Rin音の素顔に迫る『Kiss Music Presenter スパシャン FRIDAY』公開収録を開催

3月27日、神戸市にあるFM局・Kiss FM KOBEが、神戸・甲陽音楽＆ダンス専門学校にて、同局の番組『Kiss Music Presenter スパシャン FRIDAY』の公開インタビュー収録を行った。

今回ゲストに迎えたのは、昨年リリースの曲「snow jam」がTikTokで話題となり、 SpotifyやYouTubeなどでも抜群の注目度を誇る、福岡県出身の新世代ラッパー・Rin音。彼は将来ミュージシャンや音楽業界での仕事を志す学生たちの前に「ちょっと寝違えちゃって（笑）」とリラックスした様子で現れると、客席からの質問にも答えながら進行役であるKiss FM KOBEのサウンドクルー・川田一輝とさまざまなトークを展開していく。

まずは彼のルーツを探るべく始まった幼少期の話では「いじわる好きでした（笑）」と笑いを交え、わんぱくだった少年時代を明かす。しかし、ある種いじわるに相手を突くクールな視点が必要なMCバトルに、その性格はいかされているようで「こないだも自分のバトルを見て、あ、性格悪って（笑）」と、さらりと自虐も入れつつ鋭く自己分析も。さらに昔聴いていた音楽や地元・福岡でのMCバトルの経験、活動当初に行っていたフリートラックを使ったラップ制作の話など、年齢も近い学生たちにとって興味深いであろうその音楽背景を披露し、彼らの探求心を刺激する。

すると学生からは「（MCバトルで）言葉がつまった時はどうしてるんですか？」との質問が投げかけられ、これにRin音は「マジでキツイこと言われると思い浮かばないです（笑）」としながらも、「何か（気持ちが）落ち着く方法を決めておいた方がいいです」と実体験から見出した解決策を惜しげもなく伝授。加えて曲作りに関する質問には、「理論がわかんないからこそ、感性は信じようと思ってて……」と語るとともに、具体的な状況については「僕、地べたがいいんですよ（笑）」と意外な制作風景も暴露。川田の「イスじゃだめ（笑）？」の問いには「追い込まれるとやる気が出るんですよ。ギリギリの方がいいのが書けるし（笑）」とそのわけも教えてくれる。また、MCバトルの攻撃的な一面と、Rin音の楽曲が持つおしゃれな雰囲気とのギャップに質問がおよぶと、「恋愛とか人間関係とか、（人には）共通点があると思うんですよ。だから恋愛をテーマにすることも」と、音楽で伝えるテクニックを口にする一方、「（ラッパーとソングライターの）スイッチを切り替えてます」と、彼の多面的な魅力の理由もちらり。

そして収録も終盤になると「音楽に触れて気づいたことは？」という広いテーマのクエスチョンも。Rin音は「どんだけの人が動いてくれてるのか……（がわかって）感謝しなきゃいけない」と誠実な姿勢を垣間見せ、続けて「（音楽を作る時には）自分と向き合うんですよ。嫌なことも思い出すしダメな人間だなとも思う」、だからこそ「優しい人間でありたいと思うんです。（そういう）なりたい自分に気づかされたというのがあるかも」と回答。その人柄にも彼の人気の秘密が見て取れる。そんなRin音は最後に学生たちに向け「初期衝動って大事。それを大事にしながらやる（音楽の道を進む）といいと思う」とアドバイスし、「（そこから）続いた未来を見たいので、ぜひ頑張ってください」と熱いエールも送った。

およそ1時間に亘り、上記のほかにもSNS時代と音楽の関係性、音楽を志した時の家族とのこと、3月18日発表の新曲「春にふられて feat. クボタカイ」についてなど、飾らない自身の言葉でたっぷりと語ってくれたRin音。今回知ることのできた彼の思考や信念は、次の音楽シーンを担う学生たちの心に深く刻まれたことだろう。また同時にさらなる彼の活躍を確信させたに違いない。

取材・文＝服田昌子　撮影＝Brain Buster 戸江智文