超高性能な親友・チャッキーの愛が重い!そして怖い!『チャイルド・プレイ』#野水映画“俺たちスーパーウォッチメン”第六十七回

動画
特集
アニメ/ゲーム
映画
2019.7.20
(C)2019 Orion Releasing LLC.  All Rights Reserved.  CHILD’S PLAY is a trademark of Orion Pictures Corporation. All Rights Reserved.

(C)2019 Orion Releasing LLC. All Rights Reserved. CHILD’S PLAY is a trademark of Orion Pictures Corporation. All Rights Reserved.

画像を全て表示(7件)

TVアニメ『デート・ア・ライブ  DATE A LIVE』シリーズや、『艦隊これくしょん -艦これ-』への出演で知られる声優・野水伊織。女優・歌手としても活躍中の才人だが、彼女の映画フリークとしての顔をご存じだろうか?『ロンドンゾンビ紀行』から『ムカデ人間』シリーズ、スマッシュヒットした『マッドマックス  怒りのデス・ロード』まで……野水は寝る間を惜しんで映画を鑑賞し、その本数は劇場・DVDあわせて年間200本にのぼるという。この企画は、映画に対する尋常ならざる情熱を持つ野水が、独自の観点で今オススメの作品を語るコーナーである。

子ども時代の私には、怖くて観られない映画があった。一つは、スティーヴン・キング原作の『IT』(90)。そしてもう一つが、殺人人形・チャッキーが登場する『チャイルド・プレイ』(88)だ。当時はチャッキーの顔とぎこちない動きが怖くてチラ見することしか出来ず、。最近になってようやく鑑賞したばかり。今回は、そんなチャッキーを装いも新たにリブートした新作『チャイルド・プレイ』を紹介しよう。

(C)2019 Orion Releasing LLC.  All Rights Reserved.  CHILD’S PLAY is a trademark of Orion Pictures Corporation. All Rights Reserved.

(C)2019 Orion Releasing LLC. All Rights Reserved. CHILD’S PLAY is a trademark of Orion Pictures Corporation. All Rights Reserved.

大手テクノロジー企業・カスラン社が発売したバディ人形は、超高機能AIを搭載した最先端の玩具だ。友だちがいない内気な少年・アンディは、誕生日に母親からバディ人形をプレゼントされ大喜び。「チャッキー」と名付けたその人形に夢中になっていくが、徐々に身の回りで異変が起き始めていることに気づく。

 

現代的な設定で蘇るチャッキーの怖さ

(C)2019 Orion Releasing LLC.  All Rights Reserved.  CHILD’S PLAY is a trademark of Orion Pictures Corporation. All Rights Reserved.

(C)2019 Orion Releasing LLC. All Rights Reserved. CHILD’S PLAY is a trademark of Orion Pictures Corporation. All Rights Reserved.

オリジナル版『チャイルド・プレイ』のチャッキーは、殺人鬼の魂を宿した人形として描かれていた。リブートされた本作では、現代的でテクノロジカルな玩具へとアップデートされているのが大きな特徴。バディ人形は、AIだけでなく、音声認識センサーや、高解像度画像認識機能など最先端の機能を備え、ホームデバイスに接続すると、家のなかのカスラン社製品を一括管理することも可能なスグレモノ。だがチャッキーは、とある理由で凶悪化してしまったバディ人形なのだ。

とはいえ、殺人衝動に駆られて人を襲うわけではなく、親友のアンディを喜ばせようと、善意に基づいて行動しているのだからビックリ! たとえば、アンディがホラー映画を楽しそうに観ていると、劇中の殺人鬼から「こうすれば喜んでもらえる」と誤って学習し、包丁で襲いかかってくる。アンディが嫌いな人間の愚痴を言えば、すぐに相手を殺しに出掛ける……といった具合に。つまり、AIが人間の複雑な心までは読み取れず、ちょっとしたことで暴走状態に陥ってしまうのである。あくまでアンディへの愛が動機だなんて、ストーカーのようで重すぎやしないだろうか。本作のチャッキーは、その設定やアンディとの関係性に現代的なアレンジを取り込むことで、「今ならあり得る」恐怖の存在へと生まれ変わっている。

 

ホラーでもあり、成長物語でもある

(C)2019 Orion Releasing LLC.  All Rights Reserved.  CHILD’S PLAY is a trademark of Orion Pictures Corporation. All Rights Reserved.

(C)2019 Orion Releasing LLC. All Rights Reserved. CHILD’S PLAY is a trademark of Orion Pictures Corporation. All Rights Reserved.

チャッキーのことばかり熱く語ってしまったが、本作は主人公・アンディの成長物語として観ても面白い。内気だったアンディは、皮肉なことにチャッキーを通して友だちをつくり、やがて“バディ(相棒)人形”と対決するまでに至るのである。アンディと個性強めな友だちの微笑ましいやり取りは、本作に数少ない笑いをもたらしてくれるシーンであり、彼の“成長”を感じる場面でもある。

そしてもう一つ、私がオススメするのが、チャッキーの後継機である新作バディ人形たち。チャッキーとは異なる見た目のタイプもいくつか登場するのだが、中でもクマ型のバディ人形が可愛い。ただし、「これが欲しい!この子と友だちになりたい!」なんて思った私の想いを見事に踏みにじってくれた、クマくんの恐るべき一面にも少しだけ期待していて欲しい。

(C)2019 Orion Releasing LLC.  All Rights Reserved.  CHILD’S PLAY is a trademark of Orion Pictures Corporation. All Rights Reserved.

(C)2019 Orion Releasing LLC. All Rights Reserved. CHILD’S PLAY is a trademark of Orion Pictures Corporation. All Rights Reserved.

チャッキーの声は、『スター・ウォーズ』シリーズでルーク・スカイウォーカーを演じているマーク・ハミルが担当した。声優としても数々の作品に携わるマーク・ハミルの優しい声は、チャッキーの不気味さを増すのに一役も二役も買っていると感じた。

そんな優しい声のチャッキーに「死ぬまで親友だよね?」と問われたら、あなたならなんと答えるだろうか?その答えによってどうなってしまうかは……本編で確認してほしい。

『チャイルド・プレイ』は公開中。

作品情報

映画『チャイルド・プレイ』
 
原題:CHILD’S PLAY
監督:ラース・クレヴバーグ
製作:セス・グレアム・スミス、デヴィット・カッツェンバーグ(『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』)
脚本:タイラー・バートン・スミス
出演:オーブリー・プラザ、ガブリエル・ベイトマン、ブライアン・タイリー・ヘンリー、マーク・ハミル(声の出演) 
配給:東和ピクチャーズ 
R-15指定
公式サイト:https://childsplay.jp
(C)2019 Orion Releasing LLC.  All Rights Reserved. CHILD’S PLAY is a trademark of Orion Pictures Corporation. All Rights Reserved.
シェア / 保存先を選択