ミュージカル『マタ・ハリ』いよいよ最終地、大阪へーー開幕前に、愛希れいか、田代万里生、三浦涼介が上演できる喜びを語る
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『マタ・ハリ』 撮影=Iwamoto.K
7月16日(金)より梅田芸術劇場メインホールにて開幕するミュージカル『マタ・ハリ』。本作は作曲家、フランク・ワイルドホーンの新作として2016年に韓国にて世界初演され、2018年に日本初上陸。石丸さち子訳詞・翻訳・演出のもと日本版として新たに誕生した。
ミュージカル『マタ・ハリ』
物語の舞台は1917年、パリ。3年前に勃発した第一次世界大戦に終結の兆しはなく、パリ市街は連日の爆撃で荒廃していた。そんなパリに、政府高官や軍人らを魅了し、絶大な人気を誇るダンサーがいた。ジャワ出身を名乗る彼女こそマタ・ハリ。そんな彼女に目を付けたラドゥー大佐はフランスのスパイとして働くように要求する。一方、マタは偶然出会った偵察機パイロットの軍人・アルマンと恋に落ちる。戦争の終わった世界へ思いをはせる二人。マタは一度だけフランスのスパイを務めることを決心するのだった。
2021年、『マタ・ハリ』の再演が実現。ヒロインのマタ・ハリ役は、日本初演に続く柚希礼音に加えて愛希れいかがWキャストで初挑戦。マタ・ハリに屈折した愛情を抱き、彼女をスパイへと導くフランス諜報局のラドゥー大佐を加藤和樹と田代万里生が、マタ・ハリに真っすぐな愛を示すパイロットの青年アルマン役を三浦涼介と東啓介が、それぞれWキャストで演じる。マタ・ハリが唯一心を許し、どんな時も彼女を献身的に支え続ける衣裳係アンナ役には春風ひとみ。そしてフランスと敵対するドイツの高等将校ヴォン・ビッシング役は、宮尾俊太郎が演じる。
東京、愛知と続いてきた『マタ・ハリ』もいよいよ最終地の大阪へ。大阪公演の開幕直前に、マタ・ハリ役の愛希れいか、ラドゥー大佐役の田代万里生、アルマン役の三浦涼介が心境を語った。
「まず、無事に東京公演と愛知公演を終えられ、大阪に来られたということが何よりも嬉しくて、幸せで、大阪の皆様にもさらにパワーアップした姿をお見せできたらと思っております」と笑顔を見せる愛希。田代は、「無事に全公演を上演できそうですので、最後まで身を引き締めて頑張っていきたいなと思います」と意気込む。三浦も、「本番を迎えられるのだろうかという思いで毎日を過ごしながら、でも精一杯、1日1日を大切にして、東京、刈谷と過ごしてまいりました。最後の街の大阪に来られたことを嬉しく思いますし、ここまで来るのに支えてくださって、一緒に頑張ってきたキャスト、スタッフと共に大阪公演の千穐楽まで演じていきたいと思っております」とかみしめるように語った。
劇中、魅惑的なダンスを披露する愛希、どのような思いで踊っているのだろうか。「ジャワのダンスを取り入れているのですが、私は、ダンスは基本的に心の表現だと思っていて、この作品でよりそうだと感じましたし、首の動きとか自分がやったことがない動きもあって難しい部分もありますが、シバ神に捧げるという気持ちを大事に踊っています。そして実際のマタ・ハリがそうであったように、官能的な部分もお客様に感じていただけるよう、曲線を意識して踊っています」。
また、激動の道を歩むマタ・ハリという人物については「今の自分には想像できないような、想像してもしきれないような痛みや苦しみを味わってきて、それを乗り越えたからこその強さを感じます。一言で「強さ」と言ってしまうこともためらわれますが、その強さがあるからこそとても美しくて。さらに、愛を受けずに生きてきたにもかかわらず、彼女はとても人を愛する人だと思います。最初に抱いていたマタ・ハリのイメージは、生きるために自分しか愛せない人というものでしたが、今回、台本を読ませていただき、アルマンに対しても、自分を応援してくれた方たちに対しても、とても愛情深い人だなと感じています」と慈しみを込めた。
ミュージカル『マタ・ハリ』2021年公演_舞台映像 6月~7月 東京・愛知・大阪にて上演!☆ライブ配信有
作品を彩るフランク・ワイルドホーンの楽曲について田代は、「ワイルドホーンさんはメロディーメーカーですが、この作品ではリプライズ(反復)が多く登場します。ドラマの中でどこにリプライズを置くかが『マタ・ハリ』という作品の肝だと思っています。同じ旋律でも、シチュエーションや心情で楽曲のイメージが全然違います」とその魅力を語る。ラドゥー役としては、「低いキーから高いキーまでたくさんあって、多面性のある心情を描いています。そして、ミュージカルの世界では男性の二重唱は少ない中、アルマンとラドゥーによる「二人の男」というとてもかっこよくて素敵なナンバーと出会えたことも嬉しく思っています」と語った。
三浦扮するアルマンは、マタへの愛と任務として彼女を裏切る苦悩との間で揺れ動く姿が描かれる。アルマンを演じる上で大切にしているもの、そして柚希と愛希による二人のマタ・ハリに対する違いについて尋ねた。「毎日、新鮮に、大切に、相手から受けるパワーと愛を感じながらお芝居をしています。そして柚希さんと愛希さんのマタ・ハリですが、柚希さんはすごくオーラがあって、一気にその場の空気を変える女優さんです。愛希さんは、とてもチャーミングで、可愛さがたくさんある。でもその中に芯があり、強くかっこいい女性です。お芝居をしていると僕自身もお二人からたくさんの力をもらうので、本当に毎日お芝居ができることを感謝しながらステージに立ち、お客様に見ていただいています」と、二人のマタ・ハリからのパワーを一身に浴びているようだ。
大阪公演が上演できる喜びを終始、語る三人、「幕が開く」ということの尊さを実感している。そんな三人に、最後に改めて意気込みを聞いた。「こんなご時世ですが、一瞬でも『マタ・ハリ』のことだけを考えて、その世界にどっぷり浸っていただき、嫌なことを忘れていただける3時間になればいいなと思います。僕たちも精一杯演じますので、ぜひ楽しんでいただければと思います。よろしくお願いします」と三浦。田代は本作のDVD化が発表されたというニュースに声を弾ませながら、「DVDがあるから……と思っている方もいらっしゃるかもしれないですが、8公演ある大阪は、Wキャストの組み合わせがすべて違うので、8回観てもいいと思います!(笑)。同じ組み合わせで、毎公演違うドラマが生まれていて、また席によっても見え方が違います。梅田芸術劇場という素敵な空間で、このミュージカル『マタ・ハリ』をぜひ、多くの方と共有できたら。劇場の方も感染対策を万全にしてくださっていますので、安心していらしてください」と呼びかけた。
大阪、そして梅田芸術劇場に来ると「ただいま」と言いたくなると、劇場への親しみを込める愛希は、「生の舞台にはその時にしか感じられないものがたくさんあります。私も必ず「この時間が皆様にとってとても幸せな3時間になりますように」と心から祈って舞台に立っています。ぜひ劇場に足を運んでいただけたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします」と語った。
大阪公演は7月20日(火)まで。
取材・文・撮影=Iwamoto.K
公演情報
日程・会場:
大阪公演:2021年7月16日(金)~7月20日(火)/梅田芸術劇場メインホール
脚本:アイヴァン・メンチェル
作曲:フランク・ワイルドホーン
歌詞:ジャック・マーフィー
オリジナル編曲・オーケストレーション:ジェイソン・ホーランド
訳詞・翻訳・演出:石丸さち子
出演:
柚希礼音 愛希れいか(Wキャスト)
加藤和樹 田代万里生(Wキャスト)
三浦涼介 東啓介(Wキャスト)
春風ひとみ 宮尾俊太郎
鍛治直人 工藤広夢 飯野めぐみ
石井雅登 伊藤広祥 竪山隼太 上條駿 中川賢 中本雅俊 森山大輔
彩橋みゆ 石井千賀 石毛美帆 桜雪陽子 Sarry 鷹野梨恵子 原田真絢
企画・制作:梅田芸術劇場
主催:東京公演主催:梅田芸術劇場・東宝・アミューズ
愛知・大阪公演主催:梅田芸術劇場
公演に関するお問い合わせ:
大阪 06-6377-3800(10:00-18:00)
公式ホームページ https://www.umegei.com/matahari2021/