芦田愛菜が「信じる」ことについて自説を語る 6年ぶりの主演映画『星の子』完成報告イベントに永瀬正敏、原田知世らと登壇
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芦田愛菜
9月3日(木)、東京・恵比寿ガーデンプレイス ザ・ガーデンルームにて、映画『星の子』の完成報告イベントが行われ、主演の芦田愛菜のほか、永瀬正敏、原田知世、メガホンをとった⼤森⽴嗣監督が登壇した。
『星の子』は、女優の芦田愛菜が『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』以来6年ぶりに主演する長編映画。芥川賞作家・今村夏子氏による同名小説を映像化したもので、『日日是好日』などで知られる大森立嗣監督がメガホンをとっている。劇中では、芦田演じる中学三年生の少女・ちひろが“あやしい宗教”を深く信じる両親のもと、過酷な運命に翻弄される姿を描く。
イベントでは、芦田が脚本を読んだ際の印象について、「“信じる”というのがひとつのテーマになっているのかなと思いました」とコメント。自身の同世代のちひろを演じたことには、「一人でいる時は悩んだり、悲しんだり、決意を感じさせたり、かと思えば、友だち過ごしているときは純粋に楽しんでいたり、そんな多面的な部分を表現できたらいいなと思っていました。また、“信じる”という⾔葉は、身近に使っている⾔葉ですが、ちゃんとわかってないなあと。自分の答えを、ちひろと一緒に探していこうと思いました」と語った。また、髪をバッサリと切ったことについては、「髪が⻑い自分が、ちひろを演じているのがしっくり来なかったので、⼤森監督に相談させていただきました」と理由を明かした。
芥川賞作家・今村夏子氏の原作を映像化したことについて、⼤森監督は「ちひろの感情を固定化しないことを⼤切にしました。心の揺らめきを芦田さんが自由に演じられる環境を作りたかった。芦田さんにがんばってもらうしかないのですが、さすがでした」と振り返る。さらに「両親との会話で⽣まれてくるものを⼤事にしてくださいと伝えていたんですが、楽しんでくれていたみたいでした」と明かした。
劇中では、芦田、永瀬、原田が親子を演じている。永瀬は「原田さんは久しぶりですが、全く変わっていなくて、現場でずっと『変わっていないですね』と⾔っていました」、原田は「愛菜ちゃんは、小さいときから活躍している姿を⾒ていて、親しみを持ってご一緒しました。16歳になって、すてきな⼥の子になりましたけど、⾒ていると幼いころ面影が⾒えてきて、愛しくなりました」とそれぞれに共演した感想を語った。
また、芦田は“信じる”というテーマに言及。「よく、その人のことを信じようと思いますという⾔葉を使うことがありますが、それってどういう意味なんだろうってと考えました。それは、その人自身を信じているのではなくて、自分が理想とするその人の人物像みたいなものに期待してしまっていることなのかなと感じて。だから人は、裏切られたとか、期待していたのにと感じてしまう。でもその人が裏切ったわけではなく、その人の⾒えなかった部分が⾒えただけであって、その⾒えなかった部分が⾒えたときに、あっ、それもその人なんだと受け止められる揺るがない自分がいるか、信じられるかということなのかなと思ったんです。けれど、揺るがない自分の軸を持つのってすごく難しく不安になったりします。だからこそ、人は『信じる』と口に出して、成功した自分とか理想の人物像にすがりたいんじゃないかと思いました」と自身の考えを語った。これに永瀬は、「しっかりしてるでしょ。これ以上の答えはないですよ」とコメント。そして、「僕は信じているのは一貫して映画です。映画に裏切られたことないので映画を信じています」と明かした。
続いて、作中に登場する“流れ星”にちなみ、「今、流れ星にお願いしたいこと」を星形のフリップに回答。芦田は「猫と話したい」と書き、「最近、猫を飼い始めました。私のことをどう思っているか聞いてみたいです。困ってることない?楽しく⽣活できてる?ご飯は何がいい?と、1日だけでもいいから猫と話したいです」と説明。永瀬は「和」、原田は「自由に旅ができる日がやってきますように」、⼤森監督は「コロナのない日常」と、思い思いの願いを明かしていた。
最後に、芦田は「この映画を通して信じるってなんだろうと深く考えたんですけど、それは人それぞれで違いますし、答えがあるものではないと思います。でも、映画を観てくださったみなさんにとって“信じる”ってなんなんだろう、自分が信じたいと思える人って誰なんだろう、そんなことを考えるきっかけになってもらえたら嬉しいなと思います」と締めくくった。
『星の子』は10月9日(⾦)全国公開。