小川優(ジャニーズJr.)が語る、単独初主演舞台『淡海乃海-現世を生き抜くことが業なれば-』への想い
-
ポスト -
シェア - 送る
『淡海乃海-現世を生き抜くことが業なれば-』メインビジュアル (C)Israfil / TO Books.
小川優(ジャニーズJr.)の単独初主演舞台『淡海乃海-現世を生き抜くことが業なれば-』が、2022年5月20日(金)~5月29日(日) まで、東京ドームシティ シアターGロッソにて上演される。
『淡海乃海(あふみのうみ)』シリーズはライトノベル作家・イスラーフィールのデビュー作で、これまでに漫画化や舞台化、オーディオブック化などのメディアミックスが展開されている人気シリーズ。現代日本を生きていた普通のサラリーマンが、ある日突然戦国武将に転生してしまい、得意分野だった歴史の知識を活かしながら乱世を懸命に生き抜いていく……という、本格派の“転生時代劇”だ。
本作『淡海乃海-現世を生き抜くことが業なれば-』では、小川優が若き戦国武将「竹若丸(朽木基綱)」役で初の単独主演を務め、転生前の現代サラリーマン「俺」役を、光GENJIの元メンバーである内海光司が演じる。現在絶賛稽古中という小川優に、公演に向けての意気込みや稽古場の雰囲気について聞かせてもらった。
新たなアレンジの「本格転生時代劇」
――出演を聞いた時の率直な感想はいかがでしたか?
お仕事中に(舞台出演が)決まったってことだけ伺って、詳細は後日いただいたんです。何の役だろうな?って思いながら台本を見てたら「あれ、もしかして俺主役なのかな?」って……(笑)。マネージャーさんに「俺、主役ですか?」って聞いたら「ハイ、主役です」って教えてもらって。だからぬるっとした驚きでしたね。でもすごくうれしかったです!
――お稽古開始から現在5日ほどだそうですが、始まってみての感想や手応えは?
今までの舞台の中で一番、出番もセリフも多いと思うんですよ。これだけのセリフを覚え切れるのかな、って最初はすごく不安でしたね。それから、座組みにはもともと僕が個人的に知っていた方も何人かいらして、「こんな方とご一緒できるなんて、いいんですか?」みたいな感じで、ちょっと緊張があったんですけど。今は、楽しみながらお稽古できてます。
――『淡海乃海』はこれまでに一度舞台化されていますが、今回はだいぶ見せ方が違うと伺っています。例えば、どんなところが変わっているのでしょうか?
役者たち一人一人による役作りが変わっているのはもちろんですが、今回は舞台にプロジェクションマッピングを取り入れるんです。稽古場だと、まだ予想図というか資料を見ている段階なんですが、それを見るだけで本当にすごいなって思うんですよ! これ実際に見たらどうなるんだろうって、めっちゃ楽しみですね。実際にセットを組むなら、きっともっと費用も時間もかけて作り込まなきゃならないようなものがポンって現れたり、それを場面によって切り替えたりできるのは、プロジェクションマッピングならではの見どころなんじゃないかな。そこが一番変わってる部分じゃないでしょうか。
――お稽古していて楽しいなと思うシーンや、お客さんに見てもらうのが楽しみなシーンはありますか?
僕が演じる竹若丸という人物は、頭を使って自分の国を大きくしようとするんですけど、やっぱり頭で考えた戦略だけではどうしても間に合わない部分っていうのが出てきてしまい、そこで初めて挫折を味わうんですね。そうして主人公が覚悟を決めて、ちょっとずつ熱いイイ男になっていく……っていう描写があるので、そこはしっかり伝えたいなと思ってます。お客様にも、主人公が覚悟を決めるきっかけとなる大事なシーンにぜひ注目していただきたいです。
――竹若丸とご自身とが似ている部分、そして反対に、自分には無いところだと思う部分は?
似てるなって思うのは、やるとなったら極めたくなるというか、ひとつのことに一直線になるところですね。僕は結構多趣味なんですけど、何かを一度やり始めたらしっかりやろうっていうのは思ってて。やりたいことをやれるようになるための方法とかを、自分で調べるのがすごい好きなんです。竹若丸も同じで、国を大きくするにはどうしたらいいか? みたいに考えて突き進んでいく。そういうところは似てるかなって。ただ竹若丸って、僕と違って頭がいいんですよ(笑)。そこが似てないところじゃないですかね。
垣間見える、稽古場の和やかさ
――内海光司さんとは今回初共演だそうですね。稽古場での印象はいかがですか?
ご本人曰く“人見知り”とのことなんですけど、それはウソだと思ってます(笑)。すごい気さくで明るくて、優しい方です。大先輩にこんなことを言うのは失礼かもしれないですけど、なんかちょっと可愛いんですよ。稽古中に僕が消しゴムをテーブルの上に置いておいたら、消しゴムケースの中身とリップクリームを入れ替える、っていういたずらを仕掛けてきたり。僕が引っかからずにすぐに気が付いちゃったもんだから、内海さんがガッカリして「オイなんでだよ〜」って(笑)。ご一緒するまでは、どんな方なんだろうって少しビビってたところもあったので、気さくな方で本当に良かったです。
――小川さんと内海さんは基本的には同じキャラクター(転生前と転生後)を演じることになりますが、おふたりで役についての打ち合わせなどはされるんでしょうか?
ちょいちょいしますね。やっぱりふたりで同時に喋るシーンとかもあるので、ここはどういうきっかけでやろうとか、お互いの役がどういう思いなのか話し合って「ここはもっと熱く来て! 俺を熱くさせてよ!」とか。そういう話は結構します。
――座長というご自身の立場に対して、特別な意識はしていますか?
いや、しないですよ……まだわからないですもん(笑)。だからそこも、これから自覚できるようになりたいなってすごく思います。何か(至らないところが)あったら言ってくださいね?
あ、でも一昨日かな、座組みの中に誕生日の方がいて。「◯◯さんお誕生日です!」って皆にアナウンスしてお祝いするっていう、僕が今までやってもらったことのある“座長らしいこと”が、まずひとつできましたね!
もしも転生できたなら?
――小川さんご自身の中には、転生願望や、転生してみたい対象などはありますか?
はい。いっぱいありますよ〜、転生したいもの。今の記憶を持ったまま昔の自分に戻って、また違う人生を歩んでみるのもいいなって思います。それから、自分は音楽がすごい好きなので、現代の音楽の知識を持ったまま大昔に転生して、作曲しまくったりとか……いろんな事をやってみたいです。
――どなたか、転生してみたい先輩とかもいますか?
いやー、亀梨くんですかね? 本当に、すごく好きで憧れてる方なので。とはいっても、いざ亀梨くんに転生できるよって言われたら、「畏れ多いので大丈夫です!」ってなりそうですけど。ジャニーズの先輩に対してはみんなそうかなぁ……あ、でも、中島健人くん! 健人くんの幼少期は追体験してみたいってちょっと思いますね。健人くんを形成した人生を送ったら、俺も「セクシーサンキュー!」って言ってるのかな(笑)。
リズムを感じて、ときに変化球で
――小川さんはギタリストとしてステージに立たれることもありますね。俳優活動とミュージシャン活動の時とでは、向き合い方や意識に何か違いがあるんでしょうか?
全く違いますね。お芝居の時は、まあギターもなんですけど……とにかく全然まだまだなので、お稽古でしっかり作り上げた物を舞台に乗せようっていう気持ちがベースにあるんです。そこに遊べるポイントを少しずつ増やせていけたらなと。
だけど演奏だと、コードだけ頭に入れたら「じゃあアドリブ入れよう」とか「これやっていいですか?」とか、すぐに遊んじゃいますね。本番前日とかに呼ばれて、はい本番!みたいなことも結構多かったので。演奏って、その人のフレーズ、音作り、出すニュアンスが、個性になるんですよ。だからギターソロとかでも、渡されたデータ通りに演奏するというより、自分のフレーズに少しでも変えてやる、っていう意識でやっています。そのあたりはお芝居と演奏では全然違うところですね。
――これまでの音楽の経験が、お芝居に役立っている部分などはありますか?
自分は変拍子の曲がすごく好きで。フュージョンとかジャズとか、プログレッシブ・メタルもそうですが、流れが急に変わるのが好きなんですよ。お芝居でもそれは似ていて、流れに対してちょっと変化球みたいなお芝居を誰かがしたら「うわ、そのコードめっちゃいいね!」って思います。自分で何か仕掛けようって時もその考え方は使えるので、「今この場のリズムをあえて崩したらどうなるのかな」みたいなことは、演じるうえで考えますね。
――最後に読者の方へ向けて、意気込みをお願いします!
初の単独主演なので、不安な所もあるけれど、でも、すごく楽しみで。ものすごく、この機会を大事にしたいっていう想いがあります。これをきっかけに、もっともっといろんなことをできるようになって、未来に繋げられたらなって。それこそ竹若丸と同じで、自分自身をここからもっと大きくしていきたいなって思っています。ぜひ、何も言わずについてきて頂けたらうれしいです(笑)。皆さん楽しんで観てください!
構成・文=小杉 美香
公演情報
『淡海乃海 水面が揺れる時~三英傑に嫌われた不運な男、朽木基綱の逆襲~』
(TOブックス刊)