少年王者舘の新作『1001』が新国立劇場 小劇場で開幕

2019.5.15
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舞台

少年王者舘『1001』(撮影:宮川舞子)

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少年王者舘の新作『1001』(イチゼロゼロイチ)が令和元年(2019年)5月14日、新国立劇場 小劇場で開幕した。作・演出は同劇団主宰者である天野天街。

少年王者舘『1001』(撮影:宮川舞子)

昭和57年(1982年)3月に名古屋で旗揚げしてから37年余。旗揚げ当時の十数倍は観客を動員するようにはなったが、それでも演劇界全体の中ではまだまだ“知る人ぞ知る”、マニア層によって支えられきた愛知のローカルな小劇団「少年王者舘」が、“国立”の劇場から“招聘”を受ける形で、彼らにとっての初めての劇場の舞台(初・台)に登場したのであった。

外から望む新国立劇場 小劇場

これは、今シーズンから同劇場演劇部門の芸術監督に就任した小川絵梨子氏の最も野心的な企画であり、彼女が、日本の演劇界に、のみならず世界の演劇シーンに放った、一つのメッセージであると考えてもいいのではないだろうか。そのメッセージとは、大多数の観客にとって既知の外側にある未知なる演劇に、今こそ真正面から向かい合え、という……。

外から望む、開演前の新国立劇場 小劇場のロビー

そんな少年王者舘の『1001』の初日はまさに「既知外」の演劇にほかならなかった。新国立劇場から送られてきた劇内容の紹介文は次のとおり。

1、ある・0、ない・0、ない・1、ある、あるけどない、ないけどある。二進法に置き換えられた世界。生死を賭けて終わりなき物語を紡ぎ続けたシェヘラザードの話法を借り、少年王者舘が今まで吐き出した数々のエレメントを、撹拌させ、混沌させ、融合させ、分裂させ、物語の中の物語の中の物語の中の物語の中に詰め込んで、ヒトのまばたく間に現出させる、魔法のような、量子論的千夜一夜物語。

少年王者舘『1001』(撮影:宮川舞子)

ネタバレ回避のために、具体的なことは書かないが、今回の新作も、既知なる演劇の概念の遥か彼方で、観る者を前後不覚(どころか左右不覚、上下不覚)に陥らせる一種のマジックショーのような「既知外の演劇」であった。新国立劇場の劇場機構をしっかり使用して、従来の劇団公演では味わえないような魅力的な効果も味わえた。前売り券は完売状態だが、キャンセル待ち等の可能性に賭けたい人は、新国立劇場までお問い合わせを。

上演時間は2時間20分(予定)

公演情報

少年王者舘『1001』
 
■作・演出:天野天街
■出演:珠水、夕沈、中村榮美子、山本亜手子、雪港、小林夢二、宮璃アリ、池田遼、る、岩本苑子、近藤樺楊、カシワナオミ、月宵水、井村昂
寺十吾、廻飛呂男、海上学彦、石橋和也、飯塚克之
青根智紗、石津ゆり、今井美帆、大竹このみ、奥野彩夏、小野寺絢香、小島優花、小宮山佳奈、五月女侑希、相馬陽一郎、朝長愛、中村ましろ、新田周子、一楽、野中雄志、長谷川真愛、坂東木葉木、人とゆめ、深澤寿美子

 
■会場:新国立劇場 小劇場
■日時:2019年5月14日(火)~26日(日)
※21日休演。
※5/18&24に追加公演決定。追加公演発売:4月27日(土)
■問い合わせ:syounen@oujakan.jp(少年王者舘)
■公式サイト:http://www.oujakan.jp/1001.html(少年王者舘)
https://www.nntt.jac.go.jp/play/1001/(新国立劇場)

<e+貸切公演>
公演終了後に「スペシャルカーテンコール」あり
2019年5月25日(土)開演18:00~ (開場17:30~)
https://eplus.jp/sf/detail/2882890001-P0030002P021001?P1=0175