5つのルートで描く濃密BL恋愛模様　主演・永田聖一朗、脳内クラッシュ演劇『DRAMAtical Murder』開幕

BLゲームの金字塔「咎犬の血」を生み出したNitro＋CHiRALが、2012年にリリースしたBLゲーム「DRAMAtical Murder」。これまでの作風とは異なる作風で、ファンの間でも好評価を得ていた作品だ。その「ドラマダ」がなんと舞台化（「ドマステ」）。
男性同士の恋愛模様を描くBLゲームを舞台化、それを生身の俳優が演じるということ、そしてゲーム本編同様に5人の攻略対象キャラクターのエンディングルートが用意されているということとは。舞台化の情報が解禁されるたびに大きな話題を呼んでいる本作。気になる公演のゲネプロの様子をお届けする。

ジャンクショップで働く蒼葉（永田聖一朗）は蓮（山﨑晶吾）と共に、注文された商品を依頼主に届けに向かう途中で馴染みの人物らに会う。紅雀（小波津亜廉）、ミズキ（岩城直弥）、ウイルス（富永勇也）とトリップ（吉岡 佑）。そんな蒼葉に突如仕掛けられた「ライム」で身に起こった異変。ノイズ（富園力也）、クリア（山縣悠己）、そしてミンク（八巻貴紀）らと出会い、自身に秘められた力の存在に気付いていく。

まずは世界観を作る舞台セットについて触れると、斜めの大きな足場が設置されているため、前の席でも立体的に舞台を観ることが出来るだろう。手前の段差はステージの幅をさらに広く感じさせる。また舞台上にある前後上下のモニターは、映像が映し出されると、まるで電脳世界・精神世界にいるような、もしくは見ているかのような表現となる。

ゲネプロではノイズルートが公開された。驚いたのはキャラクターとの恋愛模様がとても濃密に、そしてキャラクターの心の動きが繊細に描かれているということだ。
全ルートにあると言われるキスシーンは観ている側も思わずドキドキしてしまう。突然のキス、心を通わせた後の甘さたっぷりのキス。そのキャラを深く理解することによって生まれる情や親近感、相手に寄り添いたいと思う気持ち。そして愛し合っていることを思わせるような熱烈なダンスシーン。ルートに入ることで、そのキャラクターとの密着度合や親愛度のようなものが上がっていくさまは、さながらゲームをプレイしているかのようにも思える。見えない選択肢が見えるのだ。

紅雀、ノイズ、ミンク、クリア、蓮の5種類のルートが用意されていると言うが、後半ルートに入ってからは対象キャラクターとのシーンが多いため、ルートごとに全く違う物語が展開されるのだろう。これは、全ルートをみたくなってしまう……。

公演は29日（日）まで、各キャラクターそれぞれ3～4回ずつのエンディングで全16公演を予定している。本公演はDVD化されないとのことなので、気になる方はぜひ劇場へ。
さらに指定された時間内で撮影が可能な「カーテンコール撮影会」など、ファンにはたまらないイベント企画も用意されている。詳しくは公式HPへ。
 

演出家・出演者　コメント

■演出：中屋敷法仁
独創的かつ刺激的な『DRAMAtical Murder』の世界が、生の舞台となって誕生します。
俳優たちの演技、映像とダンスを融合させたパフォーマンスにより、魂が揺さぶられるような濃密な人間ドラマを描き出しています。
前代未聞の「脳内クラッシュ演劇」。ぜひ劇場で、五感をフル稼働させて楽しんでいただきたいです。

■蒼葉 役： 永田聖一朗
いよいよドマステ開幕です。
18禁BLゲームの舞台化ということで、誰も見たことのない作品になっていると思います。
皆さまの脳内をクラッシュします！是非劇場で、生で体感していただけたら嬉しいです。
今回の見所の1つで5つのルートを回変わりで上演しますので、全5ルート観ていただきたいです！　お楽しみに！　あふん。

■紅雀 役：小波津亜廉
いよいよ、これまで稽古を積んできた脳内クラッシュ演劇『DRAMAtical Murder』が始まります。
最初はR指定がついたBL作品が原作と聞いて、どんな演劇になるのか不安もありましたが、とても面白く、良い意味でお客さまの脳内をクラッシュさせる作品になったと思います。
どうぞ、この作品の持つ世界観に、酔いしれてください。

■ノイズ 役：富園力也
朗読劇以外では初舞台、緊張とワクワクで脳内クラッシュしそうです。
5ルート全て違うストーリーで、蒼葉の立ち位置が変わったり、キャラクターの生きてきた世界、人生に纏わりついているモノが見えたり。
本当にアツいキャスト・スタッフで作られた作品なので5ルート全てご覧いただきたいです。

■ミンク 役：八巻貴紀
いよいよ、脳内クラッシュ演劇『DRAMAtical Murder』が開幕いたします！
全5ルートということで稽古段階からカンパニー一同、脳内クラッシュしながら全力で舞台を創り上げてきました！
皆さまに「脳内クラッシュとはどんなものなのか」を表現できる作品になっていると思いますので、よろしくお願いします！

■クリア 役：山縣悠己
クリアは、とても繊細で優しい心の持ち主で、時々行動が幼かったり、不器用な場面もみせたりと放ってけない存在。
僕は、今回がセリフのある演技をするのが初めてで緊張もありますが、クリアの成長と同時に僕自身の成長も重ねられるよう頑張りたいと思います！！

■蓮 役／セイ 役：山﨑晶吾
2役ともとても繊細なキャラクターで台本を読んだ時からやり甲斐を感じました。
5ルートどの物語もとても考えさせられる内容になっていますし、それぞれの人物のトラウマ、成長を見ていただきたいです。
皆さまに何か想いを持って帰っていただけるように、意味のある舞台にしたいと思っております。
記録ではなく皆さまの記憶に残せる舞台に！
かなりチャレンジした内容になっておりますので、最後まで応援よろしくお願いします。
 

(C)脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」製作委員会
(C)2012-2019 Nitroplus

取材・文・写真：松本裕美