RED ORCA『RUSH BALL 2021』ライブレポート ーー一挙手一投足から目が離せないエネルギーの大爆発を目撃
RED ORCA 撮影=田浦ボン
『RUSH BALL 2021』RED ORCA
金子ノブアキ(Dr)の新プロジェクトとして、2019年11月から活動開始したRED ORCA。メンバーは、来門(Vo/ROS、SMORGAS)、PABLO(Gt/Pay money To my Pain、POLPO)、葛城京太郎(Ba)、草間敬(Manipulator)。今回のギターは同道公祐が担当するが、リハで来門が「マイクチェック、ワンツー、ワンツー!」と言うだけで、その発音の流暢さや迫力だけで惹きつけられる。
RED ORCA
1990年代後半、2000年代前半に音楽を聴いていた身としては、SMORGASの強烈なミクスチャーロックのイメージがある為、同世代の金子との新しい動きにはワクワクしかなかった。とにかく来門の一挙手一投足全てに目がいくし、何のブランクも感じられず、本物の凄みしか感じられない。
RED ORCA
リハだけで文字数がオーバーしそうなので、本編について書いていくが、1曲目「ORCA FORCE 」から金子は全力でドラムを叩き抜いているし、そこへ来門の言葉がマシンガンの連射の様に乗っかっていく。ベースやギターや全ての楽器が強烈に唸り、近年、聴いた事の無いデジロックの極みな音をブチかましてくれる。その音を乗り越えるかの如く、驚異的な身体能力を生かした来門のパフォーマンスが凄すぎる。まるで10代、20代みたいな跳躍力を魅せつけたりと、やはり、ずっと来門を追いかけてしまう。
RED ORCA
2曲目「beast test」終わりには勢いよくサンバステップというか、カズダンスを踊り、「観た?! 俺のカズダンス!」と言って、コロナ禍の事や動き出して1年半の事など喋り足りないくらいに、ずっと喋っているが、持ち時間25分しか無いので、袖からスタッフが笑いながらマキのサインを必死に出している。爆走する感じが目立つ来門だが、「Phantom Skate」では緩やかなリズムでの静かなラップを聴かせるし、「Night hawk」ではロマンチックなポエトリーリーディングも聴かせたりと、緩急の付け方が憎いくらいに上手い。
RED ORCA
活動開始して、すぐにコロナ禍になり、予定通りに動けていなかっただけに、その鬱憤を晴らす様にエネルギーを大爆発させていた。最後までドラムを全身全霊で叩き抜いていた金子からも異様な気迫を感じた……。秋からはツアーもあるとの事だが、大きなステージで長い時間のライブを再度観たいと心から思った。
RED ORCA
取材・文=鈴木淳史 撮影=田浦ボン
『RUSH BALL 2021』オフィシャルレポート一覧はこちら