ミシェル・ミチナ、日本とフランスの二つのカルチャーを肌で感じながら育ったハイブリッド感
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ミシェル・ミチナ
フランスと日本。その両国で育ち、現在はフランスを拠点に音楽活動を行なっているシンガーソングライター&ピアニストのミシェル・ミチナが11月25日、1stアルバム『息吹 Le Souffle』の日本盤を発売。この作品ができたことで、いよいよ日本での音楽活動も本格的に始動させていこうとしている彼女が、今作リリースに合わせて11月19日から12月3日まで『ミシェル・ミチナ 弾き語りインストアライヴツアー2015』を日本各地で開催。ここでは、11月26日(木)、東京・Living Room Cafe by eplusで3ステージ行なわれたライブの、1ステージ目の模様をお届けしよう。
期待の新人、登場! これは鮮烈。新感覚だ。短いステージだったが、なによりも日本人とフランス人の両親を持ち、二つのカルチャーを肌で感じながら育ったミシェル・ミチナならではの魅力がいっぱいつまった新しいハイブリッド感。そのパフォーマンスにヒットの予感を感じざるをえなかった。
ミシェル・ミチナ
たくさんのオシャレな男女たちで華やぐ木曜日、夜のLiving Room Cafe by eplus。開演時間を迎えると、その真ん中に配置されたパティオのステージに足早にミシェル・ミチナが登場。彼女の手が、すぐに舞台中央にセットされた赤いエレピの鍵盤をとらえる。ライブはアルバムのオープニングナンバー「君の場所」で幕を開けた。
フランスではバンド編成で歌っているミシェルが、今回、日本のツアーのために初めてチャレンジしたパフォーマンス。それは、シーケンスで他の音を補いつつ、メインは自らキーボードを弾きながら歌うというパフォーマンスだった。流暢な日本語で歌っているにも関わらず、“シュ”という独特なコーラスワード、都会的でエキゾチックなメロディが、ライブ空間を日本ではないどこかへと塗り替えていく。ミシェルの「メルシー」というフランス語の挨拶が、心地よく耳に響く。彼女の音楽も、R&B、ジャズ、ソウルと聴き手を心地よくスィングさせるブラックミュージックがベースにある。それを、曲によって日本語とフランス語で節回しまで繊細に歌い分けていくミシェルの卓越したボーカリング。
3曲目に披露された「連れて行って」はフランス語での歌唱だった。フランス語だからといって、心地よくオシャレなだけではない。鍵盤がゆったりと流麗なフレーズを奏でるなか、最初はパリパリっとしたクロワッサンのような角張った質感のフレンチR&B味と思いきや、その中には湿っぽい陰影を含んだ日本的R&Bメロディがブレンドされていて、まさにフランスと日本。二つの食感を同時に味わっているような、なんとも贅沢な新食感に耳がゾクゾクした。この、ミシェルでしか味わえないハイブリッド感にしびれ、客席はよりいっそうステージに引き込まれていった。
「今回は1stアルバム発売ライブということで、一人で、弾き語りというのは初めてだったんですがやってみました。来年は、パリでやっているバンドメンバーも連れてきて一緒にできたらいいなと思ってます」と今後の展望を伝えた。
そんな彼女がアルバムについて、さらに日本とフランスというミシェルならではのハイブリッド感に迫ったインタビューも近日公開されるので、そちらのほうもぜひ楽しみに待っていてもらいたい。
文=東條祥恵
ミシェル・ミチナ
MICHELLE MICHINA(ミシェル・ミチナ)1stアルバム
ミシェル・ミチナ 1stアルバム『息吹 Le Souffle』(日本盤)
『息吹 Le Souffle』(日本盤)
2015年11月25日発売
DDCZ-2058 ¥2,500+税
<収録曲>
01. 君の場所
02. ミスター フィッシュ
03. もうひとりの自分
04. 連れて行って
05. 盗まれたキス
06. 祈り
07. シスタ
08 .とり憑かれた心
09. 操
10. 私
11. 君の息吹
12. モナムール
13. Mr.Fish - Live in Paris -
14. Inori Remix
『LE SOUFFLE(ル・スーフル)』 (輸入盤)
2015年8月2日発売
JUR-3 ¥2,200+税