佐奈宏紀らが繰り広げる、熱き犬(おとこ)たちの戦い 舞台『銀牙 -流れ星 銀-』~絆編~ゲネプロレポート

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アニメ/ゲーム
2019.7.7

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舞台『銀牙 -流れ星 銀-』~絆編~が2019年7月6日(土)、東京・天王洲 銀河劇場にて開幕した。直前に行われたゲネプロと主演の佐奈宏紀らが登壇した初日会見の模様をお伝えする。

原作は1983年から1987年まで「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された、高橋よしひろの人気漫画「銀牙 –流れ星銀-」。熊狩りのために育成された狩猟犬である“熊犬”として生まれた秋田犬の銀(佐奈)が、凶暴な殺人熊・赤カブトに敗れた祖父のシロと父であるリキ(坂元健児)の仇を討つため、同じ目的を持つ仲間たちとともに真の“男”を求めて日本全土を駆ける。

猛々しい音楽、肌を刺すような冷たい風の音、力強い遠吠えと歌声。銀の出生にまつわる怒涛の展開であっというまに物語へ引っ張り込まれる。

父を失い、幼少期から熊犬として訓練を受けた銀。赤カブトを倒すべく、世界中で猛獣狩りをしているジョン(安里勇哉)をはじめ、ベン(郷本直也)やスミス(塩田康平)、ハイエナ(尾関陸)らが属する奥羽軍とそのボスと衝撃な出会いを果たす。

宿敵・赤カブトとの戦いに挑むため、強大な戦力となる“男”を集めて旅をするなかで、赤虎(赤澤遼太郎)、中虎(岩城直弥)、黒虎(松井遥己)の甲斐三兄弟や霞岳の閻魔大王と呼ばれる怪力のモス(千代田信一)が続々と参戦し、激しい戦闘や時にコミカルな掛け合いが交わされる。伊賀忍犬の総帥である赤目(荒木宏文)が繰り広げる甲賀忍犬・黒邪鬼(北代高士)との因縁の戦いに一行がどのように関わるかも注目だ。

物語の主役は秋田犬やグレートデーン、ジャーマンシェパードといった犬たち。舞台化に際し、ビジュアルや動作といった“犬らしさ”の表現方法に注目が集まっていた。犬たちは前足を駆使し、四つ足で縦横無尽に駆け抜けていく。距離が開いたセットからセットの間でさえも軽々と飛び越える身体能力に感嘆するだろう。

随所にちりばめられた歌やダンスは犬たちの野性味、獣の肉体を表現している。辻本知彦(※「辻」は1点しんにょうが正式表記)による振り付けが躍動的だ。雨に濡れ、泥まみれになりながらも山を走り抜ける犬(おとこ)たちの姿に心打たれる。熱のこもったストーリーをぜひ生で体感してほしい。

ゲネプロ開始前には初日会見が行われ、キャスト5名と脚本・演出を務めた丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)が登場した。

主演を務める佐奈は「事前稽古で一から犬の動きや歌、基礎を固めて入念で緻密で濃密な稽古をしてきた。稽古でこんなに疲労したのは初めて」と振り返りつつ、「圧倒的なものをご用意した自信があるので楽しみにしていてください」と力を込めた。

郷本は「最後まで怪我のないようにみんなで熱い犬(おとこ)の物語をみせたい」とし、注目ポイントとして辻本による振り付けについて、「ダンスへの苦手意識が強かったが、初めて楽しいと思えた」と笑顔を見せていた。

「“犬”ということを特に意識して稽古してきた。オープニングから死ぬ気で熱くやっているので注目していただけたら」と安里。荒木は「原作が漫画であり、舞台化するために人間がどういうふうに犬を演じるのかということをビジュアル面からアプローチするのを初めて体験した。ぜひ劇場で見て評価いただけたら」と自信をのぞかせた。

「お隣の大井町では劇団四季が猫やライオンの物語をやっていますが、この天王洲アイルでは劇団鹿殺しの丸尾さんが熊殺しへと立ち向かう犬の物語を……」と切り出した坂元。会場が笑いに包まれつつ、「打倒、大井町で頑張りたいと思います!」とユーモアたっぷりに語った。

見どころについて丸尾は「手探りの中、まずは四本足で歩いてみるところから始めた。何が答えかわからないなかキャストたちと探してきて、僕たちなりの答えが出せたのではと今は自信を持っています。犬たちの旅を楽しんでいただけたら」と呼びかけた。

意気込みを尋ねられた佐奈の“犬語”を郷本が翻訳するというチームワーク抜群の場面も。東京公演では平日限定で終演後のアフターイベントも開催。ミニライブやトーク会などユニークな企画が目白押しなのでぜひチェックしてみてほしい。

取材・文・撮影=潮田茗

公演情報

舞台『銀牙 -流れ星 銀-』~絆編~
 
【公演期間】
東京公演:2019 月 7 月 6 日(土)~15 日(月・祝) 天王洲 銀河劇場
神戸公演:2019 月 7 月 20 日(土)~21 日(日) AiiA 2.5 Theater Kobe
 
【原作】高橋よしひろ「銀牙 -流れ星 銀-」(集英社文庫コミック版)
【脚本・演出】丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)
【振付】辻本知彦
 
【キャスト】
銀:佐奈宏紀
 
ベン:郷本直也
ジョン:安里勇哉
スミス:塩田康平
ハイエナ:尾関 陸
赤虎:赤澤遼太郎
中虎:岩城直弥
黒虎:松井遥己
モス:千代田信一
黒邪鬼:北代高士
 
竹田五兵衛/語り:平川和宏
 
赤目:荒木宏文
 
いっとん(KoRocK)
永井直也
佐久本歩夢
岡田治己
前山義貴
矢野秀実
 
リキ:坂元健児
 
料金】8,800 円(前売・当日共/全席指定/税込)
 
【公演に関するお問合せ】ネルケプランニング TEL:03-3715-5624(平日 11:00~18:00)
に関するお問合せ】サンライズプロモーション東京 TEL:0570-00-3337(全日 10:00~18:00)
 
【後 援】東成瀬村 横手市
【協 力】一般社団法人 日本 2.5 次元ミュージカル協会 一般財団法人 横手市増田まんが美術財団
【主 催】ネルケプランニング
 
【公 式 サイト】https://www.ginga-stage.com/
【公式 Twitter】https://twitter.com/stage_ginga (@stage_ginga)
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