荒牧慶彦「まさが自分がカツオ役になるとは」 舞台『サザエさん』ロングインタビュー 

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舞台
アニメ/ゲーム
2019.6.28
荒牧慶彦

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国民的知名度を誇る「サザエさん」は2019年にアニメ放送開始50周年、2020年には作者の長谷川町子生誕100周年を迎える。家族だんらんを象徴する作品でもあり、お茶の間で家族とともにご飯を食べながら見たという人も多いはずだ。その「サザエさん」が超豪華な出演者、そして物語は10年後!? という、驚きの設定で明治座という歴史ある場所で舞台化される。

サザエ役に藤原紀香、マスオ役に葛山信吾、フネ役に高橋惠子、波平役に松平健が決定していたが、その他のキャストも判明。カツオ役はなんと、2.5次元舞台ファンで知らない人はいないほど圧倒的な知名度と実力を誇る荒牧慶彦。出演が発表され、ネットでは大激震が走ったが、その彼にいち早く出演についての気持ちを伺った。

「サザエさん」という作品について……「花沢さんがおもしろくて好き」

ーー国民的アニメである「サザエさん」の舞台に出演すると決まったときの感想を教えてください。

最初は戸惑いました。「僕がカツオですか! いいんですか?」って。誰でも知っている豪華な方々が共演者なので今となってはいったいどんな舞台になるのか、すごく楽しみです。僕自身もファンの方々も「サザエさん」ってみんな見たことがあると思います。親しみやすく面白い作品になるんじゃないかなって期待感があります。

荒牧慶彦

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ーー「サザエさん」との出会いを教えてください。

出会いは覚えていないですが……家族の団らんの一環として、物心ついたころから「サザエさん」のテレビ放送を見ていましたし、気付いたらそこにあったという存在でした。

ーーご家族で見ていたのでしょうか?

そうですね、ちょうど夕食時くらいの時間に番組が放送されていたので、家族でご飯を食べながらみんなで見ていました。

ーー「サザエさん」のエピソードで印象に残っていることはありますか?

僕は花沢さんがおもしろくて好きだったんです。カツオと花沢さんは一番仲が良いので舞台にも出るのかなって気になってるところでもあります。

ーー歌は歌うんでしょうか? 純粋に一番楽しみだなと思うことは。

おなじみのオープニングもあったらいいなと個人的には思いますが、どうなんでしょう……。楽しみなのは、豪華な共演者の方々とお芝居ができるというところです。それに、「サザエさん」を題材にした10年後のストーリーやお話の作り方もです。たくさんの方々に楽しんでもらえそうだなって言う意味で、僕自身もわくわくしています。

カツオについて……「ボウズにしなくていいよね?」

ーー誰も知らないカツオになるわけですが……。

様々な2.5次元と呼ばれる作品でいろいろなキャラクターをやらせてもらっていますが、これだけは予想してなかったですね(笑)。大変光栄なんですが、まさが自分がカツオ役になるとは思いもよらなかったです。

ーーどうやって役作りをしようかと思っていますか?

ちょっと大人ぶりたい年頃なのでそういうわんぱくさも残しつつ、大人ぶったカツオも演じていければいいなと今のところ思っています。でもどういうキャラ作りをしていくのかはまだまだ稽古が始まってからですね。

荒牧慶彦

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ーー普段ご出演されている2.5次元作品とのギャップもあると思います。

最初に思ったのが「ボウズにしなくていいよね?」っていうところでした(笑)。

ーーカツオと似ているなと思う面はありますか?

僕は小学生の頃はわんぱくで、外で活発的に友達と遊ぶのが好きでした。カツオって少しずるがしこい面もあるじゃないですか。僕もイタズラ好きだったり、そういう面はちょっと似ているのかなって。保育園でイタズラしてお昼寝の時間に立たされたり、先生に怒られたり。みんなで公園で草野球とかもしました。それこそカツオが中島に誘われるみたいに「今日野球しよーぜ!」って。グローブも持ってましたし、どちらかというと打つ方が得意でしたね!

共演者について……「藤原紀香さんはきっと美しいサザエさん」

ーー共演者の方々を知ったときはどう思いましたか。

嬉しいし、これめっちゃ緊張するやつじゃん! って思いました!

ーー共演者の方々はテレビで見る方も多いですが、憧れの方はありますか。

全員です。俳優を志していない頃から、テレビ、ドラマ、バラエティいろんなところに出演されていた方々ばかりなので、こうして共演できるというのはすごく光栄です。藤原紀香さんがサザエさん役ということにも驚きました。きっと美しいサザエさんなんだろうなと。僕が小さい頃、よく周りの男の人が藤原さんの話をしていたことを思い出します。ドラマの話になると必ず一度は話題になるくらい、父も学校の先生もみんなが好きだった方だったので、共演は緊張もめちゃくちゃします。​

ーー演出の田村孝裕さんとは初めてご一緒されるかと思います。

演出家さんによって作風は違ってくると思いますし、どんな方なのか、どんな演出をされるのかとても楽しみです。「サザエさん」を舞台にするのってどうなんだろう? っていう想いがすごくあります。それをたくさんの方々に見てもらう舞台作品としての演出を早く見てみたいなと。脚本も早く読んでみたいですが。

荒牧慶彦

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ーー初めての演出家さんとお会いするときって、どういうところから始めるんでしょうか?

仲良くなってからじゃないときっと相手も言いにくいこともあるでしょうし、僕自身もこうしたいですっていう意見も出したい時があるので、その意見交換ができるように、コミュニケーションが取れるようになりたいなと思います。

ーーたくさんお話をされながら作っていくってことですね。

そうですね。特に今回は誰もまだ見たことがない10年後のカツオを演じるという難題があるので。

ーービジュアル撮影の感想はいかがでしたか?

稽古をまだしていないので何が正解かがわからず、模索しながらの撮影でした。クール系も元気系もたくさん撮ったので何が使われるんだろう? って思ってます。さっき松平健さん(波平役)が撮影されているところをちょっとだけ覗かせてもらったんですが、やっぱり貫録がすごいです! あの髪型も維持しているんです。

明治座で演じることについて……「目指していた部分がひとつ達成できる」

ーー公演会場である「明治座」への印象はありますか?

広々とした畳の楽屋がたくさんあって、すごく居心地がいいなと。あとは舞台の「重み」、「空気感」がすごいですね。いろんな作品を長年上演されてきた明治座の空気感はひときわ重く思ったりもしました。明治座の舞台に立てること自体が俳優としてすごく誇らしいです。​

ーー「明治座」ならではの楽しみもあるかと思います。

明治座に飾られる幟(のぼり)はまだ作られたことがないので、その幟ができることはすごく楽しみです。俳優として目指していた部分でもあるので、それをひとつ達成できるなという思いです。

荒牧慶彦

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荒牧さん自身について……友人は「すぐ俳優は辞めるかと思ってた」と

ーー10年後のカツオは大学生とのことですが。

大学生って進路にすごく悩んだり、家族や友人などの周りから影響を多分に受ける年ごろだと思うので、そういった揺れる心というものも人間くさくていいなぁと。

ーー荒牧さんも大学時代は揺れましたか?

揺れました。就職の時期に「俳優をやろう」と思い立ったのも、友達の影響です。大学の友達は就職活動でいろんな企業に就職が決まっている中、自分はいいのかなって。でも一回は自分のやりたいことをやってみたい! という興味から飛び込みました。就職活動をしている友達からは「狂ったか」って言われましたね(笑)。「じゃあなんで大学来たんだよ。早めに始めておけばいいのに就職時期に目指すのは馬鹿じゃん!」って。恐らく僕のことを心配して言ってくれた言葉で、それもそうだよなと思いつつでもやりたいことだから、と。そのころの友人には「すぐ俳優は辞めるかと思ってた」と言われます。

ーー俳優を目指してよかったですか?

そうですね。俳優を目指した時期が遅い僕がこうしていろんなところで舞台や作品に携われているのは、すごく運が良かったなと思ってます。周りの方々にも作品にも恵まれましたし、そういう意味ではすごく運が良かったです。

ーーちなみに俳優を続けていてよかったなと思うことは?

普通に就職していたら経験出来ないことを経験させて頂いたりとか、他では味わえない緊張感と達成感と爽快感が舞台とか映像作品では味わえることですね。

荒牧慶彦

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ーー目指している俳優さんや、こうなりたいという目標はありますか?

僕は昔からすごく藤原竜也さんが大好きです。どんな作品でも名演技をされる方なので、彼くらいのカメレオン俳優になりたいなって思っています。だから今回も今までにない荒牧慶彦を見せられたらなという想いがあります。

ーー普段役へのアプローチのしかたは?

舞台にもよりますが、アニメ原作のようなものでしたらアニメや漫画でその作品についての研究をして、描かれていない部分を表現することによってさらに役が深まると思っています。今回はカツオの成長した姿を自分で想像していくので、ある意味自由だなと思うんです。どういうカツオを演じたとしても小さい頃の面影を残すことができれば、こういう成長をしたんだっていう理解は頂けると思います。カツオの役作りは不安より楽しみな部分が大きいですね。

ーーアニメをベースにしつつも、みなさんと話し合う中でイメージで作り上げていく?

そうですね。誰もが知っているカツオの設定を生かせたらと。野球をまだ続けているような感じだったり、わんぱくっぽさを残したりだとか。そういうところは役づくりに生かせるなと思ってます。

ーー10年後、荒牧さんはどんな生活をしていると思いますか?

俳優を続けていたいので、今とさほど変わらないと思います。あまり他の人生は考えていないですが、もし俳優とは別の未来だとするのなら飲食店経営をしてみたいかなと。カフェとかバーで気ままにバーテンダーになっているのもいいかな。人と話すのが好きなので、お酒を提供してお客さんのお話を聞いたりするのも素敵だなと思います。

荒牧慶彦

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ーー毎日ご多忙かと思いますが、オンオフのスイッチの切り替えや、オフの日の過ごし仕方は?

よし、これから現場だ! というようなスイッチは特にないんです。舞台前に精神統一したりとかはあるんですが、現場に来て自然に切り替わっているという感じです。オフの日はほぼゲームしてます。今日は一日ひきこもる! 絶対家から出ない! ずっとパジャマでいてやるー! みたいな日もありますね。友達に誘われたら外に出ますが、何もないなら家でゲームしてます(笑)。

最後にメッセージ……「心の中でざわざわしてくれたら嬉しい」

ー―荒牧さんファンも、そして今回初めて荒牧さんを知る方もいると思うのですが、舞台ならではの楽しみ方を教えていただけたらと。

今回は10年後の「サザエさん」を舞台にしています。2.5次元舞台ってお客さんにいわゆる「説明書」が最初から配られているような状態です。キャラ設定などを重視して世界感を愛して守って楽しんでもらえるように作っていたんですが、今回に限ってはいかようにも作れる作品だと思います。「サザエさん」という作品はみなさんご存じでしょうし、何も難しく考えずに観に来ていただけたら、素敵な作品を作り上げて皆様にお見せしたいと思っております。楽しみに、気取らずに、笑って楽しんで笑顔で帰ってもらえたらと思います。

ー―この舞台の情報が解禁されるとみなさん驚かれると思います。作品へご出演することを待っているファンの方々にメッセージをお願いします。

そうですね、本当に驚かれると思います! 僕がカツオをやるなんてみんな想像していないと思うので、その意外性の部分からどんなカツオになるのかなって心の中でざわざわしてくれたら。そして、興味を持って舞台を観に行こうって思ってくだされば嬉しいですね。

荒牧慶彦

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取材・文:松本裕美 撮影:荒川潤

公演情報

舞台『サザエさん』
 
■公演期間:2019年9月3日(火)~17日(火)
■会場:東京 明治座
■原作:長谷川町子
■脚本・演出:田村孝裕
■出演
サザエ:藤原紀香
マスオ:葛山信吾
カツオ:荒牧慶彦
ワカメ:秋元真夏(乃木坂46)/齊藤京子(日向坂46)※Wキャスト
タラオ:大平峻也
タマ:酒井敏也
フネ:高橋惠子
波平:松平 健
 
■料金(税込)
S席(1・2階席)12,500円/A席(3階席)6,000円
※6歳以上有料/5歳以下のお子様のご入場はご遠慮ください
 
■グループ観劇(10名以上)のお問い合わせ
営業部団体課 03-3660-3941
■明治座センター(10:00~17:00)
03-3666-6666
 
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