"KERA×古田新太"新企画に新ユニット旗揚げも ケラリーノ・サンドロヴィッチ舞台作品、2020年のラインアップが発表
ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)
劇作家・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が手掛ける2020年舞台4公演のラインアップが発表された。うち、3本は新作公演で、いずれもKERA作・演出の書き下ろし作品だという。まずは、すでに発表されている『桜の園』(2020年4月4日(土)Bunkamuraシアターコクーンにて開幕)上演後、夏には“KERA×古田新太”企画、秋には新ユニットの旗揚げ、そして冬にはナイロン100℃第47回本公演の上演だ。
4月に上演される『桜の園』は、チェーホフの4大戯曲をKERAの上演台本・演出で全作上演する企画 KERA meets CHEKHOVの最終章となる作品。大竹しのぶ、宮沢りえ、井上芳雄、黒木華、杉咲花、生瀬勝久などの豪華キャスト陣の出演が話題となっている。本作品についてKERAは、「シス・カンパニーとのチェーホフシリーズもこれにて完結。ちょっとどうかと思うほどのオールスター・キャストが集結してくれてしまいましたが、チェーホフはあくまでチェーホフ。力まずにいきます。」と抱負を語る。
続く夏に控えるのは、KERA作・演出の新作、“KERA×古田新太”企画。古田新太が座長をつとめKERAが作・演出を担い、4,5年に1度のペースで上演、毎回は即完必至で、2016年の『ヒトラー、最後の20000年〜ほとんど、何もない〜』まで3作“ナンセンスの極致”と言える作品を上演してきた。このタッグが今回、“新企画”で下北沢本多劇場に帰ってくる。出演は、古田新太、小池栄子、秋山菜津子、大東駿介、大倉孝二、犬山イヌコ、山西惇、他、剛腕の俳優陣が顔を揃える。
KERA×古田企画 出演者
KERA曰く、「古田新太座長との「ナンセンス三部作」は2016年の『ヒトラー、最後の20000年〜ほとんど、何もない〜』を以て素敵に完結したわけですが、チームは無くなったわけではありません。新たな参加者も加わり、今度は強烈な「ブラックコメディ」を作るつもり。昨今のひっどい世の中には真っ黒な喜劇で一石、いや、七、八石投じたい。」とのこと。
更に秋には、「新ユニット」の旗揚げ公演を予定している。今までも「オリガト・プラスティコ」や「KERA・MAP」など、自らの表現形態に合わせユニット公演を行ってきたKERAだが、2020年に更なる新たなユニットを始動させる。KERAは「この期に及んで新ユニットを結成。すでに何公演分も構想あり。傑作の連打を約束します。まあ見てて。」と活発な活動を予告している。春には詳細が発表される予定だ。
そして冬にはナイロン100℃第47回本公演の上演。KERAは、「劇団2年半ぶりの新作は、意外な劇場で上演。松永玲子と村岡希美を軸に、シンプルに、そしてシリアス目にいくはず、たぶん。」と述べており、今や演劇界に欠かせないナイロンの実力派、松永・村岡の2人を中心に据えた演目になることを明言している。
ケラリーノ ・サンドロヴィッチ コメント
今年は舞台を四本やります。もはやこの歳になると、何を目指すとか、誰に負けないようにとか、まったくない。ただただ地道に、ひとつひとつの作品に打ち込み、やりたいことをやりたいようにやり通し、幕が開いた時にお客さんよりまずは自分が楽しめる舞台を作る。それも生半可じゃ駄目だ。心底楽しめる舞台を。そのためなら、たとえ執筆や稽古で相当苦しく辛い過程を経ても我慢できる。(いや、執筆はともかく、稽古は大抵楽しいのですが。)誤解されがちだが「やりたいことをやりたいようにやり通す」のは意外と大変なのだ。ほんの少し、やりたくないこともやる方がよっぽど楽だ。様々なことが円滑に進むし、将来的にもやり易くなる。だけど、多くのオトナたちが当たり前に目を瞑っているようにして目を瞑っている自分を想像するだけで死にたくなるのだ。あとから襲ってくる自己嫌悪が人一倍強い。これはもう病気かもしれない。なので今年も頑張って、意固地さをキープする所存であります。
※上記記事内、KERAコメントは全て、KERA舞台作品2020年4公演解禁チラシより引用&抜粋