梶浦由記と石川智晶のSee-Sawがサプライズで復活 1日限りのライブ開催も発表に
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8月17日、作曲家・梶浦由記の1年ぶりのライブツアー『Yuki Kajiura LIVE TOUR vol.#15』の国内最終公演が東京・中野サンプラザホールにて開催された。
『Yuki Kajiura LIVE TOUR vol.#15』は、6月15日に開幕。「Soundtrack Special」と銘打たれた6月15日・16日のステージは、その名の通りインストゥルメンタル曲を中心としたもの。一方、6月28日から始まった「The Junctions of Fiction 2019」は、KAORI、KEIKO、YURIKO KAIDA、Joelleら歌姫4人を加えた通常スタイルでライブを行われた。
梶浦のこだわりにより、バックバンドならぬ「FRONT BAND MEMBERS」と名づけられたバンドの面々は、是永巧一(ギター)、佐藤強一(ドラム)、高橋“Jr.”知治(ベース)、今野均(バイオリン)、赤木りえ(フルート)、中島オバヲ(パーカッション)、大平佳男(マニピュレーター)ら一流ミュージシャンたち。そこに、梶浦のピアノを加えた素晴らしい演奏と歌姫たちの見事なコーラスワークがYuki Kajiura LIVEの最大の魅力で、この日も梶浦の多彩な楽曲を各人が繊細かつダイナミックに奏で、改めて音楽の楽しさを味わわせてくれた。
また、ここまでは公演ごとにゲストボーカルが1名加わっていたが、この日は国内千秋楽ということもあり、伊東えり、Remi、ASUKA(結城アイラ)、ASCAがゲストボーカルとして参加。まずはRemiが「luminous sword」「she has to overcome her fear」といったアニメ『ソードアート・オンライン』からのナンバーを中心に美しいハイトーンボイスを聴かせると、Yuki Kajiura LIVE初参加となるASCAは、9月4日にリリースする自身のニューシングルから、現在放送中のアニメ『ロード・エルメロイII世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-』のエンディングテーマ「雲雀」を披露。新進気鋭のアーティストらしく、クールながら独特な雰囲気のある歌声で梶浦ナンバーを歌い切った。
Yuki Kajiura LIVEでおなじみのASUKAは、自身の持ち歌ともいえる「everlasting song」のほか、かつて梶浦が声優・千葉紗子に提供した「さよならソリティア」「ほし」のレア曲2曲をカバー。持ち前の明るくナチュラルな歌唱で会場を華やかに彩ると、本編ラストに登場した伊東えりは、ゲーム『XenosagaⅢ』から「hepatica」、アニメ『ツバサ・クロニクル』の挿入歌「I talk to the rain」「a song of storm and fire」「ring your song」と、自身がオリジナルのレコーディングに参加した4曲を披露。ミュージカルで培った歌唱力と表現力で圧倒的な存在感を放った。
ここまで本編だけで22曲。いつもながらの多彩な選曲と高度な演奏に観客が酔いしれているところで、アンコールに大きなサプライズが待っていた。
アンコール1曲目に聴こえてきたのは、放送中のアニメ『鬼滅の刃』のBGM「the Main theme of“Kimetsu no yaiba”」だ。今ツアー中、この曲はKEIKOがメインボーカルを務めていたが、ステージ上で照明に浮かび上がった姿は別人? それが、かつて梶浦と組んでいたユニット“See-Saw”でプロデビューし、See-Sawの活動停止後10年以上も個別にアーティスト活動を行ってきた石川智晶だとわかると、客席から大きなどよめきが起こる。そのどよめきは、次曲のイントロが奏でられた瞬間にさらに大きくなった。「あんなに一緒だったのに」は、アニメ『機動戦士ガンダムSEED』の主題歌としてヒットしたSee-Sawの代表曲。この曲では先ほどまでコーラスを担当していた歌姫4人もステージからさがり、往年のファンのみならず、すべての観客がSee-Sawの世界に酔いしれた。
サプライズはまだまだ終わらない。“今年中にやっておきたいこと”をテーマにMCが進む中、梶浦が「See-Saw、今年中にライブをやります!」と宣言。12月15日にSee-Sawとして、東京国際フォーラム ホールAで(とりあえずは)一日限りのライブを開催することを発表すると、客席からは驚きの声とともに大きな拍手が沸き起こった。
石川がステージを後にすると、ライブ再開。まずは疾走感あふれる人気曲「stone cold」で観客が総立ちになると、ラストは温かさを感じさせる壮大なナンバー「Sweet Song」。国内千秋楽を締めくくるにふさわしい大団円に、演者も観客も、会場にいるすべての人々がこの日のライブへの充実感と喜びをその表情にたたえていた。