いま、祭りの様相を呈する、笑劇王レイ・クーニーの傑作4本を一気見するチャンス

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舞台
2019.10.18


いま日本の演劇界では、イギリスの笑劇王レイ・クーニーによる抱腹絶倒コメディの上演が花盛りだ。

下北沢・本多劇場では10月20日(日)まで加藤健一事務所『パパ、I LOVE YOU ~It Runs in the Family』を上演中。好評すぎて各公演ほぼ売り止め状態だが、10月19日(土)19時の回<SPICE優良舞台観劇会>ののみ、購入できる(10/18 17時現在)。しかも、この回のみ加藤健一・清水明彦(文学座)・加藤忍・日下由美のアフタートーク付。

『パパ、I LOVE YOU ~It Runs in the Family』あらすじ
クリスマス直前の英国、とある病院の医師談話室。デーヴィッドは講演に向けて準備中だが、同僚ヒューバートが邪魔をしてきて、全く集中できない。さらにそこに、かつて秘密の関係を持った元ナースのジェーンが、とんでもないことを知らせに来たものだから、もう天地がひっくり返りそう! 妻ローズマリーにこのことがばれないよう、“口からの出まかせ”でどうにか逃げ切るしかないのだが……。(加藤健一事務所のリリースより)


クーニーの出世作といえば1983年発表の『ラン・フォー・ユア・ワイフ RUN FOR YOUR WIFE』であろう。1993年に加藤健一事務所が日本初演をおこなった。クーニーの代表作のひとつである本作は、11月13日(水)より新宿シアターブラッツにてABsunが上演をおこなう。

『ラン・フォー・ユア・ワイフ RUN FOR YOUR WIFE』あらすじ
タクシードライバーのジョン・スミスはごく普通の平均的なイギリス人。彼にはとんでもない秘密があった!なんと! 2人の女性と結婚して2つの家庭を持ち、仕事のタイムスケジュールを完璧にコントロールしながら、重婚生活を楽しく過ごしていたのだ。しかしそんな生活が長く続くわけはなく、あるアクシデントから完璧なはずのスケジュールが狂ってしまう。嘘に嘘を重ね、何とかごまかしおおせようと悪戦苦闘。果たしてその結末は……。(ABsunのサイトより)


その『ラン・フォー・ユア・ワイフ』の続編として2001年に発表されたのが、『コウト・イン・ザ・ネット~Caught in the Net~』である。こちらも、11月14日(木)より新宿シアターブラッツにてABsunが上演をおこなう(つまり二本立てとなる)他、それに先立つ前の週11月7日(木)からは池袋シアターKASSAIでファルスシアターによる同戯曲の上演も予定されている! 二劇団の競演を見較べるのも一興であろう。

『コウト・イン・ザ・ネット~Caught in the Net~』あらすじ
ロンドンのタクシー運転手ジョン・スミスは、メアリーとバーバラという二人の妻を持つ重婚男。長年幸せな二重生活を続けてきたが、思わぬピンチが訪れる。メアリーとの娘とバーバラとの息子がネットで知り合い意気投合、会いたいと言い出したのだ。二人の距離が縮まれば秘密がばれてしまう!同居人スタンリー(福地教光)を巻き込んで、ジョンの必死の隠蔽工作が始まる!(ファルスシアターのサイトより)


さらに、1991年に発表された『アウト・オブ・オーダー Out of Order』を、11月28日(木)から日本橋の三越劇場で、山寺宏一&水島裕のラフィングライブが上演する。こちらはいまの日本の政界にも重なる政治家が主役の諷刺コメディだが、どこの国も事情は一緒だなと得心できる一方、諷刺などといったレヴェルを遥かに超えたクーニー一流のドタバタが観客の精神をハイにすること間違いなし。

『アウト・オブ・オーダー Out of Order』あらすじ
与党議員のリチャード・ウィリーは、議会をサボって、ホテルで浮気ウッキウキ。そんな彼を窮地に陥れる、とんでもない事件。バレたら議員人生、一貫の終わり。秘書のジョージ・ピグデンを巻き込んで、必死の隠蔽工作が始まるが、事態は止まることを知らなかった……。彼らはこの窮地を乗り越えられるのか?!(ファルスシアターのサイトより)


つまり、ここ一ヶ月半の間でレイ・クーニーの代表的な傑作を4作、集中鑑賞できるという按配だ。ちょっとした「レイ・クーニー演劇祭」とでもいうべき様相を呈している。いま、何故日本でこれほどまでにレイ・クーニーが上演されるのか。なぜ、抱腹絶倒のドタバタ喜劇がかくも注目されているのか、その答えは、劇場の中にある。

公演情報

加藤健一事務所 vol.106『パパ、I LOVE YOU!』
 
■作:レイ・クーニー
■訳:小田島雄志、小田島恒志
■演出:加藤健一
■出演:加藤健一、清水明彦 / 田代隆秀、辻親八、石坂史朗、藤波瞬平、久留飛雄己 / 加藤忍、日下由美、頼経明子、かんのひとみ、橘杏
 
■日程:2019年10月11日(金)~20日(日)
■会場:下北沢 本多劇場
■料金:前売(8/25~9/30)5,400円/(10/1~)5,500円、当日6,050円、学生2,750円(学生証要提示、当日のみ)
■上演時間:約2時間25分(休憩15分含)予定(多少の変更生じる場合有り)
■公式サイト:http://katoken.la.coocan.jp/
一般発売:2019年8月25日(日)
■<SPICE優良舞台観劇会>(e+貸切公演):2019年10月19日(土)19時の回
【手数料0円】座席選択先着先行受付=2019年8月15日(木)12:00~8月24日(土)23:59

公演情報

ファルスシアター 第24回公演
『コウト・イン・ザ・ネット~Caught in the Net~』

 
■会場:池袋・シアターKASSAI
■日程:2019年 11月7日(木)~10日(日)
11月7日(木)14:00[A]
11月7日(木)19:00[B]
11月8日(金)14:00[B]
11月8日(金)19:00[A]
11月9日(土)14:00[B]
11月9日(土)19:00[A]
11月10日(日)13:00[A]
11月10日(日)17:00[B]
※受付開始は開演の45分前、開場は開演の30分前です。

■作:レイ・クーニー
■翻訳:小田島雄志/小田島恒志
■演出:遠藤隆之介(ファルスシアター)
■出演:
アベシゲオ[B]
小野寺佳七子:メアリー・スミス
仙石智彬
永瀬まっぷ:バーバラ・スミス
矢吹ジャンプ(アガリスクエンターテイメント) :ジョン・スミス
(以上、ファルスシアター)
榎並夕起(アガリスクエンターテイメント)[A]
勅使川原里菜(Revelry Project)[B]
渡辺隼斗[A]
福地教光(バンタムクラスステージ):スタンリー・ガードナー

公演情報

ABsun
『ランフォーユアワイフ』&後日談『コートインザネット~ネットで捕まって』

 
■会場:新宿シアターブラッツ
■日程:2019年11月13日(水)~11月18日(月)
11月13日(水)19:00『ランフォーユアワイフ』
11月14日(木)13:00『ランフォーユアワイフ』
11月14日(木)19:00『コートインザネット』
11月15日(金)13:00『コートインザネット』
11月15日(金)19:00『コートインザネット』
11月16日(土)13:00『コートインザネット』
11月16日(土)18:00『ランフォーユアワイフ』
11月17日(日)13:00『ランフォーユアワイフ』
11月17日(日)18:00『コートインザネット』
11月18日(月)13:00『コートインザネット』

 
■作:レイ・クーニー
■翻訳:小田島雄志/小田島恒志
■演出・脚色:野村架純
■演出補:松田えいじ

■出演:
●『ランフォーユアワイフ』
ジョン・スミス/西舘直人
メアリー・スミス/野村架純(16日、17日出演)
メアリー・スミス/亀井理那(13日、14日出演/The Shine)
バーバラ・スミス/住友聡子
スタンリー・ガードナー/屋敷健一
トラウトン警部/森川勝太((株)エイトセインズ)
ポーターハウス警部/中島一浩((株)エム・アール)
ボビー・フランクリン/畠山昌也
新聞記者/中野由宇希(天神大画面)
カメラマン/日替わり(『コートインザネット』出演者)
●『コートインザネット』
ジョン・スミス/松田えいじ
スタンリー・ガードナー/木村延生
ガヴィン・スミス/中野聡彦
ヴィッキー・スミス/亀井理那
バーバラ・スミス/兵頭祐香
メアリー・スミス/Beppy
親父/嶋田真吾((株)アイランズ)
■公式サイト:http://absun.jp/archives/251

公演情報

ラフィングライブ第五回公演『Out of Order』
 
■会場:三越劇場
■日程:2019年11月28日(木)~12月2日(月)

 
■作:レイ・クーニー
■翻訳:小田島恒志
■演出:野坂 実
■出演:
山寺宏一
 
寿 美菜子
岩崎ひろし
斎藤志郎
三石琴乃
高橋広樹
名塚佳織
岩尾万太郎
斉藤こず恵(友情出演)
 
水島 裕
 
■主催:ラフィングライブ/ネルケプランニング
■公式サイト:https://www.nelke.co.jp/stage/laughinglive5/
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