B'z はじめ、ロック魂あふれるアクトが大集結! ドリームフェスティバル1日目を詳細レポート

レポート
音楽
2015.11.22
B'z  Photo by 達川範一

B'z Photo by 達川範一

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『~5th Anniversary~ テレビ朝日ドリームフェスティバル 2015』1日目

テレビ朝日が主催し2011年から開催され、今年5周年の記念開催となった『~5th Anniversary~ テレビ朝日ドリームフェスティバル 2015』。会場となった代々木第一体育館は開場前から人、人、人。それもそのはず、ジャンルを超えて超豪華なアーティストたちが集結した結果、各日ともは即完売のプレミアム公演となっており、しかもこの11月21日=1日目は特に「ロック」なアクトが集結しているのだ。観客たちも気合の入り方が違う。

 

開演時刻となり、場内に響いたカウントダウンとOPムービーに続けて登場した本日のトップバッターは、ゲスの極み乙女。だ。メンバー全員、最新のアー写を彷彿とさせるような「和」のテイストを取り入れた衣装に身を包んでいる。

ゲスの極み乙女。

ゲスの極み乙女。

一曲目「ロマンスがありあまる」から、クールな面持ちで正確無比にリズムを刻むほな・いこか(Dr)、ゲス乙女のファンクネスを牽引する休日課長(B)のベースラインを中心としたグルーヴが場内を支配し、川谷絵音(Vo/G)の繊細ながらよく通る柔らかな声にみな酔いしれた。「キラーボールで踊りませんか?」の一言に沸き、突入した「キラーボール」では、ちゃんMARI(Key)のクラシカルなソロの背後で他メンバーがぐるぐる回ったりと、楽曲とのギャップでも楽しませる。

おなじみの「コポゥ!」からのMCでは、川谷がB’zとの共演に触れ「今日来てみて、"あ、実在する人なんだ"と思って」と、共演するのが信じられないほど大きな存在であるという気持ちを表現。さらに最近車でずっとB’zを聴いて共演に備えていた、といった話題で盛り上げた。

「私以外私じゃないの」「猟奇的なキスを私にして」といった次々に繰り出される代表曲の数々に、オーディエンスは思い思いに体を揺らしたり手拍子したりと、存分に音と戯れる。ラストは課長による「ドリーム!」「フェスティバル!」といういささか強引な(笑)コール&レスポンスからの「ドレスを脱げ」でアッパーにステージを締めくくった。

KNOCK OUT MONKEY

KNOCK OUT MONKEY

続いて登場したのはKNOCK OUT MONKEY。いきなり叩きつけるように、エッジーで歯切れの良いサウンドとキャッチーなメロディの「Paint it Out!!!!」を投下し、一気に惹きつける。曲中、w-shun(Vo/G)が
「俺らのことをよく知らない人も多いと思う。曲も知らないでしょう。それでも一つだけ、音楽とかロックが好きな人は手を挙げてもらって良いですか?」
と場内に語りかけると、当然、全員の手が挙がる。「最高や!」と笑顔を見せながら、「Greed」や「JET」など初見でもアガれるナンバーをアグレッシヴに繰り出していく。

新曲「GOAL」で歌われた<これからも一挑戦者>という歌詞、そして「ここでワンマンするまでバンド辞めれないな」という宣戦布告が象徴するように、錚々たる共演者に対するチャレンジャーとしての姿勢を明確にしてパフォーマンスしたKNOCK OUT MONKEY。オーディエンスも彼らのサウンドにどんどん引き込まれていき、ラストは「Wonderful Life」でラテンのリズムに乗って盛大にタオルを振り回していた。彼らのタフなライブバンドっぷりと、ジャンルを横断しつつも真っ直ぐな楽曲は多くの胸に刻まれたことだろう。

[Alexandros]

[Alexandros]

登場するや否や悲鳴に近い歓声に包まれたのは[Alexandros]のステージ。そこへ川上洋平(Vo/G)が「代々木ー!!」とシャウト一発。もうそれ以上の盛り上げは不要だ。いきなり明るく照らされる場内に向けて放たれたのは「ワタリドリ」。庄村聡泰(Dr)がクラッシュシンバルを高い位置に据えたいつものポジションから跳ねたリズムを刻み、磯部寛之(B)と白井眞輝(G)がクールな佇まいで音を重ねる。川上は大きなアクションを交えつつハイトーンを響かせ、煽り、バンド全体がとんでもなくスタイリッシュだ。

「我々はすぐ横の代々木公園で、つい何年か前まで路上ライブやってたので」と会場に対する想いの強さも口にしながら、中盤には新曲「Girl A」も披露し、刺激的に点滅するライトに照らされながら、ダーティで危険な疾走感に満ちたデジタルロックの上をたゆたう美しいファルセットのボーカルという、鮮やかなコントラストを描き出した。

そこからは鉄板の「Kick&Spin」「Starrrrrrr」とつなぎ、大合唱で盛り上がる場内。リアルに気温が上昇していく。そしてラストは「Adventure」。一旦演奏を終えたのち、アカペラで<WOW WOW>の箇所を再度オーディエンスと合唱し、「ありがとう、愛してるぜ! 代々木!!」と言い放ち、ステージを後にした。そんなロックスター然とした言動がサマになる数少ないバンド。やはり彼らには華やかな大舞台がよく似合う。

MAN WITH A MISSION

MAN WITH A MISSION

出だしから総立ち状態の場内に現れた5匹(と一人)ーーもちろんMAN WITH A MISSIONの出番である。お立ち台で堂々とタオルを掲げるトーキョー・タナカ(Vo)に大歓声が送られる中、いきなり「FLY AGAIN」を投下。1万人をゆうに超える超満員の場内が、一斉に両手を掲げて左右に振るアクションで応える様は、壮観の一言だ。

「3日間通シテ、唯一人間ジャナイ奴ガ出テマスケレドモ、ゴ容赦クダサイ」とジャン・ケン・ジョニー(G/Vo)が挨拶し、「Emotions」へ。ステージには炎が高々と打ち上がり、ボーカル2匹に爛々と眼を光らせたカミカゼ・ボーイ(B)が加わった三声のハーモニーで歌い上げた。ニルヴァーナのカバー「Smells Like Teen Spilit」なども披露したMWAM。時折タナカがセンターステージまで出て煽り、DJ・サンタモニカに至ってはフロアに降りて前列のファンとハイタッチするなどサービス精神も旺盛である。

MCでは「明日カラ友達ニ会ッタラ、俺、B’zト対バンシタンダヨッテイエル」と誇り、笑いと喝采を巻き起こす。確かにそれはすごいことだよなぁと改めて実感。後半は「Seven Deadly Sins」「Dive」と近頃リリースした楽曲たちを披露したのだが、どちらも既にアンセムとして鳴り響いていた。ラストには最新シングル「Raise your flag」をドロップし、スペア・リブ(Dr)らリズム隊が巧みにノリの変化を操りながら、会場全体を強烈な一体感で包む。バンドとしての地力とエンターテインメント性の高次元の融合を見せつけてくれるステージであった。

9mm Parabellum Bullet

9mm Parabellum Bullet

悠々と歩いて登場したかと思いきや、音を出すといきなりハイテンションに暴れまくる9mm Parabellum Bulletの面々は、「反逆のマーチ」からスタートした。跳ねたリズムにキレッキレのギターとベースが加わったアンサンブルは凄みすら感じる。間髪入れずに「Answer And Answer」、菅原卓郎(Vo/G)の「もういっちょ、いってみるか」の一言で「The Revolutionary」と続け、かみじょうちひろ(Dr)の爆撃のようなバスドラムの連打や、派手なアクションで奏でる中村和彦(B)のゴリゴリの重低音、コーラスしたり花道まで出て弾いたりと動き回りつつ多彩な音色を操る滝嘉充(G)のギターサウンドで圧倒する。ソロの際には菅原と滝が、花道で背中合わせにユニゾンを披露し盛り上げる場面も。

「俺たちはボンって火が出たりはしないんですけど、みんなの拍手が一番の特効(特殊効果)ですから」と菅原がクール言い放って始まった後半戦では、「ハートに火をつけて」「Black Market Blues」と名曲たちを惜しみなく届け、性急にすら思えるほどの勢いで展開されていく9mmのステージ。締めは、どこかノスタルジーを湛えた「生命のワルツ」だった。3拍子のリズムパターンにもかかわらず強烈な縦ノリのサウンドに乗って菅原、滝、中村一斉に頭を振り出すと、場内でもヘドバンする人が続出。そんなロックバンドならではのカタルシスと持てるテクニックを存分に見せつけた4人は、いよいよ登場するトリーーB’zへとバトンをつないだ。


色とりどりのロックが展開された『ドリームフェスティバル2015』1日目。最終アクトとして登場するのは当然ヘッドライナーを務めるB’zだ。登場前から自然に手拍子が沸き起こるなど異様なボルテージの中、スクリーンに「B’z」と映し出されると割れんばかりの大歓声が起こる。

B'z  Photo by 達川範一

B'z Photo by 達川範一

まず松本孝弘、次いで稲葉浩志の順で現れた2人。ヘヴィながらゆったりと重厚なグルーヴを真っ赤に染まった場内に響かせていく。「RED」だ。そこから「有頂天」へと2015年にリリースした楽曲を続けた後、「みんな笑顔で帰れるように精一杯やりますので、楽しんでいってください」と稲葉が真摯に挨拶すると、もう既に全力で楽しんでいるオーディエンスも一層その熱をあげる。

この日集まったオーディエンスにとって、あるいは共演したバンドにとって、もちろん筆者にとっても、B’zのステージというのは特別だった。実際、川谷絵音やジャン・ケン・ジョニーはB’zとの共演に対して感慨を口にしていた。そしてB’zはそのことを理解し、まさに『ドリームフェスティバル』にふさわしい「夢」のようなライヴを僕たちに見せてくれた。

セットリストひとつとっても、セッションから入って前半はスロウテンポのアレンジVerとなった「ZERO」や、センターステージで稲葉と松本が身体を並べる姿に誰もが熱くなった「裸足の女神」など、20年以上前の楽曲がまったく色褪せないどころかバリバリの現役キラーチューンとして鳴り響き、冒頭の2曲と並んでもなんら違和感のない形で収まっていた。当時は生まれていなかったんじゃないか?という若いキッズたちも狂喜している。伸びやかな稲葉の歌声がエモーショナルに響き、最後にはそれが爆発するかのようなシャウトで魅せ、松本も哭きのギターサウンドと見惚れるようなテクニックで応えた「Calling」。イントロから誰もが興奮を抑えきれず、サビでは渾身の「HEY!!」に代々木が揺れた「ultra soul」。虹色に照らされた場内にテープが乱れ飛ぶド派手な演出と、巧みな盛り上げのコール&レスポンスで最高潮となった「Las Vegas」。どれも本当に凄い。

新旧織り交ぜながら、B’zは、どの世代の、どの時代からのファンでも楽しめる、文句ナシのロックンロール・ショウをやってのけた。それは長い間シーンの最前線に立ち続けている2人だからこそ体現できる「ドリーム」にちがいない。最後は「愛のバクダン」で心ゆくまで踊り飛び跳ね、弾けきったオーディエンスたちの笑顔の中、ステージ上の2人もまた笑みを浮かべながらステージを後にし、まさに夢のような『ドリフェス』初日は幕を下ろした。

明日以降の2日間では、代々木の舞台でどんな夢が形になっていくのだろうか。

 

文=風間大洋

Photo by Daisuke Sakai

Photo by Daisuke Sakai

セットリスト

2015.11.21 代々木第一体育館

ゲスの極み乙女。
1. ロマンスがありあまる
2. キラーボール
3. 星降る夜に花束を
4. 私以外私じゃないの
5. デジタルモグラ
6. オトナチック
7. 猟奇的なキスを私にして
8. ドレスを脱げ

KNOCK OUT MONKEY
1. Paint it Out!!!!
2. Greed
3. How long?
4. 実りある日々
5. GOAL
6. HOPE
7. JET
8. Wonderful Life

[Alexandros]
1. ワタリドリ
2. Boo!
3. Dracula La
4. Girl A
5. Kick&Spin
6. Starrrrrrr
7. Adventure

MAN WITH A MISSION
1. FLY AGAIN
2. Get Off of My Way
3. Emotions
4. Smells Like Teen Spirit
5. DANCE EVERYBODY
6. Seven Deadly Sins
7. Dive
8. Raise your flag

9mm Parabellum Bullet
1. 反逆のマーチ
2. Answer And Answer
3. The Revolutionary
4. 黒い森の旅人
5. ハートに火をつけて
6. Black Market Blues
7. 新しい光
8. 生命のワルツ

B’z
1. RED
2. 有頂天
3. イチブトゼンブ
4. ZERO
5. 今夜月の見える丘に
6. ねがい
7. Calling
8. 裸足の女神
9. ultra soul
10. ギリギリchop
11. Las Vegas
12. 愛のバクダン

 

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