シアター風姿花伝、公演のオンライン配信をスタート 第一弾はDULL-COLORED POPの新作を生配信
シアター風姿花伝が、2020年7月にオンライン配信設備を導入し、より安全な観劇空間の創造と演劇文化の発信を積極的に行い、「オンラインとオフラインの最適な調和を目指した演劇空間」として新たな歩みをスタートさせることを発表した。
シアター風姿花伝
新型コロナウィルスの流行により、社会全体が大きな変化を必要とされており、なかでも「人が集うこと」=「劇場に観客を招き作品を上演すること」に関しては、大きな制約が必要となる。現在、これまでの形式にとらわれない、新たな上演形式を模索することが、劇団、興行主、そして劇場に求められている。
シアター風姿花伝
そこでシアター風姿花伝では、
■より安全な観劇空間の創造
■客席減少に伴う利用団体の収入減をサポート
■新たな観客層の開拓と積極的な演劇文化の発信
■次世代の上演形式への挑戦とその支援
を目指し、舞台映像の収録やオンライン生配信が可能となる設備を導入する運びとした。
良質な作品の発信や若手団体の育成など、これまで劇場として力を入れてきた取り組みを継続しつつ、これからの時代に沿った新しい取り組みも進めていく、とのこと。
DULL-COLORED POP『アンチフィクション』
また、オンライン配信の第1作として、作・演出・出演を谷賢一が務める『アンチフィクション』の上演が決定している。谷は、シアター風姿花伝のプロミシングカンパニーにも選出されたDULL-COLORED POPの主宰を務め、第64回岸田國士戯曲賞と第23回鶴屋南北戯曲賞を同時受賞した演劇人だ。
本作品は谷による完全一人芝居となり、「ここで起こることはすべて本当です」と標榜する“アンチフィクション”演劇が、コロナ禍の中、演劇をどう生きるか、劇場をどう生きるか、数々の実験的手法を試みつつ上演に挑む。公演日程は2020年7月16日(木)~26日(日)、ライブ配信は7月16日(木)19:30、7月26日(日)13:00に行われる。
シアター風姿花伝とは
シアター風姿花伝
女優の那須佐代子が支配人を務める、東京・目白にある小劇場。
単なる貸館事業にとどまらず、演出に小川絵梨子や上村聡史を招き上質な芝居を創ることを第一義とした劇場主催公演・風姿花伝プロデュース。また、各方面で活躍する講師を招聘しての俳優ワークショップ、ドラマ性・物語性に重きを置いた良質な作品を創作している若手劇団を選出し1年間劇場で後援する「プロミシングカンパニー」制度などを実施し、より良質な作品の発信に努めている。加えて、ロングラン公演への優遇制度や学生劇団・旗揚げ間もない劇団へのサポート制度など、次世代の舞台芸術を担う実演団体の育成にも力を入れている。
シアター風姿花伝の取り組み
・オンライン配信環境の常設
→団体が使用できる配信機材を劇場に常設。劇場スタッフがサポートします。
また、オンライン観劇サービス「観劇三昧」業務提携のもと、オンライン配信の決済システムや、プロの撮影スタッフの斡旋など、利用団体の希望や予算に沿ったプランを複数整備し、新たな上演形式への挑戦を積極的にサポートします。
配信プラン A(仮称) 観劇三昧舞台撮影所より撮影・配信スタッフ派遣/オンライン決済/購入者限定視聴環境の提供
配信プラン B(仮称)劇場スタッフによる配信補助/オンライン決済/購入者限定視聴環境の提供
・サロンの開設
→劇場が主体となり、演劇の本質を体感してもらうイベントを企画しております。
・劇場併設コーヒースタンドの開設
→風姿花伝プロデュースでも好評のコーヒースタンドを、年間を通して併設し、芸術と日常が調和する、誰もが気軽に演劇と関われる場所を提供していく予定です。
公演(配信情報)
『アンチフィクション』
会場:シアター風姿花伝
ライブ配信日程:7月16日(木)19:30 / 7月26日(日)13:00
一般発売:6月13日