4年ぶりにオリジナルアルバムを携えた、全国ホール&アリーナツアーを前に[Alexandros] は何を語るのか
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[Alexandros] 撮影=河本悠貴
8thアルバム『But wait. Cats?』を完成させた[Alexandros]が、リリース3日後から早速ツアーに出発する。7〜9月に行われるのはバンド初の全国ホールツアー『But wait. Tour? 2022』(16都市17公演)。そして10〜12月には東名阪アリーナツアー『But wait. Arena? 2022 supported by Panasonic』(3都市6公演)が控えている。オリジナルアルバムのツアーとしては実に4年ぶり。ツアーに向けて気持ちを高めているメンバー4人はどんなことを考えているのだろうか。また、前ツアーやディスフェス、ネコフェスなど直近のライブ活動を振り返ってもらうことでバンドの現在のモードを探り、リハ風景を収めた貴重な写真とともにお届けする。
――ホールツアー、初めてなんですね。
川上洋平(Vo/Gt):「ホールツアー、どう?」という話は数年前からあったんですけど、「ちょっとまだ早いかな」と思っていたんですよ。ライブハウス出身のバンドだし、ライブハウスが似合う曲が多いので、ホールでやるイメージがつかなくて。でもコロナ禍になってからお客さんが声出せない、動けないというなかでライブを多めにやって、「ホールが似合わないなんてことはないな」「うちらはどこでやってもいけるな」と思ったんですよね。
――2021年3月のファンクラブ会員限定ライブ(LINE CUBE SHIBUYA)、2022年4月の『THIS SUMMER FESTIVAL 2022』(東京国際フォーラム ホールA)でホールワンマンを経験していますが、その2回がみなさんにとってしっくりくるものだったと。
川上:はい。特にこの前の国際フォーラムなんて今までで一番肉体的なライブをできたし、もちろん演出もあったんですけど、何よりうちらの“とにかくロックなライブがしたい”という部分がお客さんにもすごく伝わっているなあと感じたんですよね。今までは「これ、ホールで伝わるかな?」と思っていたんですけど、全然関係なかったなと実際にやって思いました。あと、今回のツアーでは、今まであんまり行けなかったところにも行けるんですけど、そういったところには結構ホールが用意されていたりするんですよ。北斗とか、松山とか……あと、(川上、白井の出身地の)相模原ね。
――私は横浜の人間なんですけど、バンドがツアーをまわる時、東京ばかりで横浜に来てくれないなと思っていたし、だからこそ来てくれた時に嬉しかったんですよ。最近は横浜にもライブ会場が増えて、横浜に来てくれるバンドも増えたんですけど、ここで[Alexandros]は相模原に行くという――
白井眞輝(Gt):横浜の人は上から目線ですね(笑)。何か文句ありますか?(笑)
磯部寛之(Ba):歪みが生まれてますけど(笑)。
――そうじゃなくて(笑)、相模原の人も嬉しいんじゃないかなと思って。
白井:ああ。確かに、相模原はライブしに来てくれるバンド、なかなかいないんですよ。
川上:相模原もそうだけど、初めてのところや今までなかなか行けなかったところに行けるのはいい試みだなと思ったので、チームの誰かの発案だったと思うんですけど、今こそいいんじゃないかと思いましたね。それに“[Alexandros]は好きだけど、ライブは激しそうだから怖いなあ”という方も中にはいるだろうし、お子さんと一緒に来たいという方も増えてきていると思うので、そういった方にもぜひ楽しんでほしいなと思います。
――ツアーに向けていろいろなことを進めている最中かと思いますが、そもそもツアーの初日を迎えるまでにはどういう準備が必要なんですか?
川上:[Alexandros]の場合、最初にセットリストを何となく決めておくんですよ。俺が作ったファーストドラフトみたいなものをメンバーに渡して、「いいね、いいね」「俺この曲久々にやりたいな」と言い合いながら組み立てていくんですけど、実際に演奏してみると、「これは意外とハマらないな」「やっぱり変えよう」というのが絶対に出てくるから、少し曲数を多めにして余白を残しておくんです。そのあと、曲と曲の繋げ方とか、この曲をどうリニューアルしようかということを考える作業に入って。ゲネという通し稽古のようなものは、ラスト3日間でできたらいいかなという感じですね。基本的には全体の構図を作り上げる作業が一番大事だと思っているんですけど、今回はアルバムのツアーなので、わりとスムーズにいけたと思います。
――例えば昨年の『ALEATORIC TOMATO Tour 2021』~『ALEATORIC ARENA 4 DAYS』では「Swan」や「Travel」を原曲とは大幅に異なるアレンジで演奏する場面がありましたが、ああいうのは、スタジオで実際に音を出している時に「ちょっと今までと違うアプローチをしてみようか」という話になって形にしていくんですか?
川上:そうです。でも「『Swan』がやりたいよね」「じゃあニューアレンジでやろう」というよりも、「こういう雰囲気のものがやりたいな」が先にあるというか……例えばリアドに「こういうビート叩いてよ」って叩いてもらって、「もっとマッドな雰囲気に」とか言っている最中に「これ、もしかしたら『Swan』が合うんじゃない?」という感じであとから曲を当てはめることの方が多いかもしれないです。うちらの場合は、ビートから生まれることが結構多いですね。
――このインタビューはツアーが始まる約2週間前に行っていますが、現時点ではどういう作業をしているんですか?
川上:メンバーとメール上で「セットリストどうする?」というやりとりをして、叩き台が仕上がったところです。多分ここからまた変わっていくと思うんですけどね。リハーサルにはまだ入っていなくて、新曲たちをどう演奏するか、昔の曲をどうリニューアルして披露するかというのは、何となく頭にはあるもののまだ決まっていないです。
磯部:『But wait. Cats?』は肉体的なアルバムだし、みんなでスタジオでセッションしながら作ったアルバムだし、ライブが想像できる曲がすごく多いので、あと2週間の準備期間を経て、めちゃめちゃいいライブになる予感しかしないですね。早くライブがやりたいです。
――今回は『But wait. Cats?』のツアーなのでアルバム曲中心になるかと思いますが、セットリストを決める段階で意見がぶつかることはありますか? もちろん4人それぞれにやりたいことがあるだろうし、「俺は今1stアルバムっぽいモードなんだよね」という人もいれば「いや、俺は3rdかな」という人もいるということもあり得るだろうし。
川上:ワンマンだと2時間以上あるから、このブロックには俺の意見が反映されているけど、このブロックには誰々の意見が反映されているよねという感じで、結構満遍なくメンバーの意見を取り入れられるんですよね。あと、うちらはマイナーチェンジ枠という日によって曲を替えるところがあるから、「俺この曲やりたいな」「じゃあ来週はその曲やろっか」というふうにできる柔軟さもあるし……そう考えると、セットリストに関しては(意見は)あんまりぶつからないですね。ライブは生き物だし、セットリストも生き物だし、その日の気分で変わっていくべきだと思うから、凝り固まった感じで挑んではいけないのかなと長年やっていると分かるんですよ。この前の東京国際フォーラムでは「El Camino」という曲を久々にやったんですけど、本当に久々だったから、お客さん声出せないんですけど、みんな「……!」という感じになっていて。一応対バンだったし、知っている人いなさすぎてヤバいんじゃないかという意見もあったんですよ。でも、待ち望んでいた人もいたと思うし、もしくは忘れていたけど「ああ、こういう曲あったじゃん!」って思い出した人もいただろうし……ライブで久々に聴けるというのはすごいサプライズですよね。そこは長年やっているバンドの強みなのかなと思います。
――しかも「The」から「El Camino」に入るという3rdアルバム『Schwarzenegger』を踏襲した流れでしたからね。嬉しさや驚きと同時に「なぜ今それをやったんだろう?」と疑問に思った人もいると思うので、もしもその部分で喋れることなどがあれば。
川上:いや、理由なんて何にもないですよ。ファミレスで頼みがちじゃないメニューってあるじゃないですか。だけど今日はあえてメキシカン何とかを頼んでみるか、みたいな感じ。やっぱり感覚でやるのがすごく大事で。自分らの手持ちの曲には一つひとつに血が通っているから、さらに意味や理由を継ぎ足す必要はないと思うんです。こっちが感覚的にバッと出しているなかで、お客さんが各自で思い入れや意味を足してくれた方が僕は嬉しいし、そうやって解釈してくれた方が意味がもっと濃くなると思うんですよね。だから大義名分的なものや理由めいたものを入れたくないし、いい意味での行き当たりばったりを楽しみたい。しかも今はリアドが新しく入って、新しいアレンジでそこに挑めているから楽しいんですよ。あの時できなかったアレンジが今できているという感覚もあるし、新曲と昔の曲を繋ぐなかで「やっぱりうちらは同じバンドなんだな」と確認できているのも面白いです。
――なるほど。今回のツアーがどのようなものになるのか探るために、1つ前のツアーを少し振り返りたいのですが、昨年の『ALEATORIC TOMATO Tour 2021』~『ALEATORIC ARENA 4 DAYS』はリアドさんが正式メンバーになってから初めてのツアーでしたね。リアドさん、ツアーをまわってみていかがでしたか?
リアド偉武(Dr):いま洋平が言ったように、曲のスピード感もフレーズも日によって変わっていく感じがすごくリアルで。それは“昨日こうだったから今日はこう変えよう”というものもあれば、気分で変わっていったものもあったんですけど、それをキャッチしながら自分も叩くことができたし、音でメンバーと会話をしながらライブを作っていくことができたツアーだったと思いますね。そんなツアーをまわれた経験は自分にとってすごく大きなものでした。その経験はもちろん今回のアルバムの制作にも影響したと思うし、それこそツアーの1曲目にやった「Aleatoric」という曲がアルバムの1曲目にもなっているし。[Alexandros]はそれぞれが強い個性を持っているし、その個性がぶつかり合った時の歪さが魅力だと思うので、自分もしっかり出していかなきゃと思いながら臨みました。
――“aleatoric=偶然性の”という単語をツアータイトルに掲げていた通り、バンドの演奏自体も今この場所で生まれる感覚に身を委ねる種類のものでしたが、そこに映像・照明演出も重なって、チーム全体でセッションをしているようでしたね。
磯部:演出もバチバチで完成度が高かったし、ただのロックバンドのライブではなく、もう一段階上のエンタメを届けようというモードの中でいいツアーをまわれたと思います。
川上:まさにチーム全体がバンドになったような感覚でしたね。やっぱりね、一つの音楽の中で4つの音が混在していて、全ての音がリンクしていて、ぶつかり合いながらまとまっているというのがバンドの良さだと思うんですよ。ライブでは照明や映像もそこに加わるから、照明・映像チームも含めてバンドを結成するような感じで全部をリンクさせたかったし、そうすることによってロックバンドのカッコよさを視覚的にもお客さんに伝えたかったんですよね。だからこの前のツアーは、すごく良かったと思いますよ。クリックも鳴っていないのに、照明チームも映像チームもバチバチに音に合わせてくれたし、あれは本当にカッコよかった。
白井:そういえば、去年のツアーの初日が仙台だったんですけど、みんなで前乗りして焼肉を食いに行ったんですよ。確か都内はまだ飲食店が営業しづらい時期だったと思うんですけど、都内と仙台では要請内容とかも違うから、仙台は夜でも営業していて。リアドという新メンバーが入った時期だったし、“やっとツアーができるね”という時期でもあったので、一致団結して士気を高めようということで洋平がみんなを誘ったんですよね。あそこで決起集会的なことをやれたのは結構大きかったかもしれない。
――そういう機会があるのとないのとでは違うものですか?
白井:結構違う気がしますね。今まではあんまりそういうことをしなかったんですよ。打ち上げはやってましたけど、ツアーの前日はむしろ体を休めるために何もしなかった。だけどみんなで一緒にごはんを食べて「明日から頑張ろうね」という気持ちになれたのは大きかったと思いますね。
川上:あのツアーをまわって気付いたことは、“やっぱりバンドって楽しいな”ということですよね。今までバーッと進んできたけど、コロナがあっていい意味でも悪い意味でも立ち止まることができたし、しかもリアドが入ったことによって、バンドの成り立ちや“バンドの魅力って何だろう?”ということを改めて考えさせられた時期でもあったんですよ。そんななかで、今話したようなことがうちらのやりたいことであり伝達させたいことだなと改めて思ったし、もっと濃密に、大胆にこれをやっていきたいですね。それはもっと派手にしていきたいということではなく、生の音、生の声、生の照明が何のフィルターもなしに……肌に直接当たっているように感じられるほどのものを作りたい。世の中にはいろいろなショーがありますけど、やっぱりバンドってどれだけ生々しいかだと思うから。それを伝えるためにどうしたらいいかということに、面白がりながら挑んでいるところですね。
――あと、川上さんとリアドさんの2人編成で『ネコフェス2022』に出演した件についても聞きたいです。
リアド:最初は自分たちでもどんなライブになるのか分からなかったんですけど、洋平と一緒に“2人でやれることは全部やろう”と言いながら取り組んだ結果、大事なことが見えたので、本当にやってよかったなと思います。久しぶりにライブハウスでやれたのも楽しかったですね。
――確かに最近は大きな会場でのライブが続いていましたからね。ボーカリストとドラマーの2人編成ってあんまり聞かないですけど、[Alexandros]はリズムへのこだわりが強いバンドなので、何となく腑に落ちる部分もあって。
川上:いやー、マジで勉強になりましたよ。「俺はこうなんだよ」っていうリズムをやっぱり野放しにしちゃいかんなと。リアドはサポートも含めると2019年から入ってくれているんだけど、リズムの取り方やグルーヴが俺とリアドでまだまだ合致していないところがいっぱいあったし、お互い伝わっていなかったんだなってこともいっぱいあって。それを修正するいい機会になったし、これは本当にやってよかったです。曲練習というよりは、グルーヴ練習に徹したんですよ。
――グルーヴ練習ですか。
川上:すごく細かい話なんですけど、エイトビートで言う2(拍目)と4(拍目)のリズム感ですよね。外国人のドラマーは2・4の時に体がすごく踊っているんですよ。例えば、こう叩くか、こう叩くかという話なんですけど(と言いながら、口ドラムで実践)。
――前者はバネのような躍動感があって立体的ですが、後者は平坦で機械的に感じられますね。
川上:そう。日本人のドラムはすごく平坦なの。それは、ネコフェスでいろいろなバンドのドラムを見ていた時にも思ったことで。平坦だとその分アレンジをすごく細かくできたりするんだけど、単純にノレるかノレないかという話で言うと、やっぱり物足りないんですよね。俺からすると、日本人のトン、トン、というドラムが竹刀だとしたら、外国人のシュパンッ、シュパンッ、というドラムはウィップ(鞭)ですよね。しなっているからグルーヴが生まれるし、ちょっとモタることで余白や遊びが生まれるのがカッコいいんですよ。ロックではそれが一番大事だと思ったので「リアド、そこめっちゃやろう」って一緒に作っていきました。だからこの前のライブは2・4がバッチバチにハマっていたし、うちのバンドが一番カッコよかったと思う。
リアド:(笑)
川上:いや、それは当たり前か(笑)。この前、外国人のプロデューサーが来てくれて4曲くらい一緒に作ったんですけど、彼と一緒に制作できたのがすごく大きくて。レコーディングしたものをチェックする時の彼のノリ方がやっぱり違うんですよ。ブースって卓の前にエンジニアさんがいて、その後ろにうちらがいるんですけど、彼と一緒のノリになった時は「よっしゃ」と思ったりして。彼からはそれを一番盗んでいたかもしれない。リアドにも「これはめっちゃ大事」と伝えて、演奏を1回1回止めて「動いてない」「もっと踊って」ってやってました。ドラマーがノリながら叩いていると、お客さんもついていきやすいだろうし。
――それこそ今回のツアーは座席ありなので、グルーヴで以ってお客さんを踊らせられるかどうかはかなり重要ですし、レコーディングや『ネコフェス』で得たものが活かされそうですね。
川上:そう。ホールはもっと激しくしなきゃいけないのかなと考えています。あと、これから始まるツアーに関しては、やっぱり新しいことをしていきたいなと。それが何なのかは来ていただいてからのお楽しみですけど、出囃子が鳴って、メンバーが登場して、演奏が始まって……という概念すらも崩していけたら面白いんじゃないかと思っています。まあ、2週間でそれをどう表現できるか分からないけど(笑)、その場その場で作れるのがロックバンドの良さだし、今までの経験もあるからできることはいろいろある気がしますね。
――ホールもアリーナもどんなライブになるのか楽しみにしています。では改めて、ツアーに対する意気込みを聞かせていただけますか?
川上:久々に行くところもあるし初めて行くところもあるので、そこで名を広めたいですね。例えば愛媛は初めて行くんですけど、愛媛のライブに来る方には愛媛で我々のことを広める第一人者になっていただきたいんですよ。我々の目標は、うちらの音楽を聴いたことがないという人が世界中にいないような状況にすることなので、もちろん愛媛でも「いやー、[Alexandros]のライブに行ったけどすごくよかったよ」と思わせるようなライブをしないといけない。こういう時代だからこそ行けるところまで鳴らしに行くので、みなさんにはぜひ口コミで広めていただきたいなと思います。
白井:こんな細かく全国をまわるのは久しぶりなので、本当に楽しみなんですよね。あと、ここ2人が相模原出身ということは、相模原市民に意外と知られていないので――
川上:自分たちからそこまで言ってないからね。
白井:そう。相模原市民は他人にあんまり興味がないから、そういうのがあんまり広まらないんだけど(笑)、今回のツアーでは「帰ってきたんですよ」「故郷に錦を飾りに来ました」と堂々と示したいですね。
――しかも2日間ありますからね。8月30日と31日。
白井:夏休み終盤か。
川上:夏の相模原は素敵なのでぜひ。特に何もないけど(笑)。
――磯部さん、リアドさんはいかがですか?
磯部:やっぱりツアー自体が楽しみですね。オリジナルアルバムのツアーが4年ぶりだということに自分でもびっくりしているんですけど、コロナ禍を経て、4人で久しぶりにスタジオに入って音を出した時の「やっぱりスゲー楽しいな!」という気持ちが『But wait. Cats?』というアルバムの勢い、熱量にそのまま繋がっているので、制作していてもすごく楽しかったんですよ。そうやってできた曲をぶっ放せるというのは何よりも楽しみですね。それは毎作そうですけど、今回も例外なくそう。自分たちの最新のモードが詰まっている作品を、全国のみなさんと共有しに行く。それはバンドとしてめちゃくちゃ意味のあることだし、さっき洋平が言っていたように初めて行くところもあるので、そういう部分も含めて、ツアー中新しい発見がありそうだなと思います。各地の食べ物も楽しみだし(笑)、早くみなさんにお会いしたいですね。
リアド:“これがやりたくてやってる”という感覚が強いというか。突き詰めれば、ツアーをやるために、いろいろな場所でライブをやるために僕はバンドをやっていると思うんですよね。そのツアーに持っていくアルバムは新しくてカッコよくて最高のものができたので、届けに行けることをすごく楽しみにしています。
――最後に、ツアーに行こうと思っている人や、行こうかどうか迷っている人に伝えたいことはありますか?
川上:コロナ禍だし、ライブに行くのはちょっと心配だなという方も多いと思うんですよ。だけど今回はホールなので、ライブハウスやフェスよりは安心感を持ってもらえるのかなと。それに、僕の印象ですけど、ロックバンドのお客さんってちゃんとルールを守ってくれるんですよ。マスクしながらノッてくれるし、ちゃんとオーガナイズされているというか。だから大きなロックフェスでもまだクラスターが発生していないし、うちらがこうしてツアーができるのは、前回のツアーでお客さんがちゃんとルールを守ってくれたからで。そこは日本のいいところですよね。だからぜひ、怖がらずに、安心してライブに来てほしいなと思います。みんなが気をつけなきゃいけないことは普段より増えるかもしれないけど、それ以上のものをお見せするので、楽しみにしていてほしいです。
取材・文=蜂須賀ちなみ 撮影=河本悠貴
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