山田孝之と石丸幹二が騙し合い! 新橋演舞場が南仏のリゾート地へと変わる、ミュージカル『ペテン師と詐欺師』いよいよ開幕
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(左から)石丸幹二、山田孝之
山田孝之と石丸幹二がW主演を務めるミュージカル『ペテン師と詐欺師』が、2019年9月1日(日)東京・新橋演舞場にて開幕する。この初日に先駆け8月31日(土)、公開ゲネプロ(通し稽古)が実施された。
本作は、1988年に製作されたハリウッド映画『ペテン師とサギ師 だまされてリビエラ』をミュージカル化したもの。今回は上演台本と演出を『勇者ヨシヒコ』シリーズ、舞台『フルモンティ』など人気作を手掛けた福田雄一が担当している。
若いアメリカ人詐欺師のフレディ・ベンソン(山田)が、南フランスの高級リゾート地・リビエラにやってきた。そこではすでに凄腕の詐欺師ローレンス・ジェイムソン(石丸)が、相棒の警察長アンドレ(岸祐二)と共に大富豪の未亡人ミュリエル(保坂知寿)ら大金持ちの女性たちをターゲットに荒稼ぎしていた。ひょんなことからローレンスの正体を知ったフレディは、ローレンスの騙しの才能に惚れ込んで弟子入りを志願。二人は石油王の娘ジョリーン(大和田美帆)を騙すことに成功するが、やがて詐欺師としての縄張りをめぐり、次第に敵対するように。そこで二人は彼らは見るからに育ちのよさそうなアメリカ人旅行者クリスティーン(宮澤エマ)をターゲットに、彼女から先に5万ドルを巻き上げた方が勝ちという勝負することに。若くて才気あふれるフレディと優雅でベテランのローレンス、果たして勝負の行方は?
石丸幹二(指をパチンと鳴らすといろいろな事が始まります!)
南仏リゾート地らしい、華やかな舞台セットのなかで、石丸は上質なスーツ姿で次々と女性たちから貴金属を相手を笑顔にさせながら巻き上げていく。どんな役を演じてもノーブルさがにじみ出る石丸の本質を上手く活かしたピッタリの役どころだ。鏡を見つめながら自分の完璧さにため息をつくそぶりとか、(笑えるが)嫌味なくできるのはおそらく石丸だけだろう。
山田孝之
一方、山田はオーバーリアクションでちょっとズルさも感じさせる若き詐欺師を文字通り全身で表現。気が付けば相手の懐に愛らしく、そしてしれっと入り込む強さも持ち合わせる山田。若さと才気からくるフレディの鼻息の荒さをベテランのローレンスがどういなすのか、二人の言葉と感情のせめぎ合いは必見。一方で当初、ターゲットにしていた大金持ちの娘から逃れるため、二人が手を組んで一芝居を打つ様は舞台前半の大きな見どころとなろう。
大和田美帆(左)
二人を取り巻く女性たちも実に魅力的だった。ジョリーンは田舎の大富豪の娘らしく、洗練された気品などは一切持ち合わせない、世間ズレした女性をパワフルに演じ、またローレンス(が詐欺で演じている設定)に心酔しているミュリエルは、もはや正気と狂気のギリギリのところを攻める危なさを持ち合わせていた。外にエネルギー全開の大和田と、内にドロドロのエネルギーをギラつかせる保坂。そして一幕最後に登場したクリスティーン役の宮澤も今後どんな役どころを見せるのか、目が離せない。
保坂知寿
宮澤エマ
また、アンドレ役の岸のブレない存在感も見事。石丸と並ぶ圧倒的な歌声と時に見せる愛嬌たっぷりのふるまいで、ローレンスを表に裏にとフォローしていた。
岸祐二、石丸幹二
イケオジな二人のコンビにも注目です
舞台に流れる楽曲はオーケストラが生演奏。美しいが何気に難易度の高いメロディーで彩られた楽曲を歌い上げる山田と石丸、そして他キャストたちの苦労がしのばれた。見た目は和で知られた新橋演舞場とは思えない南仏の美しい世界をどっぷり堪能していただきたい。
初日に向けて山田と石丸からそれぞれコメントが届いた。
【山田孝之】
石丸さんとは初めてご一緒するのですが、共演できるのが本当に嬉しくて、とても頼りにしています。ただ稽古は楽しくもあり辛くもあり……歌が難しくて、どうやったらちゃんとできるのか、そこを理解するのに時間がかかっています。詐欺師の役なので、騙すためにいろいろなキャラを演じていくのは、やる側も観ている側も絶対に楽しいところ。歌と踊りも素晴らしいので、芝居もきっと……面白く出来てると思います。福田さんには“山田くんは歌と芝居の切り替えが良い意味で独特”と言われたので、“独特”に頑張ります。
【石丸幹二】
今回、山田くんとは初共演です。すごく稽古熱心なので、私も負けないようにと励みました。演出の福田さんは、俳優にすごく自由にさせてくれて、みんなでアイディアを出し合うことを許してくれる。それが最終的に面白いシーンにつながるのは見事だと思いました。俳優たちは衣裳をどんどんと変え、キャラクターも変えるんですが、その姿が思わず笑ってしまうほどおもしろい。そこは見てのお楽しみです。必ず笑って劇場を後にできる舞台です。お待ちしています。
取材・文・撮影=こむらさき
公演情報
■公演日程:9月1日(日)~26日(木)
■会場:東京・新橋演舞場
■音楽・作詞:デイヴィッド・ヤズベク
■演出・上演台本:福田雄一
山田孝之 / 石丸幹二 / 宮澤エマ / 保坂知寿 / 大和田美帆 / 岸祐二
小山侑紀 / 竹内真里 / 丹羽麻由美 / 伯鞘麗名 / 福田えり
■公式サイト:www.petenshi-musical2019.com/