柚希礼音、宝塚退団後初のソロコン大阪と東京で開催!

インタビュー
舞台
2015.12.16
「REON JACK」の会見にのぞむ柚希礼音

「REON JACK」の会見にのぞむ柚希礼音


宝塚時代のナンバーに新曲、トーク&日替わりコーナーも!

“トップオブトップ”として宝塚歌劇団100周年を支え、伝説的な人気を誇った元星組トップスター柚希礼音。退団後は単身渡米しブロードウェイのスターらと稽古を重ね、ハロルド・プリンス演出による世界初演ミュージカル『プリンス・オブ・ブロードウェイ』を東京と大阪で上演し好評を博した。そんな彼女が2016年春、大阪と東京で退団後初のソロコンサート『REON JACK(構成・演出/稲葉太地<宝塚歌劇団>)を開催する。大阪で開かれた取材会の模様をリライトしてお届けする。

―――まずは『プリンス・オブ・ブロードウェイ』が無事に大千秋楽を迎えました。

退団後ずっとこの公演に向けて頑張ってきたのでほっとしています。NYでは環境が変わったことへの戸惑いもあり、当初は努力しても自分が前に進んでいるのか後退しているのか分からなくて。周りが凄すぎて自分には何もないような気がして、稽古場では思い悩んだ時期もありました。でも最終的にはできることを楽しんでやることだなと思えた。公演中は「ちえちゃん、もっとこうしても大丈夫よ!」と同じ女性目線でファンの方々が応援してくださり、その言葉に背中を押されました。勇気付けられたことに感謝しています。千秋楽を終えた今は東京公演の初日より、ちょびっとだけ前に進めたような気がします。

―――退団後のタイミングで渡米したことで、思わぬ収穫もあったとか。

アメリカの女性を見ていると「こうしなければならない」と思って行動していることが一つもない。日本ではみんなと同じが良いという雰囲気がありますが、アメリカでは人と違うことが逆にいい。退団後はスカートをはいたり、髪は伸ばしますかという質問が増えたけど、別に今すぐ何かをガラリと変える必要はないし、等身大の自分で良いんだなと思えた。“女性になる”タイミングでNYに行けたのは良かったですね。

―――女優デビューの手応えについては。

宝塚の現役時代も公演をしながら「男役・柚希礼音」を育てていったところがあるので。女優デビュー作となった『プリンス・オブ・ブロードウェイ』でも、こうしなきゃと思う以前に、ワンピースを着てヒールで踊ったり、役を演じながら歩き方や座り方、女性らしい所作を学んでいった感じです。ピンヒールとか、こんな細い靴底では絶対踊れない!と思いましたが、なんとか踊れるんですね(笑)。ブロードウェイではトニー・ヤズベックさんを始め、みなさんが「ハニー」とか「ベイビー」とか呼んでくださるので、女性扱いされるとまた違った感情が生まれるんだなと思いました。

―――劇中、「ダム・ヤンキース」の場面では、妖艶な網タイツ姿も披露しました。

自分としては居ても立っても居られない、女性って大変なんだなという感じで(笑)。デコルテ、腕、ひざ下とか、男役の時は多少アザができても気になりませんでしたが、女優さんは色々と全部見えるので、お肌のケアを気遣ったり。NYでは三食自炊でしたが、野菜もたくさん食べるようになりました。食べたり飲んだりするものが「10年後の自分を作る」っていうんだなって。

「本格的なタンゴではセクシー衣裳もある、かも(笑)」(柚希)

―――退団後、初めてのソロコンサートです。演出の稲葉太地さんからは「日替わりコーナーも考えている」とのコメントも出ています。

自分では男役でない自分のコンサートというのが、まだちょっとよく分わかってないです(笑)。衣裳とかも基本何ベース?とか。でも、せっかくブロードウェイ作品にも挑戦したので、また宝塚に戻るのではなく新しいことにもいっぱい挑戦したい。現役時代に3回コンサートを開催させていただきましたが、コンサートは会場にいるお客様とのキャッチボールを楽しむ場所。歌や踊りに、ちょっとほっこりしたシーンも入れたいので。それがトークなのか、いつものように面白いお芝居仕立てにするのかは稲葉先生たちと相談中です。

―――歌については、宝塚時代のナンバーも?

そこが凄く悩めるところ。やはりコンサートで持ち歌がないのは大変だなと。新曲も披露しますが、懐かしく耳馴染みのある曲も欲しいので、数曲入れる予定です。新曲ではNYで思い悩んで立ち止まり、最終的に前に進めた当時の心情を歌詞に綴りました。作詞するときはいつも悩んで悩んで、「さあ書くぞ!」となったら2時間ぐらいで書き上げるので。今回も『プリンス・オブ~』の東京公演と大阪公演の合間に書きあげました。

―――ダンスについてはいかがでしょう。振付は原田薫、SHUN、DAZZLEさんです。

今回、本格的なタンゴダンスに挑戦します。タンゴに関しては自分でもこだわりがあって、こういう振付で踊りたいと動画を見せながら、いっぱいリクエストしています。衣裳もちょっとセクシーなものになる、かも(笑)。SHUN先生は宝塚時代に私の新しい一面をどんどんと発掘して下さった方なので、信頼度が強い。今回もカッコいい振付だろうなと期待しています。以前、コンサートでLADY REONの振付をしてくれた際は、私が女性の姿で登場したら、先生が5度見ぐらいしてたので、今回もどうなるのでしょうね(笑)。原田さん、DAZZLEさんには初めて振付して頂くので楽しみですね。

―――現役時代のファンに加え、すでに退団後の活動を見てファンになった方も多いとか。

そうなんです。現役を辞めたのにファンで居続けてくれるファンの方も凄く嬉しいのに、新たにファンになって下さった方もいて、すごく感動しています。両方の手をちゃんと繋ぎながら、今後も挑戦する姿をお見せしたい。

―――具体的に将来像は?

どう思います? 私自身も、まだはっきりと分からないんです。もう少ししたら浮かんでくるのかな。宝塚時代も男役とはこういうものだと決めずにきたので。ロミオが似合うと思えば、ナポレオンやホセも似合うとか。どんどんイメージを覆していく感じが楽しかった。これからも自分はこれだと決め過ぎず、次にやりたいと思ったことを、勇気をもってチャレンジしていけたらいいな。

―――改めて、コンサートを楽しみにされている方へメッセージを。

『プリンス・オブ~』では、やはり素晴らしい方々の中で一度は萎縮もし、何とか必死にやろうとした時期もありました。その中で、舞台上では自分自身がリラックスして楽しむことが一番、心情や想いがのびのびと伝わるんだなということも学びました。今度のコンサートでもお客様とのキャッチボールを楽しみながら、その時間がすごく幸せなものになるように毎公演努めてまいります。楽しみにいらしてください。


 
イベント情報
柚希礼音 ソロコンサート『REON JACK』

■構成・演出:稲葉太地<宝塚歌劇団>
■出演:柚希礼音、陽月華、音花ゆり、鶴美舞夕ほか
 
<大阪公演>
■2016年3月11日(金)~3月17日(木)
■会場:梅田芸術劇場メインホール
■問合せ:06-6377-3800
 
<東京公演>
■2016年3月26日(土)~4月11日(月)
■会場:東京国際フォーラム ホールC
■問合せ:0570-077-039
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