ハンブレッダーズ『RUSH BALL 2021』ライブレポート ーーグレーな気持ちを全肯定するロックンロールの現在地
ハンブレッダーズ 撮影=渡邉一生
『RUSH BALL 2021』ハンブレッダーズ
4年連続の出演となり、『RUSH BALL』次世代代表として未来を担うハンブレッダーズ。「スクールカーストの最底辺から、『RUSH BALL』のメインステージに青春を唄いにきました!」(ムツムロアキラ/Vo.Gt)と安定感のある佇まいでメインステージへ登場!
ハンブレッダーズ
第一声から聴くものの心を揺さぶるムツムロの歌力も相まって、「ユースレスマシン」や「DAY DREAM BEAT」の歌詞に描かれるピュアな音楽への愛に胸が熱くなる。「今日は声出せないと思うので、唇だけで歌ってもらえたら嬉しいです」(ムツムロ)という呼びかけは、彼らが重きをおく「音楽と一対一になれる瞬間」。そんな時間の尊さを体現するものだ。
タイトなバンドアンサンブルに磨をかけた「ユアペース」の8ビートのリズムが心地良い。コロナ禍においてもライブバンドとしての歩みを止めない彼らが鳴らす盤石のロックンロールにワクワクが止まらない。
ハンブレッダーズ
「昨年のオープニングアクトは、半年ぶりのライブだったんです。えげつないくらいに緊張してて(笑)。あとで音源を聴いてみたら、全曲倍くらいの速さになってた。それもいい想い出です(笑)」と昨年のステージを振り返る。7月21日にリリースした2ndシングル「ワールドイズマイン」も披露され、フェスに映える彼らならではのダンスロックナンバーでしっかり躍らせる。
ハンブレッダーズ
「ロックンロールは弱者のためにある音楽だ!」と投げかけた「弱者の為の騒音を」のエネルギッシュなプレイで拳があがり、それぞれが想いをのせていく後半戦。2ヶ月前に上京した彼らが「大阪のライブハウスから来た」というアイデンティティを示す「ライブハウスで会おうぜ」は、この時期に聴くと胸にグッと迫るものがある。
ハンブレッダーズ
「ここに来ている人の中には、正しいと思えていない人もいるかもしれない。僕は清廉潔白でも公明正大でもない。でも自分を肯定してくれたのがロックバンドだったんです。白と黒ではなく、グレーな気持ちを肯定するためにロックがある。僕たちは、みなさんのグレーな気持ちを肯定するためにステージに立っています!」(ムツムロ)
ハンブレッダーズ
そう宣言し、最後に選んだ1曲は「銀河高速」。<長いトンネルを抜けて『RUSH BALL』に出たいと思っていた>と歌詞を変え、ここにいる人すべてに勇気を与える覚悟で、未来に大きな希望を残した。
取材・文=岡田あさみ 撮影=渡邉一生
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