風刺の効いたファンタジー、舞台『願いがかなうぐつぐつカクテル』 翻訳家&演出家のコメントが到着
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『願いがかなうぐつぐつカクテル』
2020年7月9日(木)~7月26日(日)新国立劇場 小劇場にて上演される舞台『願いがかなうぐつぐつカクテル』。本公演の翻訳家と演出家よりコメントが到着した。
本作の原作は、『モモ』や『はてしない物語』などを執筆したミヒャエル・エンデ。世界でもっとも有名な児童文学作家のひとりだ。本作は童話『魔法のカクテル』をエンデ自らが戯曲化した人気作品で、こどもも大人も楽しめる ピリリと風刺の効いたファンタジー。北村有起哉、松尾諭、森下能幸、林田航平、あめくみちこ、花王おさむらが出演。そして翻訳は高橋文子、演出は小山ゆうなが行い、日本初演で上演する。
『願いがかなうぐつぐつカクテル』出演者
翻訳・高橋文子 コメント
ドイツの作家ミヒャエル・エンデ(1929–1995)は、『モモ』や『はてしない物語』といった世界的なベストセラーでよく知られています。1989年に書かれた小説『魔法のカクテル』(川西芙沙訳、岩波文庫)は、エンデが完成させた最後の長編で、翌年にはその演劇版が初演されました。
物語は大晦日、ドイツでは「聖シルヴェスターの日」の夕方から年越しの鐘が鳴る真夜中までの出来事です。自然を破壊しようとする魔法使いと魔女に、カラスと猫の凸凹コンビが立ち向かいます。物語が書かれた1989年は、温室効果ガスによる環境破壊を防ごうと、世界が動き始めた時代でした。オゾンホールやフロンガスといった言葉が、人びとの意識を地球全体の環境に向き合うことへとうながし始めていました。もうその頃から、私たちは自然と私たちとを救う崖っぷちの「大晦日」にはいっていたということかもしれません。動物たちの奮闘と友情によって、物語の世界は変わっていきます。魔法の力はない私たちですが、世界を動かす願いの力の方向は変えられるかもしれない。「全てのカクテルのなかのカクテルよ、我がのぞみを叶えたまえ!」
演出・小山ゆうな コメント
ミヒャエル・エンデが作品を通して投げかけた人間による環境破壊、大人達による子供達の自由の搾取等は残念ながら今も現代的なテーマで、日本の現状とも符合します。
芸術監督の小川絵梨子さんが最初に作品案の中で出されたのがミヒャエル・エンデの名前でした。子供時代に小川さんご自身が読まれてただ楽しいだけではないちょっと怖さも残る印象的な作家として大切に思われていらっしゃいました。
『願いがかなうぐつぐつカクテル』には、「虐げられた人々」しか出てきません。
悪い魔法使いにも大臣である上司がいて仕事を成さなければ存在を消される恐怖の元におかれています。猫もカラスも華やかさとは縁遠い存在です。
又、子供もめいっぱい楽しめる作品でありながら結末も残酷なまでにリアルという稀有な作品です。子供時代の観劇は人生の中で何回も思い出す宝物となるものだと思いますので、上質な深い作品をお届けできるよう最大限の工夫を重ねたいと思っております。
万能で素敵なキャストの皆様と作品づくりができるので魔法的な楽しい時間をお客様と共有できると信じております。
本公演は、新型コロナウイルスの影響を受け、公演を延期・中止していた新国立劇場が、再開後初めての作品となる。なお、新型コロナウイルス感染予防、拡散防止対策をとって上演する。そのため、座席は適切な間隔を保つため、前後左右をあけた席配置(全指定席)となる。
公演情報
日程:2020年7月9日(木)~7月26日(日)
会場:新国立劇場 小劇場
※7/4(土)14時、5(日)14時プレビュー公演、18(土)18時, 23(木・祝)18時, 25(土)18時公演は中止となります。また、24(金・祝)13時公演が追加となります。
原作・上演台本:ミヒャエル・エンデ
翻訳:高橋文子
演出:小山ゆうな
出演者:北村有起哉、松尾諭、森下能幸、林田航平、あめくみちこ、花王おさむ
料金(税込):A席5,500円(こども2,750円) B席3,300円(こども1,650円)
一般発売日:6月27日(土) 10:00~
・適切な間隔を保つため、前後左右をあけた席配置(全指定席)といたします。
・お連れ様同士(ご家族、お子様連れ含む)でも間隔をあけて着席いただきます。
・すでに
公式サイト:https://www.nntt.jac.go.jp/play/