京都の若手劇団・「睡眠時間」と「來來尸來」がカフカの『変身』を共創して上演
睡眠時間×來來尸來 共創企画『変身』チラシ画像表
2020年8月30日(日)京都・三条のライト商會にて、睡眠時間×來來尸來 共創企画『変身』を上演することが発表された。
本公演は、京都で主に活動する若手劇団、小原藍率いる「睡眠時間」と出町平次率いる「來來尸來」が共同で舞台を制作するというもの。
「睡眠時間」は2018年に小原による単独ユニットとして始動し、『ままならないから』(2018)、『私が悲しいのは、あなたがわからないから』(2018)などを上演し、「不器用でうまくいかない人を愛してゆきたい」というコンセプトを掲げ、独自のマイノリティーの主張をポップに表出してきた。また、「京都学生演劇祭2019」で「京都学生演劇祭賞」「観客賞」「審査員賞」の3冠を受賞するなど、活躍している。
一方、2018年に結成され、異国への逃避行をモチーフに身近な町を想起させる作風に挑んできた「來來尸來」。出町を中心に『ログ』(2019)、『スパイア』(2019)などを発表し、独自の活動を続けている。
睡眠時間×來來尸來 共創企画『変身』チラシ画像裏
そんな「睡眠時間」と「來來尸來」が、本公演でチェコ出身のドイツ語作家、フランツ・カフカの代表作「変身」を原作とした舞台に挑む。長年に渡り、多くの解釈が議論されてきたカフカの「変身」を、本公演では両団体による新たな解釈を立体化すべく、手を取り合っていく。出町(「來來尸來」)が構成を、小原(「睡眠時間」)が演出を担当する。
「グレゴール・ザムザがなにか不可思議な夢から覚めると、寝床の中の自分が一匹の__に変わってしまっているのに気がついた」
__に変わった青年外商員グレゴール。
起き上がる事すら出来ない身体。
時計は何度も鐘を打っている。
細長くて頼りない脚なのに、みんなは大騒ぎしている。
妹は心配してくれる。
心配してはくれるんだけど、どこか的外れだ。
母と父は嘆き悲しんで、生活を続けるために次の一手を打とうとしている。
グレゴールは変わってしまった身体を持て余して、どうにも途方に暮れている。
……意外と気に病んではいないようだが。
小原藍「睡眠時間」
小原藍
最初に、展望について口にしたのは誰だったのでしょうか。口約束ような会話が、気づけばしっかりと実現に向けて漕ぎ出している事を、大変嬉しく思います。似ているようで、全く違った二団体。彩りよく、かつ明瞭に、この『変身』をお渡しする為に、さらに心強い仲間も引き入れて、私も、稽古場での日々を過ごしていこうと思います。
出町平次「來來尸來」
出町平次
どこにいるのかを考えてる内に、いつの間にか目的地に辿り着いていることが多々あります。
知らない間に目的地に着くことはできても、目的地に居続けることは難しいなと感じます。2団体で共創すること。なんとなくでもおそらく作れますが、目的地に気づいて辿り着く為に話をしたいと思います。
公演情報
開演:14:00~/17:00~(各回30分前開場)
場所:ライト商會 2階ギャラリー(京都府京都市中京区桜之町新京極通三条下る406-30)
アクセス:阪急電車「京都河原町」駅、京阪電車「三条」駅、地下鉄東西線「京都市役所前」駅より徒歩10分
脚本:出町平次(來來尸來)
演出:小原藍(睡眠時間)
出演
杉田一起
イトヲ
悪玉
しき(來來尸來)
菅原陽樹
舞台監督:蒼樹知之(劇団抜きにくい釘/くろずこんび)
舞台美術:いのまちあーみ(來來尸來)
音響:出町平次(來來尸來)
照明:岩本拓也(劇団つちの娘)
制作:尾松美早都(睡眠時間)
宣伝美術:いのまちあーみ(來來尸來)
企画・プロデュース:しき(來來尸來)
製作:睡眠時間 來來尸來
※会場の状況により、当日券にてご提供する座席の数は変動いたします。
〈ケーニヒ/キング/王〉
最も大きいソファをお使いください。1席限定。
■D 2,800円
〈ダーメ/クイーン/女王〉
いい感じのソファでゆったり観られます。こちらも1席限定。
■L 2,500円
〈ロイファー/ビショップ/僧〉
最前列。床座ですがクッションをお使いいただけます。ご予約は10席まで。
■S 2,000円
〈シュプリンガー/ナイト/騎士〉
背もたれ付きの椅子です。いわゆるチェア。馬のシルエットをイメージしたといえば嘘になります。ご予約は8席まで。
■T 1,800円
〈トゥルム/ルーク/城〉
背もたれなしの椅子です。いわゆるスツール。ルークの駒にそっくりです。ご予約は5席まで。
■B 1,500円
〈バウアー/ポーン/歩兵〉
最後列。立ち見です。横長の舞台全体を見渡しやすくなっております。ご予約は10人まで。