結成から一年…初めての有観客ライブツアーというLiella!の冒険が始まる!『ラブライブ!スーパースター!! Liella! First LoveLive! Tour ~Starlines~』群馬公演レポート
『ラブライブ!スーパースター!! Liella! First LoveLive! Tour ~Starlines~』群馬公演より (c)プロジェクトラブライブ!スーパースター!! (c)2021 プロジェクトラブライブ!スーパースター!!
TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』も大好評のうちに放映を終えて、ついに待望の有観客ライブへと辿り着いたスクールアイドル「Liella!」。新型コロナ禍に伴う緊急事態宣言の影響もあって、ファンを前にしての初めてのライブが全国10ヶ所・20公演のツアーという前代未聞の幕開けに! 生まれたての五つの星は初ライブでどんな輝きを見せたのか……2021年10月30/31日に群馬県前橋市・ベイシア文化ホールで行われたツアー第1弾の様子をレポートする。
Liella!とファンのお互いに待ち望んでいたライブでの出会いがついに実現!
『ラブライブ!スーパースター!! Liella! First LoveLive! Tour ~Starlines~』ビジュアル (c)プロジェクトラブライブ!スーパースター!! (c)2021 プロジェクトラブライブ!スーパースター!!
「ラブライブ!」シリーズ初の一般公募オーディションを経て、約1年前に5人のメンバーでスタートしたスクールアイドル「Liella!」。4月21日にリリースされたデビューシングル「始まりは君の空」のリリースイベントは新型コロナ禍の影響で配信オンリーとなり、以降も配信を中心にファンとの交流を続けていたが、ついにファンを前にしての有観客ライブが実現。しかも全国10ヶ所を巡るライブツアーという、歴代スクールアイドルも成し得なかった形での初ライブとあって、どんなステージになるのかというファンの期待で会場のベイシアホールは開演前から熱く盛り上がっていた。
(c)プロジェクトラブライブ!スーパースター!! (c)2021 プロジェクトラブライブ!スーパースター!!
開演間近を告げる「Dancing Heart La-Pa-Pa-Pa!」のメロディに合わせて、満員のファンが振るコンサートライトの輝きが場内に満ちていく。そしてスクリーンには夜空を駆ける星と共にメンバー紹介ビジュアルとアニメの名場面が映し出され、その都度大きな拍手が場内に響き渡る。
5人を表す流れ星がLiella!のロゴを描きだし、その星は会場のある群馬県へと舞い降りていく……そしてライティングがステージ上の5人を照らし出し、ライブの幕は切って落とされた。
・START!! True dreams
(c)プロジェクトラブライブ!スーパースター!! (c)2021 プロジェクトラブライブ!スーパースター!!
彼女達の「夢のスタート」となるファンの前で唄う初めての曲は、タイトルもそのものズバリなTVアニメOP主題歌「START!! True dreams」。スクリーンに映し出されたOPアニメと同じ衣装に身を包んだ五人は、スクールアイドルの先輩たちと同様に見事なシンクロパフォーマンスを披露。そしてこれが初ライブとは思えないキレのあるダンスとボーカルに、つまづきそうになる仲間を支えるなど同世代メンバーならではのドラマを感じさせるパフォーマンスも織り交ぜ、会場と配信で見ているすべてのファンがLiella!への期待感を否応なしに高めるオープニングとなった。
・だから僕らは鳴らすんだ!
(c)プロジェクトラブライブ!スーパースター!! (c)2021 プロジェクトラブライブ!スーパースター!!
ペイトン「みなさんやっと会えたねー! とっても嬉しいでーす!」
青山「全力で楽しむ準備できてますかー!? 最後まで盛り上がっていきましょうねー!」
初日はペイトン尚未(平安名すみれ役)、2日目は青山なぎさ(葉月 恋役)の熱いメッセージと、客席からの声なき歓声のようなリズミカルなクラップ共にスタートした2曲目は、色々な悩みや立ちはだかる壁も乗り越えて、自分達の気持ちを音にして伝えていこうというメッセージソング。
間奏ではソロのダンスを一人一人が繋げていったり、「一緒にクラップしてくださいねー! 1階の人! 2階の人! 群馬好きな人! Liella!好きな人!」とファンと一体になって場内のテンションを上げていくなど、初ライブの嬉しさをそのままエネルギーに変えているかのような熱いパフォーマンスを繰り広げた。
スタートを見事に決めてのMCタイムでは、深々と一礼をしてから嬉しそうに客席を見渡し、ついに辿り着いたファンの前でのライブの感動と会場と配信で集まってくれたファンへの感謝を語る。そして群馬で食べた地元名物トークや、スクールアイドルの定番である各メンバーの名セリフを絡めた自己紹介パフォーマンスを披露。
Liyuu(唐 可可役)がアニメでも強烈なインパクトを残した「スバラシイコエノヒトー!」で初日は伊達さゆり(澁谷かのん役)にハグをし、2日目はペイトンに行ったため伊達がしょんぼりするなど、アニメのLiella!そのままのような一幕に会場の空気やTwitterで実況する配信組みのファンもほっこりとした空気に包まれていった。
・未来予報ハレルヤ!/GOING UP/1.2.3!
MC明けの1曲目は、TVアニメ第一話のクライマックスを飾った印象深いナンバー「未来予報ハレルヤ」。アニメではあふれ出る歌への想いを叫ぶように歌い始めたシーンを再現するように、伊達の伸びやかで力強いボーカルが場内に響き渡る。ステージ前面でセンターを務める伊達を中心に、段差のあるステージの左右に他の四人が陣取り、スクリーンのアニメPVに合わせたシンクロパフォーマンスと共に『ラブライブ!スーパースター!!』の始まりの曲を盛り上げていく。
さらに曲が終わると、4人はギターのイントロに合わせてそれぞれのパフォーマンスを見せながらフェードアウト。そしてステージに残った伊達がソロバージョンの「GOING UP」を歌い始める。初の有観客ライブで初のソロというシチュエーションながらも、アニメのかのんを思わせるような力強い歌声を客席に届けていく。
TVアニメ第一話冒頭で、かのんの歌声を聴いた可可が「スバラシイコエノヒトー!」と感激したシーンを追体験するようなパフォーマンスに、ファンも彼女のイメージカラーであるマリーゴールドのコンサートライトを輝かせて彼女の歌声に応えていく。
そして曲が終わると、じゃれ合うようにLiyuuと岬 なこ(嵐 千砂都役)がステージに現れて伊達と合流し、みんなで未来や夢へと飛び出していく気持ちを唄った「1.2.3!」を3人バージョンで披露。見事なハーモニーを奏でながら、かのん・可可・千砂都から始まった結ヶ丘でのスクールアイドル活動を感じさせるパフォーマンスが繰り広げられた。
アニメとリアルで重なり合うLiella!が歩む道のり
・Tiny Stars
前曲までの流れを受け継ぐように、スクリーンにはスクールアイドル活動を学校に認めさせるため、代々木スクールアイドルフェスに挑むかのん達のエピソードダイジェストが流れ出す。人前で唄えないトラウマを抱えたままのかのんと実際のステージに立って不安と緊張に震える可可…そんな2人を色とりどりのコンサートライトの輝きで観客が励ますシーンでは、会場のファンも手にしたコンサートライトをかざしてアニメとリアルがシームレスに繋がっていく。そして、
「唄える、一人じゃないから」
決意を固めたかのんのセリフを伊達が生で演じたのを合図に、スクリーンのかのん&可可と重なるように同じ衣装をまとった伊達とLiyuuが登場。そしてアニメの中の2人とシンクロしながら「Tiny Stars」がスタート。2人が手を重ね合わせて「☆」を作るパフォーマンスなども完璧に再現しながら、2人の声が重なり合って見事なハーモニーを生み出していく。
かのん達の初めてのステージを、Liella!初めてのライブツアー初日に追体験するという、この群馬公演でしか味わえない貴重な瞬間となった。
・バイバイしちゃえば!?/常夏☆サンシャイン
「Tiny Stars」が終わると、ステージの左右にしゃがみ込むように岬とペイトンが登場。かのんと可可の後にLiella!へと加わるすみれとちとせを演じる2人が唄うのは、落ち込むようなことがあっても、そんなものは気にせず振り切っちゃおうと元気づけるナンバー「バイバイしちゃえば!?」。ポップでリズミカルなメロディと、それに乗りながら踊る2人の見事なダンスに会場や配信のファンも盛り上がりを見せる。
そして曲が終わるとステージが暗転し、場内に静かなさざ波の音が響き渡る。そして静かなイントロと独唱から、一変するようにカラフルなライティングとトロピカルなメロディと共に始まったのは、TVアニメ第6話挿入歌の「常夏☆サンシャイン」。すみれや千砂都も加わった四人でのライブを、アニメPVとのシンクロパフォーマンスと共に再現。真夏の海辺のような熱くて元気なノリのダンスとボーカルで、会場内をも熱気で包み込んでいった。
・リエラのうた
「常夏☆サンシャイン」の熱狂から一転して、暗転したステージの上に星の輝きが現れる。そしてスクリーンに映し出されたのは小さな妖精となったLiella!の5人…NHK教育テレビでのアニメ放送ならではの特別映像として話題を呼んだ「リエラのうた」だ。
静かな映像とメロディに合わせて、純白のドレスをまとった青山、ペイトン、岬が入れ替わるように登場。
「Primary」(青山)「Message」(ペイトン)「Memories」(岬・Day.1)「Ringing!」(岬・Day.2)を情感たっぷりの独唱で唄い上げ、会場はその都度大きな拍手に包まれていった。
・瞬きの先へ/Wish Song
ステージのスクリーンには再びTVアニメのエピソードダイジェストがスタート。学校を創立した亡き母への思いが強いが故に、スクールアイドルを認められず生徒達の分断まで招いてしまった葉月 恋が、かのん達との衝突と和解を経てLiella!の仲間になるまでの物語が描かれていく…そしてステージでは、恋が母の本当の想いを知る校内集会のシーンで流れたBGMをベースにしたナンバー「瞬きの先へ」が始まる。スポットライトに照らし出された伊達・Liyuu・岬・ペイトンが独唱を重ねながらハーモニーを重ねていく。そして最後に加わった青山が、この曲のために自ら考えたという見事なバレエの舞いを見せながらセンターに立ち、5人揃っての美しいハーモニーで曲の情感を一気に盛り上げていった。
曲が終わり5人がスクリーンを見上げると、かのん達の想いを受け取った恋がかのんと握手を交わしてLiella!へと加わるシーンが流れる。そして…
「結ヶ丘女子高校スクールアイドル部! Song for Me! Song for You! Song for All!」
(c)プロジェクトラブライブ!スーパースター!! (c)2021 プロジェクトラブライブ!スーパースター!!
学園祭ライブ前の指で星を作っての5人の円陣とかけ声がリアルで再現され、それを合図にTVアニメでの5人で歌う初めての曲「Wish Song」がスタート。アニメのライブシーンとシンクロしながら、様々な道を経て出会った5人の絆と旅立ちを優しいハーモニーで唄い上げる様は、アニメとリアル両方のLiella!が重なり合うかのようで、会場と配信双方でこの場に集ったファンにとっては、最高の追体験となったはずだ。
(c)プロジェクトラブライブ!スーパースター!! (c)2021 プロジェクトラブライブ!スーパースター!!
ファンと共に作り上げるLiella!の軌跡が全国を駆け巡る!
歌い終えての2度目のMCタイムでは、初めて体験するコンサートライトのまばゆい光の海への感動を語る一同。そして初日は初披露となったソロバージョンの「GOING UP」をはじめ、各人が気になる曲でのパフォーマンスを客席に問いかけ、ファンも声は控えて想いを込めて振るコンサートライトで「最高だった」と応えた。
緊張のほぐれた二日目にはアニメの展開を受けて「ついに(学校)公認になりましたー!」と伊達が叫んだり、「Tiny Stars」の話をしてくれない伊達にLiyuuが拗ねてみせたりなどの微笑ましいやりとりも見せながら、いよいよライブは後半戦へ。
・ノンフィクション!!
「ギャラクシー!」
そんなペイトンのかけ声と共に始まった後半戦一曲目は、TVアニメ第10話でラブライブ東京大会予選の課題「ラップ」をクリアすべく、平安名すみれをセンターに据えたナンバー「ノンフィクション」。
(c)プロジェクトラブライブ!スーパースター!! (c)2021 プロジェクトラブライブ!スーパースター!!
極彩色のライティングがステージをカラフルに彩る中、陽気なジャズのメロディと共に歌とダンスが繰り広げられ、センターのペイトンも見事なラップやダイナミックなソロダンスでそれらを見事にまとめ上げいく。アニメではプレッシャーにさらされながらもセンターをやりきったすみれのように、ペイトンもセンターの力量と存在感を見事に証明して、後半戦の一発目を盛り上げてみせた。
・Day1
(c)プロジェクトラブライブ!スーパースター!! (c)2021 プロジェクトラブライブ!スーパースター!!
曲を終えた5人がステージの段差にそれぞれ立つと同時にスタートした曲は、新たな夢や目標への第一歩を踏み出す気持ちを唄ったナンバー「Day1」。「僕らのストーリーを今一緒に始めよう」というリリックも盛り込まれたこの曲ほど、初ライブの初日にぴったりのナンバーはないはず。こちらでもラップパートをペイトンが務め、そこから他の4人がソロを重ね合わせてクライマックスのハーモニーへと繋げていく、Liella!のチームワークが光るパフォーマンスが繰り広げられた。
・Dream Rainbow
暗転したステージにスポットライトが当たり、暗闇の中で一人立ち尽くす伊達の姿を浮かび上がらせる。そんな彼女を励ますように、後ろから現れた4人が彼女と手を繋いで「ラーラーラーラー」と声を合わせていく。そしてステージがまばゆく輝くと同時に始まったナンバーは「Dream Rainbow」。
(c)プロジェクトラブライブ!スーパースター!! (c)2021 プロジェクトラブライブ!スーパースター!!
仲間と出会い一緒に唄うことで未来へも迷わず進めるというLiella!らしさにあふれた一曲を、キレのあるダンスと伸びやかなボーカルで紡ぎ上げていく。だが、そんなパフォーマンスが次の曲への伏線でもあったのだ。
・私のSymphony ~Starlines Ver.~
前曲のラストで伊達の背中を4人が前へと押し出すとステージは暗くなり、いつの間にか伊達だけが一人ステージに取り残されていた。不安げに辺りを見回しながら客席に背を向ける伊達だったが、何かを決したようにステージ前に進み出ると、スクリーンにはTVアニメ11話のかのんの姿が。人前で唄えなかったかのんにトラウマを乗り越えてもらおうと、母校である小学校の講堂で子ども達の前で一人で唄うように仕向けたTVアニメ第11話の再現なのだ。
スクリーンのかのんとシンクロするように、ピアノ伴奏のみのアカペラで「私のSymphony」を力強く情感たっぷりに唄い上げる伊達の姿を、ステージ袖の暗がりから見つめる4人。そして彼女を応援するように客席はマリーゴールドのコンサートライトの輝きでまばゆく埋めつくされていた。
そして歌い終えると同時に、アニメの千砂都と同じように岬が伊達を抱きしめに走り、他のメンバーも揃っての後半パートに。過去を乗り越えたかのんと、見事にソロを歌いきった伊達を祝福するように、ステージは一転まばゆいライティングに包まれ、客席も5人それぞれの色が輝く光の海へと変わっていく。そして5人で唄いきったところでライブもいよいよクライマックスに。
・Starlight Prologue
スクリーンにはクリスマスのラブライブ東京大会本選に向けてがんばるLiella!の面々と、彼女達のために最高のステージを用意しようとする結ヶ丘の生徒達の奮闘が綴られていく。そして雪降るクリスマス当日、表参道の路上に作られたスペシャルステージへと足を踏み出すメンバーに合わせて、リアルのステージにも同じ衣装をまとったLiella!の5人が登場。ステージのイルミネーションもアニメ同様に星が散りばめられたものへと変わっている。
「私達は結ヶ丘女子高等学校スクールアイドル、Liella!です! 今日は皆さんに出会えて本当に嬉しかったです! これからもよろしくお願いします! 私達の歌を聞いてください!」
ファンへの感謝の挨拶と共に始まったナンバーは「Starlight Prologue」。5人の出会いとここに辿り着くまでの道のりを綴った、今のLiella!の集大成のような大切なナンバーを、アニメの中のLiella!とシンクロしながら伸びやかに唄い上げていく。
そんな彼女達に応えるように、客席のファンもコンサートライトの色を使い分けてアニメ同様の5色のラインを会場内に出現させて声なき声援を送り届けていく。そしてかのんのソロから始まるクライマックスでは、すべてのコンサートライトがまばゆいマリーゴールドに変わり、みんなが一体となった盛り上がりと共に曲は締めくくられた。
満場の拍手の中で始まった3度目のMCタイムは、ファンがLiella!に見せてくれた5色のラインへの驚きと感動の言葉からスタート。そして「Starlight Prologue」衣装のこだわりポイントの解説や、岬が「胸いっぱい」と言おうとして「お腹いっぱい」と言ってしまい他の4人にいじられまくるなどしてもりあがり、いよいよラストナンバーへ。
・未来は風のように
「今は一緒に唄うことも難しいんですけど、心の中で一緒に唄ってください。最後に一つになれたと思っているので」
そんな岬のメッセージと共に始まったラストナンバーは、TVアニメED主題歌の「未来は風のように」。EDアニメが流れるスクリーン前に全員が集まって、メンバーの仕草を織り込みながら唄ってみせる。そしてステージ前に並んでの後半パートでは、イメージカラーのスカーフを手にしてコンサートライトを振るファンと共に振ったり、途中でCDジャケットのイラストのポーズを再現してみせたりなど、ファンには嬉しいパフォーマンスを織り交ぜて、最高の盛り上がりでライブを締めくくった。
「未来は風のように」を歌い終えた5人が引き上げると、間髪を入れずにアンコールを求める手拍子が場内に響き渡る。そしてしばらくしてスクリーンに映し出されたのは、今日に至るまでの『ラブライブ!スーパースター!!』プロジェクトの歩みをまとめたスペシャル映像だった。
企画発表から始まり、様々な設定をファンから公募して世界観を作り上げていく過程、シリーズ初の一般公募オーディションに参加した伊達さゆりと青山なぎさの記録映像や、新型コロナ禍の中でもレッスンを積み上げていったLiella!の姿が流れていく。そして、今回の初ライブツアーの意気込みと、群馬公演直前の会場入りした5人からのメッセージを経て、待望のアンコールステージが始まった。
・始まりは君の空
アンコールの最初を飾るのは、Liella!の始まりの曲であるデビューシングル「始まりは君の空」。4月のリリースイベントが無観客配信となってしまったこともあり、彼女達にとってはようやくファンにこの歌を届けられたことになるわけだ。
リリースイベントの時と同じドレスにパーカーという組み合わせでシンクロパフォーマンスを見せているが、半年の経験とこの日のライブの経験が加わって、ダンスもボーカルもよりパワーアップ。デビュー時から追いかけてきたファンほど、その成長を実感できるステージとなった。
・Dreaming Energy(Day.1)
・Dancing Heart La-Pa-Pa-Pa!(Day.2)
「始まりは君の空」から間髪入れずに始まったアンコール2曲目、初日は「Dreaming Energy」、2日目は「Dancing Heart La-Pa-Pa-Pa!」と、どちらもみんなで盛り上がれるアップテンポなナンバーで、初日の「Dreaming Energy」では間奏でペイトンがジャンプをお願いして「ありがとギャラクシー!」とお礼のアピールをする一幕もあって、会場のテンションも本当のラストに向けて一気に上がっていった。
「私達初めてなんですよ、アンコールしていただくの!」
ライブではごく普通のことがLiella!にとってはどれも新鮮だったことを実感させられる言葉と共に始まったラストのMCでは、Liella!が実際に顔を合わせて約一年になる節目ということで思い出話に花が咲く一同。そしてこんな出会いを与えてくれたアニメのメンバー達への感謝も語られた。そして初ライブをやり終えた2日目のMCでは、この2日間が最高の思い出になったことを感謝し、応援してくれるファンにさらなる成長を約束した。
・この街でいまキミと
両日3時間近くとなったライブのラストを飾るのは、大事な友達と過ごす日々の嬉しさと愛おしさを唄った「この街でいまキミと」。色々な街を訪れて、唄うことでファンと同じ時間を過ごす全国ツアーのラストナンバーとしては、ベストマッチな一曲だ。長めの間奏では自撮り棒を使って客席のファンと記念写真を撮影し、最後は絆を確かめ合うように手を繋ぎ、見事に2日間通してすべてのナンバーを歌い終えた。
歌い終えた5人は客席に深々と一礼をすると、ステージを縦断しながら応援してくれた会場と配信のファンに「ありがとう!」と語りかけていく。そしてラストはマイクを切って、生の声で「本日は本当に、本当にありがとうございました!」と精一杯のお礼を伝えて、初めてのライブを大団円で締めくくった。
結成から一年、デビューからまだ半年とは思えないハイレベルなパフォーマンスで、見ているファンをアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』の世界にいるような幸せな気持ちにさせてくれたLiella!。年明けまで続く残り9ヶ所・18公演をやり遂げたときに、どこまでの成長を見せてくれるのか? そんな期待を抱いてしまう初ライブとなった。
取材・文:斉藤直樹