福山潤&遠藤綾が『しろくまカフェ』への愛と新作への意欲を明かす 10周年記念全話一挙上映会舞台あいさつレポート
左から、福山潤、遠藤綾 (C)ヒガアロハ/しろくまカフェ製作委員会 2012
3月20日(日)、TVアニメ『しろくまカフェ』10周年記念の全話一挙上映会が東京・新宿ピカデリーで行われ、舞台挨拶に福山潤と遠藤綾が登壇。それぞれが作品の裏話や当時の思い出を語った。
『ココハナ』(集英社)連載中のヒガアロハ原作『しろくまカフェ』は、2012年4月から1年間、テレビ東京他にてTVアニメが放送された。作品は、シロクマくんが経営するカフェを舞台に、常連客のパンダくんやペンギンさんら、愛らしい動物キャラクターたちが繰り広げるほっこりスローライフを描いた癒し系&脱力系の新感覚動物アニメ。シロクマくん役を櫻井孝宏、パンダくん役を福山潤、ペンギンさん役を神谷浩史、グリズリーさん役を中村悠一、ラマさん役を小野大輔ら声優陣が務めた。
イベントでは、TVアニメ全50話を4週にわたって上映。今回は、第10話から第13話の上映後に福山潤(パンダくん役)、遠藤綾(笹子さん役)が、福山が歌うエンディングテーマ「Bamboo☆Scramble」と共に登場した。
自身の楽曲について福山は「10年も前ですけど色褪せないですね!」と会場の笑いを誘いつつ、MCから10周年への思いを聞かれると、「ずっと作品の記憶が残っているのでそんなに経っている印象がないのと、(作品を)愛してくださっている方がずっといらっしゃるので、10周年というのが不思議なんですよね」とコメント。遠藤も同じく10年経った気がしないことを明かし、「(今でも)TVで動物を観ると『しろくまカフェ』のキャストさんたちの声が聞こえてくる」と語った。
(C)ヒガアロハ/しろくまカフェ製作委員会 2012
本作への出演経緯について質問されると、福山は「たまたま(シロクマくん役の)櫻井さんと同じ番組をやっていて、終わった後に“一緒にオーディションやりましょう!”という経緯だったことを覚えています」と明かした。一方の遠藤は、日常的なセリフが多いキャラクターだったため、日常の言葉をセリフとして発することが難しかったいう当時の印象を語る。それを聞いた福山も、自身も含めて動物を演じる声優陣もデフォルメされていない動物たちにどのような声を当てるかで悩んだことを告白した。
声優陣が様々なアプローチで役に臨む中、可愛くて高い声のパンダくんをどう作ったのかを尋ねられると、福山は「自分の中で高いという印象がなく、無理なく演じていたのですが、“パンダくん、まだ出来ますか?”って聞かれることはあるので、その時は、““もちろん、全然できるよ”(笑)と答えます」と自信たっぷりに回答。遠藤は、役と自分との共通点を聞かれ、あまり似ていないとしつつも「周囲に直ぐ染まるところ」と「頑張らない感じ」を意識して演じていたことを明かしている。
アフレコ時の話になると、ペンギンさん役の神谷がツッコミのセリフを言う時に腕が漫才のツッコミの様に動いていたことを遠藤が明かす。福山は、『しろくまカフェ』以降も神谷が他作品のペンギンの声を演じていたことに触れ、その声を「嘴声」と評している。この日の舞台挨拶には神谷は不在だったが、福山も遠藤も「ペンギンさんの話だけで2時間話せる!」と盛り上がっていた。
この日上映された第10話から第13話のエピソードについて聞かれると、遠藤は「半田さんとパンダくんの関係性が良く描かれていて好きな回でしたね。ただエンディングが半田さんの曲で終わらなくて良かったなと思いました(笑)。演歌調なので(笑)」とコメント。福山は「(13話で)パンダくんがずっとふざけているのに最後良いことやるじゃないですか。それによって株が上がることに対して僕が現場ですごく非難されました(笑)」と当時のエピソードを披露。また、半田さんの笹子さんへの想いが描かれていることについて、遠藤は「いい感じになって欲しくないんです。永遠に!いい感じになっちゃったら一つの物語が終わっちゃいそうで」と笑顔で言い切り、会場を沸かせた。
(C)ヒガアロハ/しろくまカフェ製作委員会 2012
「印象に残ったゲストキャラクターは?」という質問には、福山がメガネザルを演じた石田彰を挙げ、どう演じるかをスタジオにいたキャスト陣が固唾をのんで聞いていたというエピソードを披露。遠藤は、キャラクター名とキャスト名がどちらも動物である、アライグマ役のくじらを印象深いものとして挙げた。
先日の配信イベントではキャスト陣から「新作をやりたい!」との声も上がった本作について、想いを問われた福山は「キャスト含めて色んな人たちがやって欲しいって言っている作品ので、逆にやらないのが不思議です(笑)」と語り、遠藤も「やりたいです!キャストに会いたいですね。あの愉快な人たち(笑)半田さんとの恋は実りません!」と新作への期待を強く語り、客席から拍手を受けていた。
最後に、福山は「44話の『いつもの動物園』と『雨の動物園』を劇場で観たいですね。控えめに言って僕の熱演が見れますので(笑)当時まさかパンダくんに泣かされる日が来ようとは!と心を動かされたお話なので」とアピール。さらに、「皆さんの前でお話しさせて頂くのは10年近くぶりで、皆さんのご支持と、我々の愛を確認して頂けたと思います。本日はありがとうございました」と改めて作品への想いと感謝を語った。遠藤も「楽しかったり、しんみりしたり、ほっこりしたり色んなテイストがある作品で、本当に楽しくって。10年経ちますけど、こうしてまだまだ作品と繋がっていられるのは皆さんのお陰だなと思います。これからも“笹子さん役の遠藤綾です”と言える機会がたくさんあると嬉しいなと思います」と感謝の気持ちを伝えた。最後は、笹子さんが歌ったエンディングテーマ「みずいろ」が流れ、終始和やかな笑いに包まれたままイベントは終了している。