矢部昌暉×株元英彰×佐野瑞樹クロストーク「笑いが絶えない作品です!」 もっと歴史シリーズスピンオフ『ポンコツ武将列伝』

2020.2.20
インタビュー
舞台

(左から)佐野瑞樹、矢部昌暉、株元英彰

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教科書には載らないような歴史上の人物や出来事をエンターテインメントとして表現する「もっと歴史を深く知りたくなるシリーズ」のスピンオフにして最新作となる舞台『ポンコツ武将列伝~隣の城のアイツ~』が2020年3月に上演されることが決定した。
振り返れば2014年に第1弾『マルガリータ~戦国の天使たち~』から始まったこのシリーズも7作の舞台を重ね、さらにはライブイベントも開催されるという人気企画となった。

今回のスピンオフは戦国時代に数々の破天荒なエピソードを残した戦国武将・伊達政宗を主人公とし、彼を取り巻く戦国武将たちと繰り広げるコメディ作品となる。
本作で主人公・伊達政宗(冨岡健翔/ジャニーズJr.)のいとこであり、重臣の伊達成実(だて しげざね)を演じるDISH//の矢部昌暉、政宗のライバルである蒲生氏郷(がもう うじさと)役の株元英彰、そして本作の演出を務める佐野瑞樹に話を伺った。

3人はこの取材日がほぼ初対面ということで、まさに戦国武将のように相手の出方を伺う!? という空気になるかと思いきや、フレンドリーに話が始まった。

■「歴タメシリーズに出たかった。念願叶いました!」(矢部)

ーー出演するお二人は歴タメシリーズとこれまでどのような関わり方をしていましたか? そして本作で自身が演じる役についてご存じでしたか?

矢部:僕は初めてです。でも歴史は好きな方なので、成実のことはざっくりではありますが、知っていました。

矢部昌暉

株元:僕は本編の舞台には出ていないんですが、コント中心のライブイベントの方に参加させていただいたので、なんとなくの空気感が分かっているつもりです。でも蒲生氏郷のことは全く知らなかったです。まず名前を何と読めばいいのか分からなかった(笑)。

佐野:ライブイベントから段々本編に近づいているんだね!

株元:そうなんです。普通逆じゃないかって思うんですが(笑)。

佐野:今回がスピンオフだから次あたりは本編に出演できるかもよ! 階段を上っている感じで(笑)。

ーー佐野さんは第5弾と第7弾の『桃山ビート・トライブ』に出演されていましたが、今回は演出に徹するのですか?

佐野:いや、ちょこっと出ますよ! 本当にちょこっとだけ。演出しながら出演するのはやっぱり大変ですからね。

ーー確かに! さて、スピンオフとはいえこれまでのお客さんがたくさんいる人気シリーズに出演、演出することについて。普通の芝居に出る時と何か気合いみたいなものに違いはあるのでしょうか?

株元:僕がイベントで参加する前に舞台は拝見していたんです。そして今回スピンオフの台本を読んでみたんですが、もう笑いが止まらなくて! どちらかというとコントライブの長編版みたいな印象を受けています。コントはオムニバスだったので絡みがないままの方もいたんですが、今回芝居という形になることでいろいろな方と絡めるのが楽しみです。

株元英彰

矢部:僕は初参加ですが、過去の作品を観ていて凄く面白かったし、いつか僕もあの舞台の上に立ちたいって思っていたので、「歴タメシリーズに出たい」って、事あるごとに周りの人に言っていたんです。今回やっとその願いが叶うこととなり、すごく嬉しいです。

佐野:『桃山』で参加した時、コメディなところもありながら、最近では珍しいくらいガチで武骨な感じの時代劇を作るチームだなと感じていました。パッと見た時から「この人たち、本気だな」って伝わり、出演したんです。和物としての時代考証や衣裳、カツラなどにも本気で力を入れていましたし。

で、今回のスピンオフですが、かなり崩して、コメディタッチで軽快な会話劇にと今までとは違うものにしています。そこに本編との差を上手く見せていけたら。でも根本的な真面目さはしっかり残していますので、楽しくお芝居をしながらもこの歴タメシリーズの骨太さは感じられると思います!
これから観る方が新しい空気も感じつつも歴タメシリーズを楽しむために何が出来るか、そのプレッシャーを今、かなり感じています(笑)。

ーー改めて本作の見どころを教えてください。

佐野:元々、れきしクンが書いた書籍があり、戦国武将たちのダメな部分をクローズアップしているんです。一応史実としてあった逸話なんですけどね。政宗にもダメなところがいっぱいあってという点にフォーカスしているんです。側室がいっぱいいて女好きだったとか、酒癖最悪だったりとか……。

ーー昔、NHK大河ドラマ『独眼竜政宗』を見ていた身としてはあの政宗がポンコツだなんてとても想像がつきません!

佐野:あれは僕もダントツに好きな大河ドラマなんですよ……って二人は知ってる?

矢部・株元:見たことないです……。

佐野:年代の差だねー。あのケン・ワタナベこと渡辺謙さんが政宗をやっていてめちゃくちゃかっこよかったんだから!(思わず前のめり)

(左から)佐野瑞樹、矢部昌暉、株元英彰

■「ど真面目な蒲生氏郷と政宗との違いも見どころ」(株元)

ーーそんな政宗と真逆の男、蒲生氏郷は側室ゼロで、家臣にも気配りをする人物ですし、成実も政宗を支え続けた人物。そんな二人にももしかしてポンコツなところはあるのでしょうか?

矢部:それが……台本に描かれている成実はボケしか言ってないくらいのキャラなんです。最近僕がやっている役って思い悩む役とか感情を内に秘めている役が多かったのでギャップが(笑)。

佐野:政宗も成実も『独眼竜政宗』の空気を漂わせてはいるんですが、ちょいちょいポンコツなんです。台本を読み進めていくと急にポンコツになったりする。成実の「やってやりやしょうよ!」的小物感がまた面白くて。そのギャップの面白さがいいんですよ。

株元:僕が演じる氏郷は政宗との対比的存在としてど真面目で、そんな氏郷に仕える家臣たちのカラーも違うので、政宗陣営と蒲生陣営の違いもおもしろく描かれているので見どころなんです。

佐野:氏郷には蒲生郷安(さとやす)って家臣がいるんですが、彼は優しすぎてポンコツだなって思う。何でそんなところまで気を使っちゃうの!? ってくらい優しすぎる人なんですよ。

株元:総じて笑いがいっぱいの作品ですね。

ーーそして、冨岡さんが演じる政宗がポンコツの中のポンコツ、そして今江大地(関西ジャニーズJr.)さんが演じる片倉小十郎は?

佐野:小十郎は政宗と成実の2ポンコツに対するツッコミ役です(笑)。政宗はボケとツッコミの両方をいく、ユーティリティープレイヤーで(笑)、成実はボケ一辺倒で、小十郎がツッコミというパワーバランスになっています。

(左から)佐野瑞樹、矢部昌暉、株元英彰

■突如始まるポンコツ選手権! 三人の中で一番のポンコツは誰だ!?

ーーここで、お互いを知るという狙いで、自分はここがポンコツだという点を主張してみませんか?

矢部:僕はめんどくさがり屋で。三日坊主だし、一日オフで今日はアレをしようと思っていてもつい寝てしまって一日が終わるとかよくあります。そして人見知りで友達もあまり多くないので、ほぼ一人でいることが多いんです。よくこの仕事を続けていけるなと思うくらい(笑)。何かを始めたり、人とコミュニケーションをとることは嫌いじゃないんですが。最初の一歩がなかなか踏み出せないんです。

株元:僕は基本的にはポンコツでいたくはないと思っているんですが、新幹線に乗っている時、車内で寝ていて起きたらがなくて、「飛行機なら一度乗ってしまえばが要らないので、新幹線も大丈夫でしょ」と思いこんでいたんですが、新幹線を降りる時にがないと絶対降りれないと初めて気づき、結局スタッフさんなど、いろいろな人の力を借りて何とか降りることができたんです。
あと、忘れ物もすごく多くて! キャリーケースとリュックを持って電車のドア横にキャリーケースを置いた状態でゲームしていたら降りる時にキャリーケースを持ってくるのを忘れて! 稽古着はリュックの方に入っていたので、駅に忘れ物の届けをした上で、そのまま地方に移動したこともあります。網棚とかも本当に危険ですね。最近はGPSで荷物の位置がスマホで分かるアイテムがあるので、それを使ってなんとかしのいでいます。

佐野:ほぼほぼ自分はポンコツなんですが、今それを治している真っ最中なんです。去年事務所を辞めてフリーになっていろいろやって来たんですが、その中で自分のポンコツぶりを自覚したんです。時間を上手く使えない、無駄にする、忙しいと心がすぐすさむなど(笑)。それが原因でケンカしたりすることもあり、これは良くないなと。その後1週間自分を見つめなおす時間を作り、2020年は全部それを改善しようと生活のルーティーンを作っています。朝起きたらこれとこれをやって、夜は腸内環境を整え良質な睡眠を確保する。最近は瞑想も始めました。座禅を組んで心を無にして。ゲームは今まったくやっていません! 月に一つ、新しいことを常に始めないと人間の脳は刺激されないそうなんですよ。そして腸内環境がいいとストレスも溜まりづらくなるそうですし。まだ1ヶ月しか経ってないんですが、このまま続けていきたいと思っています!

佐野瑞樹

矢部:まだ僕は佐野さんのレベルには達していないですね。ポンコツな自分を治したいなあと思うことはありますが、「よし、治そう!」というところまで行けてないです。まだポンコツでいることのほうが勝ってしまっていますね。

佐野:残りの人生が短いから(笑)。50歳近くなると待ったなしだよ(笑)!

株元:佐野さんの稽古中の過ごし方が気になりますね。食事はどうしているのとか。

佐野:僕は長い稽古は基本的にしない方なのでさくっと終わらせて後は自宅で自炊ですね。野菜とタンパク質多め、糖質控えめで。でも酒は飲んじゃうね~どうしても飲みたくなるのでそこをどう克服するかが鍵だね(笑)。

ーーちなみに冨岡さんと今江さんのポンコツなエピソードはご存じですか?

佐野:健翔はまだ分からないけど今江はポンコツの匂いがしますね。稽古や本番中は関西から東京に出てきて「自炊しています!」っていうんですが、写メを見せてもらったら大根と人参をお湯で煮て塩を入れただけのクソ不味そうな料理で(笑)。「美味しかったです」って言うんですよ。でも「今度、佐野さんの分も持ってきましょうか?」と言ったので全力で断りました(笑)。

矢部・株元:(大笑)

(左から)佐野瑞樹、矢部昌暉、株元英彰

取材・文=こむらさき 撮影=荒川 潤

公演情報

「もっと歴史を深く知りたくなるシリーズ」
スピンオフ舞台『ポンコツ武将列伝~隣の城のアイツ~』
 
日程:2020年3月11日(木)~3月15日(日)
会場:CBGK シブゲキ!! (東京・渋谷)

出演:冨岡健翔(ジャニーズJr.)/矢部昌暉(DISH//)、今江大地(関西ジャニーズJr.)、
石井智也/本間剛、田中稔彦、寿里、佐野瑞樹/株元英彰

原案:「ポンコツ武将列伝」(れきしクン/長谷川ヨシテル著・柏書房刊)
脚本:土井和人
演出:佐野瑞樹
企画:座間隆司

制作:株式会社テレビ朝日ミュージック
協力:柏書房株式会社
主催:「歴史をもっと深く知りたくなるシリーズ」製作委員会
株式会社テレビ朝日ミュージック/株式会社ローソンエンタテインメント
 
料金
全席指定席:7,500円(税込)
※当日券は500円増し。残席がある席種のみ販売予定
※未就学児のご入場はできません
 
『もっと歴史シリーズ』公式サイト:http://mottorekishi.com/
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