PE'Z 16年の活動に幕 侍ジャズが鳴り響いた最後の夜
Pe'z
侍ジャズバンドとして広く支持を集めたPE’Z(ペズ)。その16年間に及ぶ活動の集大成となった最後のステージ『EN-MUSUBI 2015 FINAL~おどらにゃそんそん~』が、12月19日(土)に昭和女子大学人見記念講堂で行われ、大盛況のうちに幕を閉じた。
およそ2500人というキャパシティの会場で行われたため、限られたオーディエンスしか入場できなかったが、直前に一人でも多くのファンにこのライブを観てもらいたというメンバー達の強い思いから、急遽インディーズ音楽支援サイト「kampsite(キャンプサイト)」の協力のもと、Ustreamで完全生放送が実現し、全国の約1万人へラストライブが届けられた。
Nirehara Masahiro
客席の灯りが落ちると、まずは映像でメンバーそれぞれやバンドの過去の活動を振り返り、それをテレビ番組のナレーションや格闘技のあおり映像のMCでも有名な立木文彦氏の熱い語りが盛り上げる。それも手伝って、メンバー達がステージに立つ前に会場の熱気はすでに高まりを見せ、スクリーンを兼ねた白い幕が上がりメンバー達が舞台上に姿を現した時には、そのボルテージが最高潮に達した。
Ohyama‘B.M.W’Wataru
ライブは初期から欠かすことの無かったナンバー『collective mode』から始まり、MCなしでひたすら曲を演奏していく。途中3回の映像を挟みながらも21曲を一気に駆け抜け、遂に本編ラスト前、Ohyama‘B.M.W’Wataru(Tr)がマイクの前に立った。
「じいさんになってもずーとPE’Zをやっていくので……と皆に言い続けてきたのに約束を守れなくてごめん! 僕らは今日で解散します。明日から新しい日々が始まります。その意味で、今日のこの瞬間がまさに僕らと皆さんにとっての暁です」
MCの終わりとともに始まった代表曲「Akatsuki」に、多くのファンは涙しつつもバンドの渾身の演奏に酔いしれた。
Kadota‘JAW’Kousuke
メンバー達が舞台を去るや沸き起こったアンコールの大歓声に背中を押されるように、すぐメンバー5人が姿を現した。現リーダーの航が「本当に16年間幸せなPE'Z人生でした」次いで、Kadota‘JAW’Kousukeが「昨年の末に解散宣言をして、今日のライブを迎えるまでの1年間が一番成長したかもしれません」、続いてNirehara Masahiroは「本当にやりきりました。これからもPE’Zの音楽を聴いてくれればPE’Zの音楽は永遠に不滅です」。三者それぞれのキャラクター通り、短くも心から湧き出たMCを経て「今日会場に集まったみんなの向上のために」の絶叫とともに「JumpUP!」と「The LEGEND」の2曲が披露された。
航
そしてダブルアンコールで再び登場すると、最後はヒイズミマサユ機(key)が口を開いた。普段はあまり真面目な話をしない彼が「このステージからの景色は一生忘れない」「一番自分らしいのはPE’Zをやってる時だった」と淡々としつつも、熱い心情を吐露した。最後の「それぞれ5つの点が再び合わさる日が来たとき、また一緒に演奏したい」という最後の言葉には、観客から鳴り止まない拍手と歓声が沸き起こり、インディーズデビューアルバムの1曲目に収録され、まさにPE’Zの出発点ともいえる「HEY!JORDU!」を披露してこの日のすべての演奏が終了。メンバー達が舞台を降り、再び立木文彦氏がナレーションを務める映像が流れ「16年間ありがとうございました」というメッセージとともにラストライブは終演した。そして客席の灯りがともされ、多くの人々が出口を目指したその時、活動時には決してなかったことだが、メンバー5人が照明もあたらない舞台に再び登場し、5人が手を合わせて観客に向かって礼をしたのであった。
ヒイズミマサユ機
メンバー5人が持てる力のすべてをかけた最後のライブは、記憶に残るステージとなったと同時に、このライブをもってPE’Zの活動は終演を迎えた。当初は予定されていなかった、このライブの模様を収録したライブ盤CDも来年2月24日(水)にリリースされることが決定した。来場したファンも、会場に行けなかったファンも、それぞれ新たな道のスタートラインに立った5人の出発点とも言える最後のアルバムを聴いて、その16年の歩みに想いを馳せてみてほしい。
発売日:2016年2月24日(水)
品番:QECW-1004~1005
仕様:CD2枚組
価格:¥3,780(tax in)
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