【訃報】歌舞伎俳優 坂東竹三郎さん 享年89

2022.6.21
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坂東竹三郎 /(C)松竹


歌舞伎俳優の坂東竹三郎(ばんどう たけさぶろう)本名・岡崎 正二(おかざき まさじ)さんが、2022年6月17日(金)午前11時28分に骨髄異形成症候群のためのため、大阪市内病院にて死去したことがわかり、大阪松竹座宣伝部が発表した。享年89。葬儀・告別式は家族葬で執り行われた。

竹三郎さんは、昭和24年5月四代目尾上菊次郎の弟子となり、大阪・中座『盛綱陣屋』の腰元で尾上笹太郎を名のり初舞台。昭和34年9月三代目坂東薪車(しんしゃ)と改名し名題昇進。 昭和42年3月菊次郎の名前養子となり、朝日座『吉野川』の久我之助(こがのすけ)ほかで五代目坂東竹三郎を襲名。昭和53年上方舞の東山村流の二世家元となり山村太鶴を名のる。

関西に居を構える数少ない俳優のひとり。『すし屋』のお米や『引窓』のお幸、『忠臣蔵六段目』のおかやなど、情愛深い母親役や『封印切』のおえん、『吉田屋』のおきさをはじめとする上方の花車方、さらにはスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』(女医ベラドンナ)などの新作歌舞伎の舞台でも存在感を発揮した。

自主公演「坂東竹三郎の会」では復活狂言にも取り組み、また、平成9年に開塾した「松竹・上方歌舞伎塾」の講師を務める等、上方歌舞伎の振興と、後進の育成に注力した。

最後の舞台は令和3年12月南座『雁のたより』の仲居お君。平成6、7、11年十三夜会賞助演賞。平成10年十三夜会賞奨励賞。平成12年大阪市民表彰。平成15年第二十四回松尾芸能賞優秀賞。平成19年第十三回日本俳優協会賞特別賞。平成21年文化庁長官表彰。平成30年度大阪文化祭賞。令和4年松尾芸能賞功労賞を受賞している。

 

謹んでお悔やみ申し上げます。