リル・ナス・エックス ビルボード・シングル・チャートをざわつかさせる20歳のラッパー
※大手レコード会社の洋楽部門での豊富な経験を持つ筆者によるブログ「洋楽天国」提供記事をお届けします。
リル・ナス・エックス(20歳)というラッパー
今週のビルボード・シングル・チャートで1位になったリル・ナス・エックス(Lil Nas X)の「オールド・タウン・ロード」、アメリカの業界関係者が混乱している。原因はカントリー・ラップだからだ。音楽ビデオは西部劇で、従来のラップでは100%聴かれない楽器バンジョーが響きわたる。
ビルボードのシングル・チャートは実売(殆ど有料ダウンロード)とラジオの放送回数とストリーミング(YouTubeも含まれる)の再生回数のデータで作られている。現在「オールド・タウン・ロード」はiTunesストアーのシングル・チャートで1位。YouTubeでの再生回数は3200万回。ラジオはTOP40系のエア・プレイ・チャートで27位。カントリー・ラップと言いながら、カントリー・ラジオ局ではまだかかっていない。今後もおそらくかけない。
音楽業界誌ビルボードは、カントリー・ソング・チャートで19位に初登場したが、その後この曲がカントリーとする要素が無いと言って、チャートからはずした。
ラップとは全く無縁だったカントリー・ミュージック。今後も議論を呼びそうだ。ジャンル分けは意味が無いといったらみもふたもないが。