今年も最高のファンタジーが帰ってくる! 吉柳咲良、EXILE NESMITH、河西智美、宮澤佐江らが登壇『ピーターパン』制作発表記者会見&囲み取材

2019.6.5
レポート
舞台

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1981年に日本上陸を果たして以来、39年にわたって多くの方を夢と冒険の世界に誘い大きな感動を与えている名作、ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』が今年も上演される。

主演は2017年より10代目ピーターパンとなった吉柳咲良。そして、今作が本格ミュージカルへの初参戦となるEXILE NESMITHが22代目フック船長/ダーリング氏を演じる。また、昨年に引き続きウェンディを演じる河西智美、本作が芸能界復帰作となるタイガー・リリィ役の宮澤佐江、共に3年目の出演となるダーリング夫人役の入絵加奈子、ライザ役の久保田磨希と、安定感のあるメンバーがそろい踏みだ。演出も2017年より引き続き、第24回読売演劇大賞優秀演出家賞、第42回菊田一夫演劇賞などを受賞し、国内外において高い評価を得ている藤田俊太郎が担当する。

会見では、司会のフジテレビアナウンサー・軽部真一よりピーターパンについての簡単な説明がなされた後、まずは吉柳による「アイム・フライング」が披露された。

3年目ということもあり、安定感は抜群。のびやかで明るい歌声に、会場は一気に夢の世界に引き込まれていく。少し大人っぽくなった印象だが、爽やかさや無邪気な表情は変わらない。今年もきっと、素晴らしいピーターパンに会えるだろうという確信を覚えた。

その後、主催を代表し、株式会社ホリプロの代表取締役社長・堀義貴より「この作品は当社にとっても大きな意味を持つ作品。観てくださった方の中にも、この作品を機にミュージカルを好きになったという方がたくさんいらっしゃる。この作品はお子さんだけのものではなく、大人も楽しめる。今年のピーターパンにもご期待いただけたら」と、作品への愛情と熱意が感じられる挨拶が寄せられた。

フジテレビアナウンサー/軽部真一

株式会社ホリプロ代表取締役社長・堀 義貴

そして、吉柳咲良NESMITH河西智美宮澤佐江入絵加奈子久保田磨希藤田俊太郎が登壇。

ピーターパン/吉柳咲良

フック船長・ダーリング氏/NESMITH(EXILE)

ウェンディ/河西智美

タイガー・リリィ/宮澤佐江

ダーリング夫人/入絵加奈子

ライザ/久保田磨希

演出/藤田俊太郎

まずは演出・藤田より、この作品について3つの話が。
1つ目は、ロンドンにあるグレート・オーモンド・ストリード病院には、原作者であるジェームス・マシュー・ バリーがピーターパンの著作を全権寄贈しており、作品の上演が重度の病気と闘う子ども達の助けとなる仕組みになっていること。
2つ目に、ホリプロがゲネプロに重度の障がいを持つ方を招待し、普段ミュージカルを観る機会のない方々に貴重な体験の場を提供していること。
3つ目が、本公演は全国5ヶ所を回るが、神奈川公演のA席は子供2000円と破格の料金設定となっていること。
主催であるホリプロが主体となり、多くの方に作品と希望をとどけるために奔走していることをアピールすると共に、その作品を預かる責任を改めて噛み締めていた。

ここまで話してから、司会の軽部に対し、「長くなってきたけど、今日は時間あるって聞いてるので……1時間くらいですか?」ととぼけ、笑いを誘う。
1時間話すと終わってしまうと言われると、キャストそれぞれに一言を伝えてくれた。
吉柳には、「今年は座長としてカンパニーを引っ張り、支えて欲しい」とエールを送り、河西のことを「とても真面目で勉強熱心で魅力的な女優さん」と称賛。宮澤に「この作品で復帰ですね。大いに暴れて欲しいとおもいます」、入絵に対しては「2004年役にウェンディを演じて、今はダーリング夫人役。まさに生き字引!(笑)」と信頼を覗かせる。

久保田には「ライザは僕が演出するピーターパンのキーパーソン。ブロードウェイ版にはあったけど、しばらくカットされていた役です。でも、僕が熱望して復帰しました。お客様と一緒に本の世界を開いて原作、そしてお芝居の世界両方を担当できる、ストーリーテラーです」と役の重要性をアピールしたほか、NESMITHに対し、「ミックスのNESMITHさんとこの作品でご一緒できるのが光栄です。役を演じる時に重要なのはその方の人間力・表現力の豊かさだということを一緒に実証したい」と、彼ならではの新しいフック船長に期待を寄せていた。

また、各キャストからの一言では、それぞれが意気込みや作品への思いを語ってくれた。

吉柳「一年目は初舞台で、何もわからない中突き進んだ。今年は3年目なので、ダンスや歌、フライングの細かいところまで目を向けられるようになってきたし、ピーターパンへの思いも深まってきたと思う。今年で15歳になって、大人になった部分もあるけど、子供心を忘れずに、ピーターパンとしての存在感を舞台で出して、皆さんと一緒に素敵な舞台を作り上げたい」

NESMITH「ミュージカルは初挑戦で、以前からやってみたいと思っていたことを、素晴らしいキャストとスタッフの皆さんと一緒にできるのを嬉しく思う。藤田さんが言うように、ミックスの僕がやることに意味を持たせられたら。これからのLDHや後輩たちに、こういう場所があるって示したい」

河西「去年に引き続きウェンディを演じられることが嬉しい。子供たちがキラキラした目でステージを観て、ピーターパンが近くに来たら駆け寄ってくれて、すごくパワーをもらったので、今年も本当にワクワクしています。同期の宮澤佐江と同じ舞台に立てるのも嬉しい。今年の夏もみんなでハッピーに過ごせたらいいなと思います」

宮澤「2年前に演じて、今回戻ってくることができました。咲良の歌声が2年前と全然違う! ピーターパンはずっと子供だけど、きっと前より芯のある、今の咲良にしかできないピーターパンになると思うので、私も今の咲良に似合ったタイガー・リリィを演じられるように頑張ります!」

入絵「3年目のダーリング夫人役を演じます。ありがたいことに、年々旦那様が若返っております(笑)ダーリング夫人は、子供たちがいなくなっても帰りを信じて待ち続ける、真の強さを持った“愛”の人。わたしも心を込めて、愛を込めて演じたいと思います」

久保田「世界中でピーターパンが上演されていると思いますが、藤田さん演出のように、絵本から飛び出す、そしてライザがお客様を誘うピーターパンは世界唯一じゃないかと思います。2017年の時は、とにかく子供達に楽しんでほしいと思って稽古していた。でも、幕が開くと、子ども達に楽しんでもらうには、大人たちも楽しんでもらわなきゃいけないと気付きました。大人たちが楽しむと、子供達の世界はもっともっと広がるんだなと。2018年にお客様と紡いだ物語が2019年の台本に全部載っていてプレッシャーもあるけど、もっといいものになるはず。楽しみにしていてください」

「2018年の内容が台本に追加された」ことへの質問が出ると、藤田が「幕が上がる前に、久保田さんが客席から登場して、お客様に話しかけていた。お客様と久保田さんが作ってきたコール&レスポンスを、今年は台本に反映している」と語る。昨年以上にパワーアップし、客席を巻き込む演出が今から楽しみだ。


また、3年目を迎える吉柳は、「1、2年目でできることも増えたし、練習も積んできた。ピーターパンはすごく影響力のある人なので、私もそういう座長になれるように頑張りたい。それと、最初はピーターパンは元気で素直で活発な子だと思っていたけど、3年目になると見方が変わってきて、奥深さを感じる。いろんな人との掛け合いにも深さを持たせたい」と話し、より魅力あるピーターパンへの進化を予感させる。
見所の一つであるフライングについて尋ねられると「すっごく楽しいです! 飛んでいる時は、何もかも忘れてピーターパンになれていると思うので、今年はそれ以外のシーンも全部、一瞬たりとも気を抜かずピーターパンでいられるように頑張りたい」と、貫禄を感じさせるコメントを述べてくれた。

初参戦となるNESMITHは、衣装を身に付けた心境を聞かれ、「いよいよ始まるなという気持ち。色々考えながら自分らしいフックを作っていきたい」と笑顔で意気込みを語る。HIROから何か言われたかと尋ねられると、少し悩んだ後「めっちゃ面白そうじゃん! て。あとすごく言われたのはTAKAHIROくんから「ティンカーベルじゃないの?」って(笑)」と話し、笑いを誘っていた。

その後行われた囲み取材には、吉柳咲良NESMITH河西智美宮澤佐江の4名が登場した。

会見で歌声を披露した吉柳は、歌った感想を聞かれると「毎年すごく緊張するんです……どうでしたか? 歌上手くなってましたか?」と少し不安そうな顔。記者が頷くと、「本番ではもっと上手くなるのでぜひ観に来てください」とはにかんでいた。

NESMITHはプロとしてのボーカリストとして意見を尋ねられ、「本当に素晴らしくて感動しました。僕もピーターパンに負けないフックを作らないと」と緊張をにじませる。一方で、「アニメなども含めて、いろんな形で描かれている作品に自分が入るのは不思議な感覚。でも、この衣装を身に付けたことで、自分の中になんとなく生まれつつあるので、気負いせず自由に楽しもうと思っています」と、初参加とは思えない落ち着きも見せていた。

また、作品が難病支援につながり、社会貢献になっていることに対し、吉柳は「自分自身が楽しんでやっていることが、たくさんの方に勇気を与えられることに、改めて感謝したい。そういう舞台に立っているという責任感を忘れず、すべての公演を大切にやっていきたい」と意気込む。

今作で芸能界に復帰する宮澤は、「一度立ったことのあるこの舞台に戻ってこれるのが嬉しい。1年分貯めていたパワーをステージで発揮したい」と笑顔。河西との共演は宮澤の卒業以来、約3年ぶりとのこと。河西は「私が真面目に仕事してるところを見られたことが ないので恥ずかしい(笑)」と照れた様子ながら、「真面目ver.見せます!」と決意を新たにしていた。

改めて本作の見所を尋ねられると、吉柳は「全部目を離せない作品だけど、個人的にはティンカーベルとのシーン。一番難しくて、悩んで作っている。ティンクを助けるためにお客さんに呼びかけるシーンは、ものすごい一体感があるのでそこが見所だと思います」と、客席を巻き込んだ演出へ言及する。
NESMITHは「フック率いる海賊団のクルーとのチーム感がお客様にどう伝わるかが自分の中のテーマかなと考えています」と、本日は登壇しなかったキャストたちとのやりとりにも注目して欲しいとアピール。
また、河西が「ウェンディは唯一作中で成長する女の子。ラストシーンで、大人のウェンディとそのままのピーターが出会うところは大人もウルっとくる。子どもはもちろん、大人も心からあったかい気持ちになったり切ない気持ちになったり楽しめるところだと思うので大事にしたい」と、子どもから大人まで楽しめる本作の魅力を語ると、宮澤も「演出が本当に素敵だなと毎年思う。会場に一歩足を踏み入れた瞬間ネバーランドの世界に飛び込めるので、その空間に負けないように演じたい」と、丁寧に作り込まれる世界観を絶賛していた。

「ピーターパンは小さいお子さんから大人まで楽しめるミュージカルです。見る世代によって、捉え方や感じ方は変わってくると思いますが、本当にいろんなことを感じられる作品です。キャスト・スタッフの皆さんと一緒に素敵な作品を作り上げられるように頑張ります。ぜひ劇場で、ピーターパンのすごさを体感してください!」という吉柳のコメントの通り、子どもから大人まで、『ピーターパン』は誰もが楽しめる公演だ。年々進化を続ける作品を、ぜひその目で見届けてほしい。

公演情報

ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』
 
■日時・会場:
【埼玉公演】2019年7月21日(日)~28日(日)
彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
 
【神奈川公演】
2019年8月2日(金)~5日(月)
カルッツかわさき(川崎市スポーツ・文化総合センター)ホール
 
※名古屋公演(御園座)、大阪公演(梅田芸術劇場メインホール)、富山公演(オーバードホール)もあり
 
■原作:ジェームズ・M・バリ
■作詞:キャロリン・リー
■作曲:ムース・チャーラップ
■翻訳/訳詞:青井陽治
■演出:藤田俊太郎
■出演:吉柳咲良 EXILE NESMITH 河西智美 宮澤佐江 入絵加奈子 久保田磨希 ほか
 
■公式ホームページ:https://horipro-stage.jp/stage/peterpan/