劇団俳優座、サム・シェパード『心の嘘』を上演 演出は眞鍋卓嗣
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劇団俳優座公演№ 342『心の嘘』
2020年9月4日(金)~9月20日(日)劇団俳優座5F稽古場(六本木)にて、劇団俳優座公演№ 342『心の嘘』が上演される。
映画『ライトスタッフ』('83)でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、俳優としてもよく知られるサム・シェパード。劇作家として数々の作品を発表し、1979 年に書かれた『埋められた子供』ではピューリッツァー賞を受賞。アメリカで最も重要な劇作家の一人であり、彼の作品は世界中で上演され続けている。
今回劇団俳優座が上演する『心の嘘』は、サム・シェパードの最高作の1つで、 彼の自己発見の探求により、父権社会に対する新しい境地を見出した傑作。3幕で語られるアメリカ西部を舞台にしたこの劇は、結婚によってつながり、妻ベスへの暴力によって隔てられた2つの家族の間を行き来し、激しい愛の情念のもと、歪んだ認識による不穏な衝突を引き起こす。1985年に行われた初演では、ドラマデスク賞、ニューヨーク・ドラマ・クリティクス・サークル賞(ベストプレイ)、アウター・クリティクス・サークル賞(ベストオフブロードウェイプレイ)を受賞した。
演出は劇団俳優座の眞鍋卓嗣。2019年11月『インコグニート』 (俳優座 No.339) ではシャープな演出で存在感を示し、1月『雉はじめて鳴く』(俳優座 No.340) では、iaku・横山拓也とのタッグで圧倒的な支持を集めた。こんにゃく座『遠野物語』、彩の国さいたま芸術劇場『朝のライラック』など、外部の演出でも高い評価を得ている。
本作は「両義性」がテーマ。現代社会における極端な意見の衝突は、自らの「両義性」への無自覚が原因と考え、偏った考えに固執せず物事を客観視する感覚を養うことで、他者との対話を生み出し、社会における精神や生活が豊かになることを目指す。
公演情報
作:サム・シェパード
訳:田中壮太郎
演出:眞鍋卓嗣
出演:
松本潤子、加藤佳男、斎藤深雪、安藤みどり、志村史人、千賀功嗣、野々山貴之、飯見沙織
公演期間:
2020年9月4日(金)〜20日(日)全19ステージ
公演会場:劇団俳優座5F 稽古場(六本木)
※劇団俳優座、各種プレイガイドほかにて取り扱い中
アメリカ西部。
ある夜、フランキーは兄のジェイクから妻のベスを殺したと電話を受ける。
妄想にとらわれた嫉妬により、ベスが浮気していると思い込み、激しい怒りで強く殴りつけたという。
フランキーはベスの生死を確かめるべきだと主張するが、ジェイクは彼女の死を疑わず、聞く耳を持たない。
実際、ベスは家族のもとで脳損傷の治療を受けていた。
しかしベスは、自分の怪我はジェイクではなく家族によるものだと信じ込んでいた。
家庭内暴力が引き起こした事件をきっかけに、歪んだ認識の中で揺れ動く二つの家族の物語。