:事件らしい事件は起きないんですけれどもね。
草彅:とても日常的な会話のやりとりですし。
池田:でも、そこでセリフにちょっとした仕掛けがあるわけなんです。これはもう稽古をしてみないとどうなるのか、わからない。草彅くんもそこは不安ですよね?
草彅:いや、僕がやるのは犬なんで大丈夫です(笑)。とはいえ、犬も犬でどうしようかなと思うところはあるんですけど。
池田:ずーっとカワイイ顔をしていないといけないし。
小西:そうそう、つぶらな瞳でね(笑)。
草彅:そうなんですよねー。少し恥ずかしいですけど自分を全部さらけだして、成志さんの顔を舐めるつもりでがんばりますよ。よろしくお願いします(笑)。
ーー犬を演じるというのも、なかなか難しそうですね。
草彅:僕、犬を飼い始めて2年で、こうして不思議な巡り合わせで犬の役が来て、役作りの参考にもなったのでとても助かっています(笑)。台本と照らし合わせながら、本当はこういう気持ちになっているのかなーって考えたりもしているんですよ。だけど実際に犬って何を考えているのか、ホントわからないなと漠然と思っていた時にこういう題材の作品に出会えたので、僕としても深く考えることが結構あって。なので今回は思いっきり自分の飼い犬のことも考えつつ、演じたいなと思っています。
(左から)池田成志、草彅剛、小西真奈美
ーー第1話と第2話とで、全然違う役柄を演じるということに関してはいかがですか。
草彅:どうですか、真奈美ちゃん。
小西:私はどちらも“妻”なんですよ。
ーーでも相手が違うんですね。
小西:はい。第1話では成志さんの妻で、第2話では草彅さんの妻。キャラクターとしては別に似ていないんですけれど、でもどっちも“妻”なので。本番になってしまえば芝居が出来上がっているだろうから問題はないと思うんですけど、稽古の時にこんがらがっちゃわないかなというのが少し心配です(笑)。それもあって、とにかく今は早く相手の声を聞きながらお稽古がやりたいです。
草彅:成志さんも今日、早く立って稽古がしたいと言っていましたね。
池田:いや、今回は特に自分だけではセリフが覚えられないと思うんですよ。
ーー池田さんが演じる役も、第2話ではまた全然違う役柄ですね。
池田:まったく違います。ああいう役で小道具を使ったりすることになると、稽古場でまたいろいろありそうな気がしますねえ。
草彅:いや~、そこは僕もものすごく楽しみです。
池田:でも、ただ笑わせればいいみたいなお芝居でもない気がするので。もう、本当に立ってみないと。とにかく早く稽古をして、ちょっと安心したいです!(笑)
小西:はい。早く相手の声を聞いて、かけあいで稽古してみたい。なんだか想像をかきたてるようなト書きがいっぱいあったので、それが実際にどうなるかも早く知りたいです。
池田:稽古にどうやって臨もうかということすら、あまり想像できないんですよね。今回はそういう現場になりそうなので、僕も軽く緊張しています(笑)。
池田成志
ーーでは本番に向けて、最も楽しみに思っていることは何ですか。
草彅:京都での公演なので、ひと段落したらみんなで美味しいものを食べに行きたいな。時期的にも鴨川のお座敷とかで「なんかいい感じだよねえ、今回の舞台」と語らいながら、ちょっと日本酒でも飲める夜があったらすごくいい舞台になっているってことなんじゃないかと思うんですけど。
池田:ハハハ。そうだね、夕方くらいから行けたらいいね。
小西:私もみんなでごはんを食べに行けたらと思っていましたけど、私、お座敷には一度も行ったことがないのでぜひ行ってみたいです! それを楽しみに、がんばります。
池田:本当にそういう雰囲気になればいいなあ。ま、僕たちが楽しみを見つけておかないとお客さんも楽しめないでしょうからね。日常の会話って今こうして話しているような、こんな感じでいかないといけないから難しいんです。だけど、この手の会話劇を大きな劇場でやれるというのもなかなかない機会だと思うので、そこもやっぱり楽しみのひとつですね。
(左から)池田成志、草彅剛、小西真奈美
取材・文=田中里津子 撮影=福岡諒祠
公演情報
【作・演出】
<第1話 わからない言葉> 淀川フーヨーハイ
<第2話 笑って忘れて> あべの金欠
【会 場】 京都劇場
【公演日程】2019年5月4日(土)~6月1日(土)
【開 演】
火曜・金曜19時、水曜14時・19時、木曜14時、土曜13時・18時、日曜13時、月曜休演
※但し、5月4日(土)は18時のみ、5日(日・祝)は13時・18時、6日(月・祝)は13時あり、7日(火)休演
*未就学児の入場不可 *営利目的の転売禁止
メール chizu_ticket@eventify.co.jp(土日・祝祭日・年末年始期間・臨時休業を除く10:00~17:00)
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Funityコールセンター TEL:0570-783-982(10:00~18:00)
【企画・製作】 ㈱モボ・モガ TEL. 03-6910-2007
『家族のはなしPARTⅠ』公式ホームページ kazokunohanashi.com