A.B.C-Z橋本良亮が新納慎也と織りなす音楽朗読劇『日本文学の旅』まもなく開幕　「橋本がトップバッターでよかったとジャニーさんに言われたい」

A.B.C-Zの橋本良亮と俳優・新納慎也が二人だけで演じる音楽朗読劇『日本文学の旅』が2020年7月9日（木）より東京・よみうり大手町ホールにて開幕する。初日前日、同劇場にて囲み会見とゲネプロ（通し稽古）が公開された。

本作は架空の図書館を舞台に、司書役の橋本と新納が演じる読書家が、生演奏の音楽と共に「古事記」「日本書紀」「源氏物語」などの名場面を朗読しながら日本文学の歴史の旅に観客を導いていく物語。

会見には橋本と新納、そして本作の脚本と演出を務めた鈴木勝秀が登壇した。

コロナ禍で中止＆延期になっていた昨今の演劇界だが、ジャニーズ事務所所属のタレントの中で初めて舞台に立つことになった橋本は「プレッシャーはもちろんありますし、1ヶ月前に『事務所タレントとしては（自粛後）初なんだよ』と聴いて、その時はA.B.C-Zのセンターとして頑張ろうと思っていたんですが、ここ最近は事務所のトップバッターとして皆を笑顔にしたいという気持ちが沸いてきました」と胸を張る。しかし、稽古の仕上がりについては「まだ（完璧には）出来てないです（笑）」と苦笑い。

その話を聴いていた鈴木は、「稽古自体は通常通りやりました。でも今回は古典を読むので、初見ではまず読めないので、それを読めるようになるまでに時間がかかったので（橋本は）そういう意味でまだ出来ていないと言っているのでは。最初は読めなかったのですが、3日後には読めていましたよ」とフォロー。

橋本は脚本の難易度について「どこで言葉が切れているかが分からないくらい読めなかった。漢字も読めないし。でも稽古初日に新納さんが『（脚本を読むのに）1週間かかった！』と言っていたので、僕より上がいた、と思いました」と笑っていた。
これに新納が「脚本をまず読んで『これはダメだ』と一度閉じて寝かせてみた。集中力ナシになって！」と返し、こちらも苦笑いを浮かべていた。

新納は「自粛期間になり、出演予定の舞台が中止になり、ひたすら家にいましたが、早い段階で舞台に復帰させていただいて、本当に嬉しいし、舞台に立たせていただけるありがたみを感じています。（座席が）一つ飛ばしであってもお客さんがいるってことはこんなにも素敵なことなんだな。今、配信などの上演の形もありますが、この作品は、劇場でこそ感じていただきたい作品です」と喜びと共に作品の魅力を語った。

稽古場の様子を伺うと、「ご存じのようにソーシャル・ディスタンスを保っているのですが、稽古場での弊害もあって。あまり相手に近寄れないので、凄く仲良くなりたいのに」と新納が口を開く。すると「ハイタッチしたいよねー」と橋本が返す。「ハイタッチもハグもしたいし、キャッキャしたいのですがそれもできない」と新納がさらに続けると「じゃ、夢の中で」と橋本がニコッと微笑む。「でもこうやって舞台が始まるとか、何かが動き出したときに『やるぞ！』という結束力が高まりましたね！」と新納が締めていた。

朗読劇を演じるということでの難しさを問われた橋本は「僕は滑舌が悪いので……。通常の舞台なら動きでちょっとごまかしたりもできるんですが、朗読劇はそうはいかない。千秋楽までに何とかします」と答えると新納たちから「明日から！」とツッコミが入り、「明日から頑張ります」と言い直していた。
一方、新納にも同じ質問が飛んだが「この物語は言っていることが分からなくてもいい、日本語の美しさを音楽として聴けばいい、と（鈴木に）に言われた」と答えると、鈴木は「よく知られている日本の有名な作品の言葉なので脚本を読んでいるより、聴いているほうがものすごくよく分かると思う」とあまり構えずに楽しんでほしいとコメントしていた。

なお、本作の初日となる7月9日（木）は、ジャニーズ事務所創業者のジャニー喜多川氏の1周忌。このことに触れた橋本は「劇場の後ろの方で絶対に観てくれていると思います。自分の中でジャニーさんと会話しながら初日を迎えたいと思います。でも僕が事務所のトップバッターとして舞台に出ることについては『なんでSHOCKやDREAM BOYSじゃないんだよ！』って言われそうなので、『橋本でよかった！』と言われるように明日の初日を迎えたいと思います」と笑顔で偲んでいた。

ゲネプロでは、図書館司書と読書家という二人が古事記から近代の文学に至るまで、時には読み手に、時にはその物語の登場人物になりながら読み語り、そして大嶋吾郎と鈴木佐江子が奏でる生演奏と共に文学を“聴かせる”不思議な空間を描いていた。橋本はひたむきに朗読を続け、新納は表情豊かに様々なキャラクターになりつつ、物語に彩りを与えていた。

取材・文・撮影＝こむらさき