【ONE見所特集コラム(前篇)】昼夜2部制・全22試合の大ボリューム 10・13「ONE: CENTURY 世紀」開催迫る
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『ONE: CENTURY 世紀』は10月13日に両国国技館(東京都)で開催される
■日本初上陸 3・31「ONE : A NEW ERA -新時代-」
3月31日、ONE Championshipは初の日本大会を両国国技館で行った。昨年春に19年の日本大会開催を明らかにし、タイミングを同じくして休止していたAbema TVでの大会中継を再開。各大会に日本人ファイターが出場し、内藤のび太、V.V Mei、長谷川賢はタイトルマッチで激闘、青木真也も精力的に試合を重ね日本におけるONEの認知度を高めていった。
年が明け開催イヤーとなるとアンジェラ・リー、デメトリアス・ジョンソン、エディ・アルバレスといった大会の顔になる3選手が来日して公開ワークアウトを実施(1月)。3月の開催週=ファイトウィークとなると海外メディアの取材陣も多く来日し、国内にとどまらない注目の高さを感じさせた。
そして大会は超満員札止めの観客で溢れ、巨大な入場ゲート、VIP客用のレッドカーペットなど演出もスケール感を醸し出す。試合も日本勢が大挙出場しただけでなく、アンディ・サワー、エディ・アルバレスといったトップファイターが敗れる波乱があり、4階級タイトルマッチの実施、そしてメインでは青木が劇的勝利で戴冠と、質量とも十分な内容でONEの存在をアピールした。
■2度目の日本大会 10・13「ONE: CENTURY 世紀」
10月13日(日)、同じく両国国技館で開催される「ONE: CENTURY 世紀」は3月の「ONE : A NEW ERA -新時代-」以来2度目の日本大会となる。3月も全15試合、7時間に及ばんかのロングラン大会であったが、第2回はさらにそれを上回るボリュームに。当初は前回と同じく夕方からの開始が予定されたが、朝8時半開始の第1部と夕方5時開始の第2部、それぞれ11試合ずつ計22試合という前回を上回る内容となる。
■大規模な「ファン・フェス」も開催
さらに大会だけにとどまらず、その1週間前となる10月5日(土)・6日(日)には「ONE マーシャルアーツ・ファン・フェス」(ベルサール渋谷ガーデン)を開催。このイベントではONE関連コンテンツだけでなくeスポーツの激闘も楽しめるのが特徴で、5日は「鉄拳7」、6日は「ストリートファイター5」による戦いが繰り広げられる。
「ファン・フェス」1日目となる5日には「ONE WARRIOR SERIES(OWS)」を開催。OWSはONEの登竜門にあたる大会で、通常はスタジオマッチとして行われその模様はYoutubeなどで公開されているが、今回は全16試合のうちメイン以外の15試合に日本選手が登場、観客を集め一般公開で実施される。2020年は4度の日本大会を計画しているというONEだが、このOWSから来年の本大会へステップアップする選手が出てくる可能性は高い。
そして「ファン・フェス」の名称にふさわしく、ONEと提携を結ぶ新空手・アマチュア修斗の公式戦およびデモンストレーション、ONEファイターとの交流イベント、公開ワークアウトにセミナーとプログラムは盛りだくさん。翌週の大会へ気持ちを盛り上げるのはもちろん、「ファン・フェス」自体が単一のイベントとして見逃せない内容となっている。
■日本MMA老舗対決:修斗vsパンクラス
2度目の日本開催となる「ONE: CENTURY 世紀」はONEにとって100回目となる記念大会。そのアニバーサリーを日本大会へ持ってくるあたりONEの日本進出への本気度がうかがえるが、それにふさわしくONEも世界タイトルマッチ3試合、3つのワールドグランプリ決勝、そして日本総合格闘技界の老舗同士である修斗とパンクラスの対抗戦までラインナップしてきた。
対抗戦は午後5時開始の第2部オープニング、第1試合~第4試合に置かれ4試合いずれもがチャンピオン対決。まさに出し惜しみなし、待ったなしのマッチアップとなる。
第2部第4試合 ストロー級(56.7kg)/修斗vsパンクラス 王者対決マッチ
猿田洋祐(和術慧舟會HEARTS/修斗世界王者、元ONE王者)
vs
北方大地(パンクラス大阪稲垣組/パンクラス王者)
第2部第3試合 バンタム級(65.8kg)/修斗vsパンクラス 王者対決マッチ
佐藤将光(FIGHT BASE都立大/修斗世界王者)
vs
ハファエル・シウバ(アストラ・ファイト・チーム/パンクラス王者)
第2部第2試合 ウェルター級(83.9kg)/修斗vsパンクラス 王者対決マッチ
エルナニ・ペルペトゥオ(ノヴァ・ウニオン/修斗世界王者)
vs
手塚裕之(ハイブリッドレスリング山田道場/TGFC/パンクラス暫定王者)
第2部第1試合 ライト級(77.1kg)/修斗vsパンクラス 王者対決マッチ
松本光史(フリー/修斗世界王者)
vs
久米鷹介(ALIVE/パンクラス王者)
■勝利者ボーナスは5万ドル(約540万円)、王者対決の行方は?
第1試合はオールラウンダーの松本と過去日本人には1敗を喫しただけで強さを見せる久米。松本が巧みな技術とインサイドワークで久米を封じ込むのか、あるいは久米がそのパワーで飲み込んでしまうのか。
第2試合のパンクラス王者・手塚は軽トラックを押す、田んぼを走る、川の流れにさからって泳ぐといった特訓を積み、“野生獣”とも呼ばれるファイター。対戦相手、ブラジルのペルペトゥオはKOを宣言しており、野生獣パワーの爆発なるか注目となる。
パンクラスを経て修斗で王者となった佐藤将光は5月のバンコク大会でONE初参戦。2R TKO勝利を収め、武器である打撃の威力を見せつけた。相手のシウバは石渡伸太郎にこそ敗れたが、これまで上田将勝、ビクター・ヘンリーといった強豪をくだし、パンクラスで防衛を重ねる王者。佐藤も「過去最強の相手」と警戒を強める。
第4試合、修斗ストロー級王者の猿田はONEでも同級王者に就いた選手。器械体操で培った身体能力をベースに今年1月奪取したONE王座は4月の防衛戦で手放してしまったが、「修斗王者の強さを証明します」と意気込む。対する北方大地は7月にパンクラスの絶対王者・砂辺光久を降して戴冠した新王者。ONE王座防衛戦からの再起戦となる猿田に対し、5連勝中の勢いを見せられるか。
各試合の勝者には5万ドル(約540万円)のボーナスが支給。「全世界の人が見て、日本は凄いんだと実感して頂ければいい」とパンクラス・酒井正和代表が会見で語った熱戦が期待される。
(文:長谷川 亮)