安西慎太郎、鈴木勝大、川原一馬、加治将樹、男4人芝居!舞台『絢爛とか爛漫とか』稽古場レポート

レポート
舞台
2019.8.14
舞台『絢爛とか爛漫とか』の稽古場の様子

舞台『絢爛とか爛漫とか』の稽古場の様子

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昭和のはじめ、4人の若き文士たちの生き様を描いた舞台『絢爛とか爛漫とか』が、2019年8月20日(火)からDDD青山クロスシアターで上演される。演出を手掛けるのは鈴木裕美で、安西慎太郎鈴木勝大川原一馬加治将樹による4人芝居だ。どんな舞台になるのか、都内で行われている稽古場を取材した。 


この日の稽古は午後1時から。俳優たちは30分以上前に到着し、衣装に着替え、準備をしていた。立ち稽古を始める前に、スタッフも交えてシアターゲームの時間があった。二人組になって、1人がお題に基づいて絵を描き、もう1人がそのお題を当てるというゲームだ。お題は演出の鈴木が出す。「オリーブオイル」や「コンビニ」、「ツイッター」から「哲学」など。なかなか絵にしづらそうなテーマだったが、みな発想力を発揮して、次々とクリア。俳優だけでなく、スタッフも一緒になって取り組む姿が印象的だった。

立ち稽古前に、スタッフも含めてシアターゲームをしていた

立ち稽古前に、スタッフも含めてシアターゲームをしていた

 
立ち稽古前のシアターゲーム。お題は「哲学」。

立ち稽古前のシアターゲーム。お題は「哲学」。

シアターゲームを10分ほどで終えて、立ち稽古に入る。この日は、第三場「秋」を通した(物語は春夏秋冬に分けて書かれている)。ネタバレになるのであまり詳しくは言わないが、大きく物語が動く、重要な場面である。
  
演出の鈴木は、『絢爛とか爛漫とか』の初演時(1993年)にも演出を手掛けている(なんと、新人小説家・古賀大介役の安西慎太郎が生まれた年である!)こともあり、本の理解と、本に対する愛が人一倍深い。セリフへの反応、イントネーション、視線を向ける先...こうした「表」部分へのダメ出しもあるが、そのセリフの解釈、そのセリフが持つ意味、その登場人物の性格...など「深層」を鋭く突く。引き合いに出す具体例も豊富で、糸井重里や吉本ばななの名言に始まり、自身が演出した『フローズン・ビーチ』のことなども飛び出した。聞いているだけで、タメになるダメ出し。俳優たちが「鈴木さんの演出を受けてみたかった」と話す理由が分かる気がした。

舞台『絢爛とか爛漫とか』の稽古場の様子

舞台『絢爛とか爛漫とか』の稽古場の様子

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舞台『絢爛とか爛漫とか』の稽古場の様子

舞台『絢爛とか爛漫とか』の稽古場の様子

舞台『絢爛とか爛漫とか』の稽古場の様子

俳優たちも、鈴木の演出に応えようと必死だ。
 
出演するのは安西慎太郎ほか、批評家志望・泉謙一郎役の鈴木勝大、自称耽美小説家・加藤常吉役の川原一馬、そして非凡な才能を持ち破天荒な諸岡一馬役の加治将樹(配役がまたいい!)。男4人だけの芝居だ。セリフ量も多いし、“昭和初期の若き文士たち”という設定ゆえ、所作や言い回しなど苦労する部分も多いと推測するが、それぞれがひたむきに役と向き合っていた。

舞台『絢爛とか爛漫とか』の稽古場の様子

舞台『絢爛とか爛漫とか』の稽古場の様子

舞台『絢爛とか爛漫とか』の稽古場の様子

舞台『絢爛とか爛漫とか』の稽古場の様子

舞台『絢爛とか爛漫とか』の稽古場の様子

舞台『絢爛とか爛漫とか』の稽古場の様子

濃密な稽古の取材を通して、早く全編を観たい、と思った。公演は、2019年8月20日(火)からDDD青山クロスシアターにて。お見逃しなく!

取材・文・撮影=五月女菜穂

公演情報

舞台『絢爛とか爛漫とか』

作:飯島早苗
演出:鈴木裕美
出演:安西慎太郎、鈴木勝大、川原一馬、加治将樹

公演日程:2019年8月20日(火)〜9月13日(金)
料金:一般 7,800円(全席指定/税込) ※未就学児入場不可
会場:DDD青山クロスシアター
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