貴城けい、北翔海莉、舞羽美海らが出演 沖縄戦を描く朗読劇『島守の塔』の開催が決定
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(左から)舞羽美海、貴城けい、北翔海莉
2021年6月22日(火)大田区民ホール・アプリコ大ホールにて、朗読劇『島守の塔』を開催することが発表された。
「島守の塔」は、戦中最後の官選知事・島田叡(兵庫県出身)と警察部長・荒井退造(栃木県出身)、その2人に生を託された沖縄の女性・比嘉凛を中心にそれぞれの生き方と苦悩を描く物語。
島田叡役は2006年に宝塚歌劇団宙組トップスターに就任し、退団後も幅広く活動している貴城けい、荒井退造役は2015年に星組の男役トップスターに就任して人気を博す北翔海莉。沖縄戦の激しい戦火の中で、島田と荒井と行動を共にし、命に対する考えが次第に変わっていく比嘉凛役は、2011年に宝塚歌劇団雪組トップ娘役に就任し、退団後に映画、ドラマ、舞台で活躍中の舞羽美海が務める。
脚本は、2020年第73回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクション「カンヌレーベル」に選出された映画『本気のしるし 劇場版』(深田晃司監督)の脚本を担当した三谷伸太朗。そして、藤井フミヤのアルバムへの楽曲提供をはじめ自身の音楽活動だけでなく、琉球古典音楽の研鑽も進めている岡村聡士が、音楽と三線演奏を担当。キャスティング、プロデューサー、そして語りを務めるのは、アナウンサーの立花裕人。
原作となった映画『島守の塔』(毎日新聞社など製作委員会)の撮影は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、中断になり、撮影再開を今年秋以降に予定している。この度、映画公開予定だった今年6月に、映画の脚本に基づいた朗読と沖縄三線の演奏で紡ぐ歌の演劇を開催する。
2020年荒井退造生誕120年を迎え、今年12月25日は島田叡の生誕120年となる。これを機に、島田と荒井が訴えた命の尊さや平和のメッセージを、貴城、北翔、舞羽が情熱的な朗読と歌唱を通じて届ける。
沖縄県糸満市摩文仁にある平和祈念公園。18歳の未来(みく)が慰霊塔「島守之塔」の前で手を合わせた。通りかかった島村に祖母・比嘉凛について聞かれ、沖縄県職員として働いた凛のことを語り始めた――。1944年の沖縄県那覇市。連合軍の沖縄上陸が予想されるなか、凛は栃木県出身の荒井退造警察部長の下で、大規模な県民疎開を促そうとした。しかし同年10月の沖縄大空襲後も県民の疎開が遅々として進まない。そんななか、1945年1月末に、兵庫県出身の官僚・島田叡が知事に就任。沖縄戦も開戦する中、凛は愛する島と周囲の人を守ろうとする。激しい戦況下、凛と島田、荒井は少しずつ心の距離を縮めていくのだった。しかし、命運尽き永久の別れが来たその時、島田は凛に「命(ぬち)どぅ宝」(命こそ宝)という言葉で彼女に未来を託した――。