「せんがわ劇場演劇コンクール」グランプリ作品、缶々の階『だから君はここにいるのか』大阪で凱旋公演

2022.6.11
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缶々の階『だから君はここにいるのか』【舞台編】 [撮影]青二才晃

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2022年5月に開催された「第12回せんがわ劇場演劇コンクール」にて『だから君はここにいるのか』【舞台編】で、見事にグランプリを獲得した、大阪の演劇ユニット「」。作家・演出家の久野那美が、公演のたびに新しい名前のユニットを立ち上げ、公演が終わると解散するという、ユニークな活動スタイルを取っている集団だ。現在は「缶々の階」の名前で活動している本ユニットの凱旋公演が、地元の大阪で行われる。

『だから君はここにいるのか』は、2014年に「階」14年ぶりの復帰作となった『話すのなら、今ここにないもののことを話したかった。今ここにないものの話ばかりしようと思った』(「缶の階」名義で上演)を改訂した作品。小さな劇場を舞台に、台本から削除された登場人物と、その役を演じるはずだった俳優が舞台上で語り合う【舞台編】と、劇の結末に納得できない登場人物と、その劇の再演を待ち望む観客が客席で出会う【客席編】という、それぞれ独立した話の2本立てとなっている。

缶々の階『だから君はここにいるのか』【舞台編】 より、三田村啓示(左)と七井悠(右)。 [撮影]青二才晃

フィクションとリアルがないまぜとなった不思議な劇世界と、そこで交わされる哲学的な会話が評判を呼び、特に「OMS戯曲賞」審査員として本作を読んだ渡辺えりは「生きる希望を見出された」と言うほど絶賛。今回のコンクールの講評やディスカッションでも「無駄のないシンプルな構成が効果的に機能していた」「破綻のない見事な完成度」と高く評価されている。

大阪公演はコンクールに引き続き、近年の久野作品の常連俳優である、七井悠と三田村啓示が出演。本作はこの後、来年1月に京都で【客席編】を、5月に[調布市せんがわ劇場]で2話一挙上演を行う予定。その時は出演俳優を一部入れ替えるため、このキャスティングでの上演は今回がラストだという。だから貴重な機会となる……というのを別にしても、「実在とは?」「虚構とは?」などのハテナで頭がいっぱいになりつつも、ほのかに心が温かくなるという、ちょっと他にはない世界を、純粋に味わってもらいたいと思う。

また「階」では現在、来年の京都・東京公演で上演する【客席編】の「椅子に座る女」役を演じる俳優を募集中(6/19締切)。興味のある方は、公式サイトを確認してほしい。

公演情報

缶々の階『だから君はここにいるのか』【舞台編】
 
■作・演出:久野那美
■出演:七井悠(劇団飛び道具)、三田村啓示
 
■日時:2022年6月17日(金)~19日(日) 17日=20:00~、18日=11:00~/15:00~、19日=14:00~/18:00~
■会場:難波サザンシアター
■料金:一般2,500円 18歳以下1,500円
■問い合わせ:xxnokai@gmail.com 090-9657-2437(階)
■公演サイト:http://floor.d.dooo.jp/cancan/

 
※この情報は6月10日時点のものです。新型コロナウイルスの状況次第で変更となる場合がございますので、公式サイトで最新の情報をチェックしてください。
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