上昇気流に乗るＮＯＡＨ、11・2両国国技館は新生方舟元年の総決算！ 若きＧＨＣ王者・清宮海斗がＮ－１覇者・拳王と運命の頂上決戦！

プロレスリングＮＯＡＨが11月2日（土）東京・両国国技館にて年間最大のビッグマッチ『ＮＯＡＨ ｔｈｅ ＢＥＳＴ２０１９～美学のある闘い～』を開催する。今年2月にリデットエンターテインメント株式会社を親会社とし生まれ変わりをはかったＮＯＡＨ。3・10横浜文化体育館大会のリングで本格始動し、9・16大阪でもエディオンアリーナにてビッグマッチを開催。故・三沢光晴さんの魂を受け継ぎながらも新ロゴマークや白いマット、ライティングをはじめとする大会演出面で大胆な改革をおこない、試合も充実の一途、文字通りリング内外で成果を上げてきた。そして新生元年の掉尾を飾るのが、両国国技館への帰還である。

ＮＯＡＨが両国で試合をおこなうのは2012年12・9以来、実に7年ぶりのこととなる。また、両国クラスのビッグマッチとしては小橋建太引退の13年5・11日本武道館、15年3・15有明コロシアム以来。それだけに、今回の両国がいかに勝負をかけた大会であるかがうかがえる。よって、11・2は豪華カードが目白押し。全11試合がラインアップされている。

【全対戦カード】
▼6人タッグマッチ
モハメドヨネ＆クワイエット・ストーム＆熊野準vsＫＡＺＭＡ ＳＡＫＡＭＯＴＯ＆イホ・デル・ドクトル・ワグナーJr＆岡田欣也

▼「ＮＯＡＨ ｔｈｅ ＣＬＡＳＳＩＣ」
齋藤彰俊＆井上雅央vs本田多聞＆百田光雄

▼6人タッグマッチ
桜庭和志＆大原はじめ＆ＮＯＳＡＷＡ論外vs西村修＆Ｈｉ69＆宮脇純太

▼6人タッグマッチ
エディ・エドワーズ＆小峠篤司＆クリス・リッジウェイvs望月成晃＆田中稔＆スペル・クレイジー

▼谷口周平vs藤田和之

▼ＧＨＣジュニア・ヘビー級タッグ選手権試合
〈王者〉小川良成＆鈴木鼓太郎vs〈挑戦者〉原田大輔＆タダスケ

▼ＧＨＣジュニア・ヘビー級選手権試合
〈王者〉ＨＡＹＡＴＡvs〈挑戦者〉ＹＯーＨＥＩ

▼ＧＨＣタッグ選手権試合
〈王者〉中嶋勝彦＆潮崎豪vs〈挑戦者〉マサ北宮＆稲村愛輝

▼スペシャルシングルマッチ
丸藤正道vsグレート・ムタ

▼ＧＨＣナショナル選手権初代王者決定戦
杉浦貴vsマイケル・エルガン

▼ＧＨＣヘビー級選手権試合
〈王者〉清宮海斗vs〈挑戦者〉拳王

■6人タッグマッチ

モハメドヨネ＆クワイエット・ストーム＆熊野準vsＫＡＺＭＡ ＳＡＫＡＭＯＴＯ＆イホ・デル・ドクトル・ワグナーJr＆岡田欣也

ＮＯＡＨにとって久しぶりの両国大会は、6人タッグマッチで幕を開ける。モハメドヨネ＆クワイエット・ストームの50ファンキーパワーズに熊野準が合体、対するはＫＡＺＭＡ ＳＡＫＡＭＯＴＯ＆イホ・デル・ドクトル・ワグナーJr＆岡田欣也のトリオである。ヨネ＆ストームの豪快なパワーに対し、名ルチャドール、ドクトル・ワグナーJrを父に持つイホ・デル・ドクトル・ワグナーJrのルチャ殺法がどこまで風穴を開けるかが注目ポイントか。また、昨年12月にデビューした岡田にとっては自身をアピールする大きなチャンス。岡田の闘いぶりが大会の成否を占うことにもなるだろう。若い力の奮闘に期待したい、オープニングマッチである。

■ＮＯＡＨ ｔｈｅ ＣＬＡＳＳＩＣ

齋藤彰俊＆井上雅央vs本田多聞＆百田光雄

「ＮＯＡＨ ｔｈｅ ＣＬＡＳＳＩＣ」と銘打たれたこのタッグマッチには、旗揚げ当初を思わせるメンバーが勢揃いする。齋藤彰俊＆井上雅央は現在もダークエージェント・リターンズとして活動、8・4後楽園の旗揚げ19周年記念大会ではＧＨＣタッグ王座に挑戦した現在進行形のチームでもある。対する本田多聞＆百田光雄組も出航当時のＮＯＡＨに欠かせないメンバー。しかもレフェリーはマイティ井上がつとめることとなっている。旗揚げ時からのファンには懐かしく、来年の20周年に向けてもこのビッグマッチでおこなわれる意義が大きいカード。唯一無二のマサオワールドを中心に、大きく盛り上がることは必至だ。

■6人タッグマッチ

桜庭和志＆大原はじめ＆ＮＯＳＡＷＡ論外vs西村修＆Ｈｉ69＆宮脇純太

ソニコの負傷欠場により一部カードが変更。当初予定されていた12人タッグマッチに替わり、第1試合の6人タッグマッチが加わった。さらに第3試合に西村修が参戦し、桜庭和志＆大原はじめ＆ＮＯＳＡＷＡ論外組vs西村修＆Ｈｉ69＆宮脇純太組という異色カードが急きょ決定。これにより、桜庭vs西村というまさかのマッチアップが実現することとなったのだ。“グレイシー・ハンター”として世界の格闘界のトップに君臨した桜庭和志は今年3月の横浜文体大会前に清宮海斗のトレーニングパートナーとなり公開練習に登場、若き王者にサブミッションホールドの極意を伝授した。試合には9・16大阪での6人タッグマッチに出場。ドロップキックまで披露し、最後は自身の手でクリス・リッジウェイからギブアップを奪ってみせた。そして今回もＮＯＡＨのビッグマッチに参戦し、大原はじめ＆ＮＯＳＡＷＡ論外とのトリオを組む。大原とＮＯＳＡＷＡはメキシコ経験が豊富なレスラーだが、桜庭との連係は飛び出すのか期待がかかる。そしてもちろん、突如降ってわいた西村との絡みも大注目だ。格闘技の寝技とプロレスのグラウンドテクニック。両者の闘いが果たしてどんな化学反応を起こすのか興味深い。もちろん、Ｈｉ69と宮脇純太も主役を奪われるつもりはない。桜庭と西村を軸に、もっとも大きな輝きを放つのはどのレスラーか？ 一瞬の瞬きも許されない、めまぐるしい攻防が期待できそうだ。

■6人タッグマッチ

エディ・エドワーズ＆小峠篤志＆クリス・リッジウェイvs望月成晃＆田中稔＆スペル・クレイジー

ジュニア中心の構成にエディ・エドワーズが加わる6人タッグマッチ。エディはＮＯＡＨ19年の歴史において欠かせない外国人レスラーのひとりである。17年8月に中嶋勝彦を破り外国人選手として唯一ＧＨＣヘビー級のベルトを巻いた。しかもＮＯＡＨを「第2のホーム」として位置づけている日本通。現在の主戦場はアメリカだが、心にはいつでもＮＯＡＨがある。だからこそ、今回のビッグマッチにもエディの存在は欠かせない。エディはジュニアに戻ってきた小峠篤志、イギリスから来日しレギュラー参戦するクリス・リッジウェイとのトリオを結成。キャリア初期に留学生としてやり直した過去のエディがクリスには重なるのではないか。それだけにクリスにはエディから吸収するものが多いはず。この試合を通じて、なにを得るかが今後の大いなる飛躍につながるだろう。エディ組に対するのは望月成晃＆田中稔＆スペル・クレイジー組。ジュニアのレジェンド軍と言っても過言ではない豪華なトリオである。ＤＲＡＧＯＮ ＧＡＴＥの望月は「Ｎ－１ ＶＩＣＴＯＲＹ2019」にエントリー。中嶋勝彦との極上再会マッチや結果的に覇者となる拳王を破るなど、新生方舟初のシングルリーグ戦を大いに盛り上げたばかり。田中は3・10横浜文体で原田大輔からＧＨＣジュニア・ヘビー級王座を奪取、丸藤正道以来、史上二人目となる三大ジュニア王座（ＩＷＧＰ＆世界＆ＧＨＣ）戴冠を成し遂げた実力者だ。また、クレイジーもＮＯＡＨの歴史に欠かせない世界のジュニア戦士である。アメリカ、メキシコをはじめ常に第一戦で活躍。その空中殺法は両国でも多くの観客からどよめきを引き出すことだろう。望月、田中、クレイジー、ジュニアのレジェンドでありながら、まだまだ全員がタイトル戦線に絡んでくる実力と存在感の持ち主。この6人タッグマッチで、ハードヒッティングと華麗なる空中殺法の宴が展開される。

■谷口周平vs藤田和之

9・16大阪のビッグマッチでＮＯＡＨ初参戦、“燃える闘魂最後の遺伝子”藤田和之が、方舟マットを着々と進攻中だ。その脅威は11・2両国にも波及する。大阪では稲村愛輝を3分44秒で料理。「もっと骨のあるヤツを出せ！」と叫ぶ野獣の注文に対し、ＮＯＡＨが今回差し出すのは谷口周平である。元自衛隊員の谷口は国体3度優勝というアマレスの実績をひっさげて05年に入門。12年からマスクマンのマイバッハ谷口として闘っていたが、今年5月にリングネームを本名の谷口周平に戻している。そして今回、方舟マット侵略をはかる藤田との一騎打ちに出陣することとなった。きっかけは10・3後楽園におけるタッグマッチでの初遭遇。レスリング出身の共通点こそあるが、これまで谷口と藤田の間に接点はなかった。が、この試合でパートナーの熊野準がレフェリーストップで敗れ谷口の気持ちに火が付いた。藤田は無視を決め込むも、11・2両国でのシングルマッチが正式決定。あらためて10・20後楽園で前哨戦（潮崎豪＆谷口組vs杉浦貴＆藤田組）が組まれるも、なんと谷口自身が藤田から強烈な顔面蹴りを3連発で食らうとともに最後はスリーパーで屈辱のレフェリーストップ負け。ＮＯＡＨ勢は9・16大阪の稲村から3連続のTKO負けという屈辱を味わわされた。そして迎える11・2両国。リアルジャパンでレジェンド王座を奪取し、ＮＯＡＨマットも我が物顔でのし歩く藤田が勢いそのままに谷口を絞め落とすのか、それとも谷口がマイバッハ時代にも見られなかったような爆発を見せ真の覚醒を果たすのか。もしかしたら人間・谷口周平の真の感情が引き出されるかもしれない大一番。大注目の一騎打ちだ！

■ＧＨＣジュニア・ヘビー級タッグ選手権試合

〈王者〉小川良成＆鈴木鼓太郎vs〈挑戦者〉原田大輔＆タダスケ

ＧＨＣの4大タイトルマッチがおこなわれるのはＮＯＡＨビッグマッチの恒例でもある。先陣を切るのはジュニア・ヘビー級タッグ選手権試合、“スティンガー”小川良成＆鈴木鼓太郎のベテランコンビに“ＲＡＴＥＬ’Ｓ（ラーテルズ）”原田大輔＆タダスケの新世代が挑戦する。この試合は、両者リングアウトで引き分けた10・3後楽園の再戦。小川＆鼓太郎組は2・24後楽園で大原はじめ＆熊野準組から奪取以来、ここまで5度の防衛に成功、ジュニアタッグ戦線の中心に君臨してきた。タッグの部分ではスティンガーに後塵を拝してきたＲＡＴＥＬ‘Ｓだけに、ここはなんとか一矢報いたい。原田はかつて小峠篤司との「桃の青春タッグ」で3度このベルトを戴冠。こんどはタダスケとのコンビでなんとしてもベルトがほしい。これに勝てばタダスケはＧＨＣ初戴冠。前回の遺恨を清算する意味でもキチンとした勝敗をつけたいところである。しかしながら、ルールはルールという王者組の主張も当然だ。百戦錬磨の王者組、その牙城を挑戦者組がいかにして切り崩しにかかるのか。全カード中、もっとも複雑な駆け引きの応酬が見られそうなのが、このタイトルマッチである。さらに小川＆鼓太郎がＮＯＡＨジュニアの重鎮的存在なら、原田＆タダスケが大阪ローカルから方舟マットに辿り着いたという対照的な境遇も背景にある。この試合は、そんな対立構造から見るのも興味深い。世代闘争とユニット闘争、ベルトを懸けての決着戦だ！

■ＧＨＣジュニア・ヘビー級選手権試合

〈王者〉ＨＡＹＡＴＡvs〈挑戦者〉ＹＯーＨＥＩ

ＨＡＹＡＴＡvsＹＯ―ＨＥＩのＧＨＣジュニア・ヘビー級タイトルマッチもまた、再戦である。9・16大阪ではＨＡＹＡＴＡが初防衛に成功した“金髪夫婦”対決。敗れたＹＯーＨＥＩはすぐにリターンマッチを直訴し、王者ＨＡＹＡＴＡも受諾した。タッグパートナー同士によるタイトルマッチが連続でおこなわれるのは極めて異例。それだけに両者の思いは大きいのだろう。ベルトを懸けた一騎打ちでさらに絆を深めたい。そんな気持ちも2人にはある。関西のインディー団体から方舟マットに漂着した両者の対決が地元大阪から年間最大ビッグマッチの両国に昇華するのも夢のような話である。彼ら2人の集大成、ＨＡＹＡＴＡは2度目の防衛を、ＹＯーＨＥＩはＧＨＣジュニア初戴冠をめざす！

■ＧＨＣタッグ選手権試合

〈王者〉中嶋勝彦＆潮崎豪vs〈挑戦者〉マサ北宮＆稲村愛輝

“ＡＸＩＺ（アクシズ）”中嶋勝彦＆潮崎豪組と“ザ・タフ”マサ北宮＆稲村愛輝組がＧＨＣタッグ王座を懸けて激突。ＡＸＩＺの中嶋と潮﨑はともに今年がデビュー15周年。6・27後楽園で杉浦貴＆ＫＡＺＭＡ ＳＡＫＡＭＯＴＯ組から王座を奪回し、このコンビでは3度目の王者としてタッグ戦線の中心に君臨している。ここまで清宮海斗＆谷口周平組、齋藤彰俊＆井上雅央組を破り2度の防衛に成功。11・2両国では北宮＆稲村組を迎え撃つ。キャリアでは圧倒する王者組だが、ザ・タフの異名を持つ北宮＆稲村組は、まさにタフを絵に描いたような風貌の持ち主だけに油断は禁物だ。なにしろこの2人は拳王との反骨集団「金剛」で方舟マットにおける話題の中心に急上昇。今後への期待値がもっとも高いチームと言っていいだろう。タイトル戦決定の発端となったのは10・3後楽園。清宮海斗＆中嶋＆潮﨑組vs拳王＆北宮＆稲村組の6人タッグでは清宮と拳王のＧＨＣヘビー級王座前哨戦に注目が集まったが、その視線を別方向にも向けさせたのが、清宮と稲村の無骨な闘いだった。激闘を締めくくったのは北宮のサイトー・スープレックス。しかも前団体の先輩である中嶋に完全なるフォール勝ちだ。北宮はマイクを取り、これまでの鬱憤をおもいっきりぶちまけた。「8年前、健介オフィスに入門した日から、テメエのことが心底気にくわないんだよ！」。そしてＧＨＣタッグ王座への挑戦を表明。先に決まっていた拳王のＧＨＣヘビー挑戦とともに、金剛全員のタイトル戦が決定したのである。時代の勢いはいま金剛にあるのか、それとも盤石の中嶋＆潮﨑組がこの勢いを食い止めるのか。北宮の中嶋に対する反乱とともに、初挑戦の稲村もカギを握る。まだデビュー1年2カ月とはいえ、メイン登場機会も増えている稲村。9・16大阪では藤田和之に惨敗も、ブレイクのきっかけは作った。稲村が方舟マットに新たな歴史を作り、メインの拳王にバトンを渡すか!?

■スペシャルシングルマッチ

丸藤正道vsグレート・ムタ

両国の大舞台にふさわしいスーパードリームマッチが実現する。“方舟の天才”丸藤正道が、武藤敬司の化身であるグレート・ムタと対戦するのだ。「Ｎ－１ ＶＩＣＴＯＲＹ2019」でまさかの全敗という結果を残してしまった丸藤は、大胆な方向転換で新たなる価値を見いだそうとしている。その一端が対ムタということになるのだろう。ムタを魔界から方舟マットに上陸させる丸藤には、すでになんらかの戦略が練られているに違いない。さらにムタを目の前にしてどんな閃きが浮かぶのか。ともに天才ながら対照的すぎる存在感と輝きを放ちつづける両者の顔合わせ。すでに丸藤はアメリカに渡り、インパクト・レスリング「ＢＯＵＮＤ ＦＯＲ ＧＬＯＲＹ（バウンド・フォー・グローリー）」10・20シカゴでマイケル・エルガンとシングルで対戦。敗れはしたものの、杉浦貴と両国で闘うエルガンを体感し、現地で絶大なる人気を誇るムタの感覚をアメリカマットで感じてきた。ムタとの対戦に向け、まさに準備万端。この試合から、予想もしなかった丸藤の姿が垣間見えるかもしれない。五感を全開にして、未知の世界を堪能したい。

■ＧＨＣナショナル選手権初代王者決定戦

杉浦貴vsマイケル・エルガン

新日本プロレスのレギュラー外国人として数多くのインパクトを残してきた“ビッグ・マイク”マイケル・エルガンがＮＯＡＨマットに初参戦、杉浦貴と大注目のシングルマッチをおこなう。しかもこの試合にはベルトが懸けられている。新設のＧＨＣナショナル王座がそれである。このタイトルは、体重に関係なく争える無差別級王座で、基本的にＮＯＡＨのみでおこなわれるとのこと。初代王座決定戦が杉浦vsエルガンということは、日本人vs外国人が基本図式となるのかもしれない。両者の実績を考慮すれば、ベルトを懸けるには十分。その価値は今後のタイトル戦しだいとなるのだろうが、ＧＨＣ4大タイトル時代に区切りをつけ、5大タイトル時代の到来を告げる激闘に期待したい。なにしろ杉浦とエルガンの対戦だ。初対決であることはもちろん、2人のスタイルからしても真っ向勝負のド迫力バトルが期待される。なおこの試合では今年6月に引退した長州力が特別立会人として来場、新設のベルトを披露するとともに、初代王者にベルトを贈呈する。革命戦士から初代ＧＨＣナショナル王者に認定されるのは杉浦か、エルガンか。新たなる歴史がスタートする、初代王者決定戦だ。

■ＧＨＣヘビー級選手権試合

〈王者〉清宮海斗vs〈挑戦者〉拳王

両国ビッグマッチのメインを飾るのはやはり、ＧＨＣヘビー級選手権試合。23歳の若き王者・清宮海斗が「Ｎ－１ＶＩＣＴＯＲＹ2019」覇者・拳王を迎え撃つ6度目の防衛戦だ。清宮は昨年11月、「グローバル・リーグ戦」に初優勝、昨年12・16横浜文体で杉浦貴を破り、史上最年少のＧＨＣヘビー級王者となった。以来、新生ＮＯＡＨのスタートとなった3・10横浜文体での丸藤正道戦を含め、ここまで5度の防衛に成功。上昇気流に乗る団体の象徴となっている。そして迎える11・2両国ではＮ－１を制した拳王と対戦。最後のグローバル・リーグ戦覇者vs最初のＮ－１覇者という図式にもなっているのだ。また、この試合はＮ－１不参加となった清宮の真価を問う闘いでもある。新体制となりリーグ戦の名称も一新されたＮＯＡＨにおいて、シングル王者が参戦しない。清宮によるこの決断は賛否両論を生んだ。結果的にリーグ戦は清宮への挑戦権をめぐる闘いとなったわけだが、これを制したのが杉浦からの初勝利で優勝した拳王。清宮のパートナーでもあった拳王は親会社にも反抗する無骨な反骨集団「金剛」を結成、清宮への待遇まで批判しているのだ。他団体から戦場を求めてやってきた拳王に対し、清宮はＮＯＡＨ生え抜き。両者の初対戦は清宮がまだ19歳のときにおこなわれた16年2・11でのタッグマッチ（大原はじめ＆拳王組vs熊野準＆清宮組）で、清宮が拳王に敗れている。一騎打ちが組まれるようになったのは清宮が海外遠征を終え大変身を遂げてから。過去2回、ＧＨＣヘビー級王座戦で闘い、18年1・6後楽園が拳王で、19年1・6後楽園が清宮の勝利。ともに王者の防衛だった。それだけに3度目となる11・2両国は決着戦の意味合いも大きくなる。王者にはＮ－１不参加の正当性も証明しなければならない闘いだ。王座奪取も含め、過去5度の防衛は三沢さんが大事にしてきたタイガー・スープレックスで相手を仕留めてきた清宮。さらに新技ストレッチプラム式フェースロックもひっさげて拳王との決戦に臨む。拳王には拳王で、ここ一番で繰り出されるローリング・ダイビング・フットスタンプがある。緊張感溢れるバチバチの激闘は確実だ。なお、この試合からＧＨＣヘビーのベルトは新しいデザインに新調される。上昇ムードのＮＯＡＨをさらに引き上げる役割を託されるのは、若き象徴・清宮か、それとも反骨の拳王か。プロレス界全体が注目する11・2両国は、美学のある大一番の連続。絶対に見逃せない！

(新井 宏)