『マイセン動物園展』がパナソニック汐留美術館で開催 マイセンの「動物」をテーマに、初出展作品が多数集結
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《猿の楽団》 ヨハン・ヨアヒム・ケンドラーとペーター・ライニッケ 1820~1920年頃 個人蔵
『マイセン動物園展』が、2019年7月6日(土)〜9月23日(月・祝)まで、パナソニック汐留美術館にて開催される。
ヨーロッパ初の硬質磁器製造に成功し、1710年には王室磁器製作所設立を布告したドイツのマイセン磁器製作所。本展では、マイセンの動物に着目して紹介する。
《二匹のフレンチブルドッグ》 エーリッヒ・オスカー・ヘーゼル 1924~1934年頃 J's collection
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパの美術工芸界で流行したアール・ヌーヴォー様式はマイセンにも影響を与え、カップ&ソーサーから彫像にいたるまで幅広く取り入れられた。また同時期のマイセンでは、釉薬の下に絵付けする釉下彩や釉薬の上から描いた絵の具を沈みこませるイングレイズといった技法が多用されるようになり、淡く繊細な色調の作品が作られていった。
一方、動物をモチーフとした美術作品は時代や地域を問わず制作されてきたが、それらは何かを象徴するために描かれたり成形されたりするものもあれば、そのもの自身の愛らしさを伝えるために制作されるものなど様々で、マイセンでも同様だった。とりわけアール・ヌーヴォー様式の動物作品は、模様から表情まで、動物のしなやかさを表現することに成功し、リアルさと愛らしさを見事に両立させたのだった。
本展では、そのようなアール・ヌーヴォー様式の作品を中心に構成している。磁器や炻器に加え、カタログなどの資料類も展示し、新しいアプローチでマイセンの造形と装飾をたどる。
マイセンの「動物」にテーマを絞った展覧会
《ライネケのキツネ》 マックス・エッサー 1924~1934年頃 個人蔵
《ライネケのキツネ》や《猿の楽団》といった動物彫刻から壺や皿に装飾としてとり入れられた動物まで、リアルでありながらかわいらしいマイセンの超絶的な技法による動物たちが一堂に会する。
出品作品の9割が初公開
《人物像水注「四大元素の寓意」》 ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー 1820~1920年頃 個人蔵
約9割の作品が展覧会に初出品だが、ほとんどが個人蔵なので次回公開は未定。この機会をお見逃しないように。
約120点からなる出品作品の8割が彫像作品
《スノーボール貼花装飾蓋付昆虫鳥付透かし壺》 ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー 1820~1920年頃 個人蔵
高級洋食器として知られるマイセンだが、その技術力の高さは彫像作品に良くあらわされていると言えるだろう。マイセンの造形力の素晴らしさをぜひ堪能してほしい。
イベント情報
開館期間:2019年7月6日(土)〜9月23日(月・祝)
※8月2日(金)、9月6日(金)は夜間開館 午後8時まで(ご入館は午後7時30分まで)
※20名以上の団体は100円割引。
※障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。