Tourbillon 新たなフェイズに突入した3人が起こすサプライズとは?

2015.12.9
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Tourbillon

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結成10周年となる2015年6月27日に、オフィシャルHPで『10th Anniversary Live 2015』を東京国際フォーラム・ホールAで開催することを発表し、長らく活動再開を待っていたファンを喜ばせたTourbillon。というのも2008年に発表したシングルを最後にTourbillonとしての活動はストップ、事実上の解散状態となっていたからだ。

Tourbillon /2015年11月27日 東京国際フォーラム・ホールA

Tourbillonは、RYUICHI(河村隆一/Vo:LUNA SEA)、INORAN(Gt:LUNA SEA)、H.Hayama(葉山拓亮/Key)が2005年に結成した音楽プロジェクト。結成のひきがねとなったのは、今年6月に開催された『LUNATIC FEST. 』でも共演していたお馴染みの先輩バンド・AIONの20周年記念ライブ(2003年)にゲストとしてRYUICHIとINORANが参加し(H.Hayamaはサポートとして出演)、久々にステージで共演を果たし“一緒に何かやったら面白いことができるかも”と意気投合したことだった。

2000年に“終幕”を発表して以降、各自がソロ活動に没頭していた時期に、RYUICHIとINORANが共に動き出すというニュースはSLAVE(=LUNA SEAファン)を驚かせた。同時に、Tourbillonの始動も衝撃的なものだった。

通常ならまず、シングルなりアルバムを発表するところだが、彼らの場合は着うた・着メロで「HEAVEN」など5曲を先行配信したのみで、いきなり日本武道館でワンマンライブを開催することから活動をスタートさせた。2005年7月に行なわれたライブのは即日ソールドアウト。初めて聴く新曲、3人が奏でる音楽に真剣に耳を傾けるオーディエンスが印象的だった。

同年、ほどなくしてリリースされた1stアルバム『HEAVEN』には、日本武道館で披露された楽曲が数多く収録され、河村隆一のソロともINORANのソロとも趣を異にする、洗練された大人のファンタジーともいえるものだった。それは、H.Hayamaというクラシックをルーツに持つキーボーディストの資質もあいまって生まれた、新たな音楽の結晶であった。

全員がコンポーザーでもあるTourbillonの楽曲は、代表曲のひとつ「アゲハ」に象徴されるように、ときに絵画のように美しくアーティスティックで、翌年2006年にリリースされた2ndアルバム『A Tide of New Era』はバンド名の由来とリンクする“時間の流れ”をコンセプトにした深みと実験的要素を兼ね備えた作品となった。シンプルな“歌モノ”ではなく、楽器のアンサンブルも物語を紡いでいくように、ときに繊細にときにエッジーにドラマティックに絡みあっていく様が、Tourbillonのひとつの醍醐味といっていいだろう。

Tourbillon /2015年11月27日 東京国際フォーラム・ホールA

以前INORANは、ソロやバンドという枠を自ら作って自分の音楽を狭めてしまうのはつまらない、という意味あいのことを語っていたが、ジャンルという枠も超えて、各自のクリエイティビティを研ぎ澄ませていくTourbillonの在り方は当時、異彩を放っていた。

そして時が満ちたことを告げるように、約7年の沈黙を破ってTourbillonは再始動。11月25日には、結成10周年を記念して新曲3曲を収録したベストアルバム『TheDacade-10th  Anniversary Best』をリリース。現在は東名阪Zeppツアーの真っ最中である。

11月27日に国際フォーラムAにて開催された再始動後初となるライブは、いきなり新曲「悪夢のスパイラル」で幕を開け、最新のTourbillonから始めるという、いかにも彼ららしいセットリスト。RYUICHI、INORAN、H.Hayamaをサポートするバックメンバーもギタリスト、土屋昌巳をはじめ、TOKIE(Ba)、 沼澤 尚(Dr)、yukarie(Sax & Chorus )とツワモノ揃いだ。

Tourbillon /2015年11月27日 東京国際フォーラム・ホールA

この復活をアニバーサリーイヤーの期間限定的なものだと思っていた人も多かったかもしれないが、リーダー?のH.HayamaにRYUICHIが「年末までに、あと10曲ぐらい書いてもらっていい?」と無茶ぶり(?)をして笑わせたり、「LUNA SEAでもなく、ソロでもなくて、Tourbillonでしかできない音楽をさらに深めていきたい」と語るなど、いい意味で予想を裏切るステージが展開されたこともファンの期待を加速させた。

LUNA SEAとソロ活動を並行させて行なうことだけでも多忙なはずだが、Tourbillonとしても本格復活するという今回のニュースは、彼らの創作に対する好奇心、エネルギーがキャリアを重ねても尽きることがないどころか、ますます貪欲になっていることの証明でもあり、Tourbillonでしか表現できない音楽を見据えているゆえだろう。

新たなフェイズに突入したTourbillonは、復活後初のツアーを12月27日のZepp Tokyoで締めくくる。国際フォーラム・ホールAのライブでRYUICHIは「新曲ができたらファイナルでやろうかな」とジョーク混じりに発言していたが、サプライズ好きな3人だけあって、当日どんなことが起こるかは神のみぞ知る、である。

文=山本弘子

Tourbillon /2015年11月27日 東京国際フォーラム・ホールA

ライブ情報

Tourbillon 『10th Anniversary Live Tour 2015』

2015年12月19日(土)Zepp Namba
 開場17:00/開演18:00
料金:全席指定 ¥8,000-(税込)
※別途ドリンク代必要
※当日券は¥8,500-(税込)
※未就学児童のご入場はできません。

2015年12月27日(日)Zepp Tokyo
開場17:00/開演18:00
料金:1Fスタンディングのみ ¥8,000-(税込)
※別途ドリンク代必要
※当日券は¥8,500-(税込)
※未就学児童のご入場はできません。